橋下徹知事は16日、35市町村の全国学力調査の科目別平均正答率を公表した。序列化につながる懸念などから公表しないよう求めた文部科学省の通知を無視しての判断。「序列化が生じるのか、今後じっくりと見させてもらう」という。海外の教育改革に詳しい大阪大の志水宏吉教授に、英国で行われた同様のランキングがどのような結末を迎えたか聞いた。 ◆学力調査公表 英国の先例は? ――橋下知事は市町村ごとの平均正答率を部分開示しました 知事が言うように、点数が公表されて順番がつくといい意味での競争が生まれるかもしれません。一方、数値を出せばそれが独り歩きして学校や地域間の序列化につながり、結局は学力格差が拡大するおそれがある。私は、メリットよりデメリットの方が大きいと思います。実際に起きた事例を目の当たりにしたからです。 1991年から93年にかけて英国で研究をしていたとき、サッチャー首相の教育改