論戦からの逃走する政権 高市早苗首相は、いったい何を急いでいるのだろうか。 会期が残り少ない中で提出法案を全て仕上げる、なかでも、衆院でわずか3時間しか審議しなかった皇室典範改正案を、参院でも数時間の審議で成立させようとしている。数の上では圧倒的多数である。ならば、むしろ時間をかけて丁寧な合意形成を図る方が、野党の反対があっても正当性が増すはずだ。 だが、その気は全くないのだろう。本気で抵抗しようという野党がないこともあって、改正案の妥当性や整合性などは度外視して、野党の要求も一顧だにせず、戦後初めてとなる皇室典範の本則改正に向けてひた走っている。なぜそこまで急ぐのか。何が狙いなのか。その背景を探ってみた。 「静謐」だった衆議院本会議場 かれこれ40年、政治取材を続けてきたが、国家の基本的なあり方にも関わる法案が、これほど「静謐」に衆議院を通過した例は記憶にない。侃々諤々、与野党の当代一流