世界は「新たな戦前」に入ったのか。国際政治学者の細谷雄一さんは「第二次世界大戦前の1930年代の様相と、現在は驚くほど重なるところが大きい」という。米ソ冷戦終結から30年、平和が訪れるはずだった世界に何が起きているのか。『危機の三十年』(新潮選書)の刊行を機に、ライターの梶原麻衣子さんが聞いた――。(第1回/全2回) なぜロシア、アメリカ、中国は暴れているのか ――ロシアのウクライナ侵攻から丸4年が経ち、トランプは中東や南米で暴れ放題。中国も台湾への野心を隠そうとしません。国際秩序はどうなるのだろうという状況が続いています。 【細谷】国際秩序の維持に責任を持つ安全保障理事国5カ国のうち、米中露の3カ国が自ら国際秩序を破壊するような振る舞いを見せています。治安維持を担う警察官が、銃を使って強盗をしているようなものと言ってもいいかもしれません。 ――ひどい状況ですね。 【細谷】大きな流れから言