不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 先日、「言葉の意味とは?:オルタナティブを考える力」というエントリーでもこの『脳とクオリア―なぜ脳に心が生まれるのか』という本については取り上げましたが、すべて読み終わりましたのであらためて書評を。 脳に対する物理学的アプローチまず、この本を読んでの一番の感想は、茂木健一郎さんというのは物理学者なんだなという印象をもったことです。 もちろん、脳を対象に研究をされているので、多くの方が認識しているとおり、脳科学者という位置付けで間違いありません。ただ、その脳に対するアプローチの仕方はあきらかに物理学者の態度のように感じました。 脳に対するアプローチは、生物学的、生化学的な方面から行うのがより一般的なアプローチといえるのかもしれませんが、この本に見られる茂木さんのアプローチはそ