今年から日本では、健康情報を一元化する「PHR構想」が本格化する。国際ジャーナリストの堤未果さんは「薬を飲むか飲まないかの問題は、個人の意思やプライバシーにかかわるものだった。一括管理により、その聖域が壊されることになる」という――。 ※本稿は、堤未果『堤未果の「すばらしい新世界」』(集英社新書)の一部を再編集したものです。 ストレス社員は会社の「潜在的リスク」 2026年現在、多くの日本企業が、健康経営の名の下にスマートウォッチを社員に配付している。日々の歩数や睡眠時間だけでなく、心拍数の変化から計算された「ストレス度」が上司の持つタブレットに表示されるのだ。 ストレス指数が高い社員は、会社にとっての「潜在的リスク」と見なされ、カウンセリングや投薬治療へと誘導される。 〈早期発見、早期治療〉 本人にとっても会社にとっても、早ければ早いほど効率良く対処できるからだ。すでにその仕組みは、多く