若手技術者に託す夢 初子さんが「鉛筆一本で稼げる」とプログラマーを志して半世紀になる。成功と失敗、そして再起を経験して語るのは、めまぐるしく変化するIT業界の魅力だ。 「誰かが変革を生み出し、その変革にチャンスをもらう。そこから価値のあるものを生み出すところに、開発の楽しさがある」 もちろん一人ではない。発想力に富み「コンピューターには無限の可能性がある」と語る和宣さんと、「可能性を使える形にするのがエンジニア」と話す初子さんは良きパートナーだ。二人で開発したメタモジのソフトは、学校や建設会社、放送局といった様々な現場で使われている。 そして一太郎と「ATOK」もまた、初子さんらが離れた後のジャストシステムで、着実に販売実績を重ねている。 メタモジの若手社員は、一太郎の大ヒットを知らない世代だ。22年に入社した本間奨悟さんは「社長と専務が時代を築いたレジェンドと知って驚いた」と明かす。 初