先日,トマトを栽培している温室菜園を取材する機会がありました。エレクトロニクスと何の関係があるのかと思われるかもしれませんが,栽培環境をコンピュータで制御し,育苗には人工光を使うなど,随所にエレクトロニクス技術がちりばめられていました。 訪れたのは,JR那須塩原駅から車で25分ほどの場所にある「カンジンファーム」という会社です。ここで生産するトマトの年間収穫量は1m2当たり40〜45kgほど。これは国内の一般的な値の2〜4倍にもなるそうです。年間を通じて品質や収穫量のバラつきが少ないという特徴も顧客から高く評価されているとのことでした。 こうした高効率かつ安定的な植物生産は,エレクトロニクス技術の導入によって初めて可能になるといいます。これまで農業分野では経験と勘に頼った職人技による栽培が主流でしたが,今後はそうしたノウハウをすべて制御プログラムという形で蓄積していくことになりそうです。
民主党が、きのう農業者戸別所得補償法案を国会に提出した。参議院選挙で公約した農家へのバラマキ政策は、単なるリップサービスではなかったわけだ。小沢一郎氏は「都市と農村の格差」を解消するというが、農家の所得のほうが非農家より高いことを彼は知っているはずだ。ちょっと古い数字だが、1998年でも兼業農家の年収が856万円に対して勤労者世帯は707万円。しかも農家全体の所得に占める農業収入は15%しかない。75%が第2種兼業農家、つまり農業もやるサラリーマンなのだ。 ところが日本の納税者一世帯当たりの農業補助金の負担は12万円と、世界一多い。OECDによれば、農業所得の56%が補助金で、EUの32%やアメリカの16%をはるかに上回る。このような補助金漬けの農家に、さらに1兆円の補助金をばらまこうという民主党の政策は、財源の見通しもない無責任なものだ。法案では、一応コメなどの補助金を見直して財源を捻
最近20年の50ヶ国以上を対象にしたIMFの調査によれば、情報化とグローバル化によって所得格差は拡大しているが、所得も上昇している。その主要な結論は多くの国で、所得格差は拡大している。同時に一人あたりGDPもほとんどの国で上昇し、もっとも貧しい階層の所得も上昇している。この所得格差の最大の原因は、ITなどスキルを要求する技術進歩(skill-biased technological change)であり、ほとんどの所得格差はこれで説明できる。資本のグローバル化、特に対外直接投資は――技術移転の影響を通じて――国内の所得格差を拡大するが、貿易のグローバル化は格差を縮小する。両方の効果が相殺して、グローバル化の影響は情報技術よりずっと小さい。しかし全体として、技術進歩とグローバル化によってどの階層も絶対的には豊かになっている。格差の問題を解決するには、高等教育によるスキルの普及が望ましい。また
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