現代の野菜は昔に比べて栄養価が低い、というのはよく聞く話。ところが、管理栄養士の成田崇信さんは「野菜の栄養価が低下しているという事実はない。『日本食品標準成分表』の見方が間違っているために起こる誤解だろう」という――。 誤解を招くオーガニック給食 品川区は、今年10月から公立小中学校の給食で使う野菜すべてを化学肥料や農薬を使わない「有機(オーガニック)栽培」で作られたものにすると発表し、話題になりました。 こうして「オーガニック給食」を導入する理由の一つに、「子どもたちに安全安心な給食を食べさせたい」というものがあります。もちろん、有機栽培を推進すること自体は問題ありませんが、化学肥料や農薬を使用した「慣行栽培」の野菜が健康に悪いかのようにいうのは問題だと批判の声が上がりました。慣行栽培で使われる化学肥料や農薬は、人が生涯にわたって毎日とり続けても害がない量に設定されているからです。 オー