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白スズメとぴったり寄り添う普通のスズメは、なんとも「仲良し」。平和な光景が目の前にある=2024年10月18日午前10時32分、兵庫県丹波篠山市内で 兵庫県丹波篠山市内で空を横切った鳥の姿に、「えっ」と声が出た。距離を保ち、望遠レンズをのぞき込む。そこにいたのは白いスズメだ。 眼球が黒いことから、色素が抜ける「アルビノ」ではなく、突然変異による「白化個体」とみられる。羽の一部は普通のスズメと同じ色をしている。 電柱のパイプをねぐらにしているよう。見とれていると普通のスズメが飛来。2羽でパイプの中に入ったかと思うと、ひょこっと一緒に顔を出した。 「すごい」と声が漏れる。普通、白い個体はいじめられたり、他の鳥に追い掛け回されることがあると聞くのに、この2羽はどう見ても「仲良し」だ。 ぴたりと寄り添ってみたり、それぞれ違う方向を見張るような仕草を見せたり。協力して生活を送っていることがありありと
新基準で除籍対象の本を取り出し、スカスカになった本棚(奥)と、積み上がる「受入16年以上」の本(手前)=兵庫県丹波市氷上町絹山で 兵庫県丹波市の北小学校で、古い本を処分する除籍作業があった。教師とボランティアが全国学校図書館協議会が定めた蔵書を最新に保つ図書廃棄基準「受入後10年が経過」に照らし初めて実施したところ、対象としなかった文学以外の棚がほぼ空になった。2021年まで、年数による明確な除籍基準がなかった。文学以外の蔵書はほぼ廃棄に該当するが、一斉に清算し大量廃棄しても図書購入予算の制約があり、更新は限定的。基準は参考にとどめ、除籍対象の本の一部を書棚に戻し、“スカスカ”の状態を回避する。廃棄は一部にとどめ、閉架で保管する。 同協議会基準の遵守義務はない。同協議会によると、全国的に学校図書室の本が古いままで問題に対処するため、「10年」を打ち出したという。 蔵書約7000冊のうち7―
斎藤知事「知事室で使う」と非売品の家具持ち帰り 本紙指摘で存在確認も”おねだり”は否定 「県産品のPRに」 2024.07.16 兵庫県の斎藤元彦知事が「企業などから贈答品を受け取っている」などとする元県職員からの内部告発を受け、県議会が百条委員会を設置する中、知事が一昨年9月に同県丹波市内の事業所を視察した際、この事業所が自社制作した木製のいすとサイドテーブルを持ち帰っていたことが、関係者への取材で分かった。16日、県庁の定例会見で知事は丹波新聞社の質問に受領を認め、「知事室では使っていない」と答え、「知事や県庁が使うのは、産業振興のため。おねだりではない」と述べた。 2022年9月5、6日に行われた、知事が滞在し地域と交流しながら働く「ワーケーション知事室in丹波」時に視察した事業所での出来事。 事業所のウェブサイト(同年9月6日付)に「ぜひ知事室で使いたいと自社製のイスとサイドテーブ
兵庫県丹波篠山市黒岡の春日神社境内にあり、保存・修理工事が行われている国重要文化財の能舞台の楽屋の屋根が取り払われ、屋根の傾斜に合わせて、「く」の字に曲がった1本の松を活用した構造材があらわになっている。公益財団法人・文化財建造物保存技術協会の専門家は、「非常に珍しい工法で、構造の世界では当てはまる名前がない」と驚く。2本の木を組み合わせたものではなく、強度が非常に強いことから、「〝最強〟の木の使い方。関わった大工の経験値とインスピレーションのすごさが垣間見える」と話している。 工事は今年1月に始まった。劣化が激しい楽屋と鏡の間、控えの間の屋根のふき替えや耐震補強などが行われている。 あらわになった松の構造材は2本で、それぞれ長さ5メートル、厚み20センチ、幅50センチ。屋根の傾斜にぴったりと合うよう、120度ほどに曲がっている。2本は同じ松の丸太から取ったとみられる。 「一般的な構造とは
兵庫県丹波篠山市立城東小学校3年生13人が、51年前に廃線となった国鉄篠山線の跡地を巡った。駅があった場所や線路跡、保管された駅名板などを見学。かつて人や荷物を載せて走った地域の鉄道に思いをはせた。 社会科の授業の一環。アーカイブ映像や、地図を見て学習を進めてきた児童たちは、篠山線に詳しい松本剛さん(63)の案内で、福住、村雲駅の跡地や松本さんが整備した線路モニュメント、城東公民館に設けている篠山線関連の展示コーナーを見て回った。 児童たちを前に、松本さんは、昭和19年(1944)から47年(1972)まで鉄道が走っていたことや、戦時中に珪石などの資源を運搬していたことなどを説明。また、自家用車の普及で乗客が減ったことなどで廃止されたことを伝えた。 松本さんは、「みんなのお父さんやお母さんは知らないかもしれないけれど、おじいちゃんやおばあちゃんは篠山線のことを知っていると思う。ぜひ篠山線の
丹波新聞社では住民のさまざまな疑問を調べて解決する「調べてくり探(たん)」を展開しています。今回は、兵庫県丹波篠山市在住の男性からの依頼。「昔、先生が『教科書の○ペーシを開いて』と言われていました。当時は、『ページ』のことを『ペーシ』と言うこともあるのかな?と思っていたのですが、最近、市議会で、『議案書○ペーシ』と言う市の職員さんがおられました。久しぶりに『ペーシ』を聞き、ふと、市外ではあまり聞いたことがない気がするので方言なのか?と感じました。どうなんでしょうか?」―。 市議会担当の記者も、以前から「ペーシ」は気になっていたが、それほど気に留めていなかった。まずは、ペーシ発言をした市の部長に確認。「今日の議会での答弁についてですが」と切り出すと、「え、何かおかしいところありました?」と返ってきたため、「ページのことをペーシとおっしゃられましたね」と真面目な顔で問う。しばらく間があり、苦笑
「素人のように考え、玄人として実行する」の演題で講演する金出さん=2022年2月17日午後2時51分、兵庫県丹波市柏原町柏原で 産学官民が一体となって内外の人の力を結集し、地域発のイノベーション(新たなものを生み出し変革を起こすこと)を推進するプロジェクト「シリ丹バレー」の推進協議会設立を記念したセミナーがこのほど、兵庫県丹波市で開かれ、米カーネギーメロン大学ワイタカー冠全学教授の金出武雄さん(76)が、「素人のように考え、玄人として実行する」の演題で基調講演した。これまでの研究者生活を通してイノベーションが起こった経験談を語り、同協議会が目標とするイノベーションの創出について「競争しながら協創する」ことの重要性を訴えた。要旨を紹介する。 スマホのカメラ機能を起動して、人の顔にかざすと顔を認識して四角形の枠が出てくる。私が1990年代半ばに始めた研究成果の一つだ。 今日、顔認識、顔画像処理
顔面をハチに巣くわれ、守護神として頼もしい威厳のある表情が失われてしまっていた兵庫県丹波市山南町谷川の常勝寺の仁王像にある修復作業がこのほど完了した。頭部を取り外して、奈良県の文化財修復家のもとで修復を受けて無事に寺に戻され、再び仁王門で以前と変わらぬ迫力あるにらみを利かせている。 2020年8月下旬、口を結んだ「吽(うん)形」像の中空となっている頭の内部にキイロスズメバチが巣作りを始めた。経年劣化で眼球の位置が両眼ともずれたことでできたすき間からハチが出入り。あれよあれよという間に、内部から巣があふれ出し、顔面を覆い始めた。無数のハチが飛び交い危険であったため、参拝者に注意を促し、ハチがいなくなる冬を待つことにした。その間、巣は勢いよく増築され、特に目玉部分を中心に大きく膨らんで、目玉が飛び出したように見える不気味な異形の姿となった。 この出来事を取材した丹波新聞の記事を同寺の宮崎実康住
「その神社の当番になった人は1年間、牛肉食べたらあかんらしいで」―。始まりは知人から寄せられた情報だった。聞けば兵庫県丹波篠山市犬飼にある「大歳神社」のことらしい。興味をそそられ、深く調べていくと、牛肉の話は神事の一部に過ぎないこと、そして、神やもののけに人間をいけにえとしてささげる「人身御供伝説」と、集落名にある「犬」の存在が見えてきた。さらに背後には、ある大物の名も見え隠れする。夜も明けない12月4日午前5時、今年も神事が営まれた神社に足を運んだ。 ◆生きた魚ささげ 子孫繁栄を祈る 闇の中に灯籠と焚き火、ちょうちんの明かりがぼんやりと浮かぶ境内。数人の氏子がいそいそと準備を進めている。 拝殿には11種類の供物が並んでいた。餅や神酒、塩などオーソドックスなものの中で、ひときわ異彩を放っているのが水鉢だ。中を覗き込むと、赤と黒のコイが1匹ずつ泳いでいた。 「なんでか分からんけど、生きた川魚
「ふっくら」どころか「モフモフ」になったスズメ。ダウンコートを着ているかのよう=2021年12月4日午前7時15分、兵庫県丹波篠山市内で 今年11月、冬支度のために膨らみ始めたスズメの姿を報じたところ、たくさんの反響があった。以来、毎週、スズメの様子を観察し続けてきたが、12月に入ってモフモフ具合が急激に進んでいる。そろそろ「最終形態」が近付いているようだ。 スズメは寒さから身を守るため、気温が下がると脂肪を蓄えたり、羽の中に空気の層を作ることから、見た目がふっくらする。 11月時点では「ふっくら」という印象だったものの、早朝には氷点下になることもある12月に入ると、「モフモフ」に変わった。まんまるな姿は、「ふくらスズメ」とも呼ばれ、「福良」「福来」など縁起物とされているそう。 これから気温はさらに落ち込んでいくため、モフモフはさらに進む。人も鳥も厳しい季節。暖かくして乗り切りたい。
連日の午後9時の抗炎症剤の注射で、内出血した上腕。両腕に痛々しい注射痕が残る=2021年8月5日午前11時44分、兵庫県丹波市内で 新型コロナウイルスの第5波の感染が拡大する中、同ウイルスに感染し、兵庫県丹波地域の病院に2週間入院、8月5日に退院した同県丹波市内の30代会社員男性に、発症から退院までの様子を聞いた。男性は、社用の東京出張から戻った後、調子を崩した。「都内では外食せず、ホテルでコンビニ飯。用心していた。どこでもらったのか分からず、事故に遭ったようなもの。首都圏では重症者以外は入院できないと言われている中、軽症で入院できたのは幸運だったが、2週間病室にいるのはつらかった」と話している。 東京は1泊。終日、東京本社の社員グループと過ごした。社内で発症した人はなかった。出張前、男性は、出勤のほかは、近所で買い物をする生活で、外食は控え、感染流行地域との行き来もしていなかった。東京で
捕獲したジャンボタニシ。冷凍して死滅させる=2021年7月31日午後2時56分、兵庫県丹波市市島町喜多で 兵庫県丹波市市島町鴨庄地区の岩戸、喜多地区を流れる岩戸川沿いの田んぼなどで大量発生し、水稲を食い荒らしている外来種「ジャンボタニシ」が、餌でおびき寄せて捕獲する地道な作戦によって大幅に数を減らしている。被害が深刻化していた喜多自治会(西山泰治会長)で被害対策を助言している県立人と自然の博物館の三橋弘宗研究員が毎週1回捕獲。餌を与える場所やタニシが集まりやすい場所を見定め、薬物に頼らず効率的に捕まえる方法が功を奏している。三橋研究員によると、昨年と比較し、100分の1ほどの数になっていると言い、「喜多自治会での取り組みは、国内のジャンボタニシ対策のトップランナーだ」と胸を張る。 稲食われ数度の植え直しをした生産者も正式名称は「スクミリンゴガイ」で、南米原産。成貝の殻高は約3―8センチにな
丹波市が市民に新規ワクチンの予約中止の周知をはかる広報文=2021年6月29日午後6時37分、兵庫県丹波市柏原町柏原で 国からの新型コロナウイルスワクチン供給の見通しが立たないとして、兵庫県丹波市は6月29日、新規の64歳以下のワクチン接種の予約受け付けを中止した。個別接種、集団接種とも新規の受け付けは当面見合わす。同市は28日に、16歳―64歳以下の3・3万人に接種券を発送したばかり。「ワクチンはある。64歳以下にも早く接種をと政府は言っていたじゃないか」と、住民と最前線で向き合う自治体職員は政府に振り回されている。政府は新規の職域接種の受付を停止するなど、国レベルで細る新型コロナウイルスのワクチン供給が、地方自治体の接種にも影を落としている。 「見通しが立たないまま、予約を受け付けては混乱を招く。いったん中止せざるを得ないと判断した。ワクチンが届く見通しが立てば、受け付けを再開する」と
市に文書を寄贈した石田さん(右)と感謝状を贈呈した丹後政俊・丹波篠山市教育長=2021年5月14日午後1時36分、兵庫県丹波篠山市和田で 兵庫県丹波篠山市の石田榮代さん(88)がこのほど、代々受け継がれてきた17―20世紀にかけての古文書「石田家文書」を同市に寄贈した。江戸時代には村の庄屋などを務めた石田家の文書は約4100点という膨大な量で、近世から近現代にかけての地域の様子を知る上で第一級の史料。石田さんは、「祖父や父が大切にしてきたもの。寄贈できて肩の荷が下りたよう」と安堵した。同市の中央図書館に移して調査を進め、同市が行っている市史編さん事業に活用する。 石田家は和田村庄屋のほか、畑組の大庄屋、郡取締役などを務め、近代には畑村長も輩出した家。文書の中には歴代の当主が記した職務上の日記などが数多く含まれる。 江戸末期の万延元年(1860)に記された日記には、一揆を起こして石田家に押し
「消えたヤマと在日コリアン」を執筆した川西さん、細見さん、松原さんと、「銘板設置の会」メンバーの愛沢革さん(左から)=2021年5月14日午前11時36分、兵庫県丹波篠山市宮田で 兵庫県丹波篠山市内で在日コリアンの足跡調査などを行っている市民グループの3人が、「消えたヤマと在日コリアン」を執筆し、岩波書店から岩波ブックレットとして発売された。戦前から戦後にかけて多くの朝鮮人が働いていた丹波篠山の鉱山産業と、戦後に在日コリアンによって行われていた子どもたちへの民族教育の歴史を中心に掘り起こしたものをまとめた。 執筆を担当したのは、「丹波篠山市在日コリアン足跡調査研究〈銘板設置の会〉」の細見和之代表(59)、川西なを恵さん(72)、松原薫さん(72)。 第1章で日本の近代と丹波篠山の歩みを、第2章で丹波篠山の鉱山と在日コリアンについて、第3章で戦後の丹波篠山における在日コリアンによる民族教育に
「風車の如き鐵の車輪」―。兵庫県丹波市の氷上郷土史研究会の古文書部会が、円通寺(同市氷上町御油)で進めているふすまや屏風の下張り文書はがし作業で、昨年、日本初の観覧車が大阪に登場した様子を伝える1906年(明治39)の新聞を見つけた。今はない「大阪新報」の記事で、これまで別の2新聞ではこの観覧車について記されたものが見つかっていたが、新資料となる貴重な発見となった。日本初の観覧車は長年、07年の勧業博覧会(東京・上野)が初登場とされてきたが、観覧車研究家によって大阪が初だったと判明している。 日露戦争の勝利を記念して行われた「戦捷記念博覧会」を伝える4月1日付の記事で、会場だった天王寺公園(大阪市)に観覧車があることが記されている。紙面中央には大きなイラストがあり、観覧車の絵も描かれている。 当時、「観覧車」という言葉はなかったようで、記事では「グレートホイール」と表現。65尺(約19・5
医師国家試験合格を先輩医師に祝福されるノエル・ハウザーさん(右から2人目)。4月から研修医として県立丹波医療センターで勤務する=2021年3月16日午後2時41分、兵庫県丹波市氷上町石生で 今年度の医師国家試験の合格発表がこのほどあり、南アフリカ出身で、兵庫県立丹波医療センター(同県丹波市氷上町)診療助手のノエル・ハウザーさん(38)が、見事合格した。母国では麻酔科医。古武術への興味を入り口に来日し、日本で過ごすうちに日本の医療に興味を持ち、猛勉強の末、日本の医師免許を取得した。秋田穂束院長(70)ら先輩医師に祝福されたノエルさんは、「温かい気持ちになった。この病院で助手をしつつ学ばさせてもらっていなかったら、絶対に合格できていなかった。ここに来られたことが奇跡」と顔を紅潮させて喜びを語り、「一生の運を使い果たした」とおどけた。4月から同病院で2年間の初期研修に入る。 母国では麻酔科専門医
「”被災地”から脱皮を」 報道の難しさ知る 兵庫から東北へ10年通う記者 「善意の暴走」も垣間見る【#これから私は】 2021.03.13 東日本大震災の発生から10年が過ぎた。直後は1000キロ近く離れた兵庫県丹波地域からも数多くの支援が行われ、現在も東北の人々との交流が続いているケースもある。記者は発生1カ月後に初めて現地に入り、ボランティアをしながらルポを書いた。その後も訪問を続ける中でたくさんの友人ができ、毎年、東北に足を運んでいる。この経験は自身の考え方や記事執筆にも大きな影響を与えた。被災直後、そして、変わっていったまちと人の姿を振り返りたい。 2011年4月、巨大な津波が襲った宮城県を初めて訪れた。復旧への支援はもちろん、丹波地域(丹波市、丹波篠山市)を発行エリアとする新聞社ではあるが、全国、世界中に衝撃を与えた大災害の現場を、丹波で暮らす者の目で見て、伝えさせてほしいと考え
大晦日、正月が近づき、普段なら日本人が最も神社に足を運ぶ時期になる。兵庫県丹波篠山市上板井の天満神社では元日に行われる神事の中で、ふしぎな「モノ」が登場する。木の板に過去と現在の男女を描き、境内や御神木の下に置くというユニークなもの。地元住民は、「意味は分からへんけれど、ずっと続いている」。研究者でさえ、「いわれは不明。ある意味『奇祭』」という謎っぷりだ。意味は分からないまま、脈々と受け継がれている風習。みなさんの身近にもあるのでは? 「こんなん見たことあるか」―。始まりは友人からのメール。添付されている画像には2組の男女が描かれた板。1組は現代風の洋装で、もう1組は江戸時代風の着物。男性はちょんまげに裃、女性はまげを結っている。興味をそそられ、同神社に向かった。 ◆その名はネムリ神 過去と現在の男女計4枚が1組となり、御神木2カ所と本殿の裏の計3カ所に置かれていた。 全国の祭礼などを記し
ある日突然「濃厚接触者」に 立ち話相手が感染者 保健所から連絡、陰性も「コロナ身近に感じた」 2020.07.26 21日午前9時前、スマートフォンに心あたりのない電話番号から着信があった。「こちらA税務署です。17日に来署し、相談予約を取られましたね?その際、応対した職員が新型コロナウイルスに感染していたことが分かりました」―。京都府内の自宅から兵庫県丹波市内の事業所に通勤する50代男性はこの朝突然、「濃厚接触者」になった。 電話そばに同僚「離れていくのが分かった」京都府内の税務署からの用件は、「接触した人を(府内の)保健所に報告しなければならない。連絡先を保健所に教えても良いか」の確認だった。 「いいですよ」と答え、電話を切ってすぐに保健所から電話がかかってきた。職員とどんな形で会話をしたか、状況を事細かに聞かれた。 お互いマスクを着用していた、手を伸ばせば届くほどの距離だった、手渡し
「アカウキクサ」が繁茂し、真っ赤に染まった田んぼ=2020年5月12日午後3時33分、兵庫県丹波篠山市内で 田植えがほぼ終わった兵庫県丹波篠山市内で車を走らせていると、異様な光景を見つけた。一面に錆びた鉄をまいたように赤茶けている田んぼ。植えられたばかりの苗は「赤土」にも似た水面から弱々しく顔をのぞかせている。正体はシダ植物の「アカウキクサ」。在来、外来の両種があり、在来は希少種で保護対象だが、ほとんどの場合は外来という。市は外来種について、景観上の問題や農作業への影響から駆除の施策が必要かどうか、検討を進めている。大きな害はないものの、厄介な面もあるようだ。 アカウキクサは繁茂しても突然、消失する場合がある。稲の成長自体にも大きな害がないとされるが、市によると、風で流れて大きな固まりになったアカウキクサが植えたばかりの苗を倒してしまうことがあり、最悪の場合、全面植え替えになるケースもある
140年前「コレラ」との闘い 通達文書発見、新型コロナと共通点多く 恐怖に震えた日本人 2020.05.04 新型コロナウイルスが猛威を振るっているが、過去に人々を恐怖の底に落とした感染症はいくつもある。その一つが江戸期から幾度となく流行した「コレラ」だ。兵庫県丹波市の歴史を調査する「氷上郷土史研究会」の古文書部会(山内順子代表)が、同市内の円通寺で進めるふすまや屏風の下張り文書はがし作業で、1877年(明治10)に流行していたコレラに関する県や内務省の通達文書を見つけた。住民への啓発文書で、感染しても無症状の場合があるといった、新型コロナのニュースと錯覚するような文言が並んでおり、約140年前の日本人も現在と同じような恐怖に震えていたことがうかがえる。 治療法探る医療従事者の奮闘、患者数の公表も 一枚の屏風からはがした115枚のうち、23枚がコレラ流行に関する文書だった。いずれもB4サイ
兵庫県丹波市柏原町の山腹に白い円柱状の物体が林立している。その異様な光景に一部の住民からは、「墓標のよう」「ムーミンに登場するニョロニョロみたい」などの声が上がっている。 「あれはヒノキの苗木をシカの食害から守るカバー」と説明する丹波農林振興事務所。「土砂崩れによって失われた森を元の状態に戻すための事業です」と話す。 シカの食害防止のカバーは高さが1・7メートル。通気性や耐風性を考慮した網状で、素材は十数年で土に返る「ポリ乳酸」という植物由来のプラスチックでできている。FRP(強化プラスチック)製の支柱にクリップで留め、約35センチのヒノキの苗木を包んでシカの食害から守っている。 同事務所によると、「平成30年7月豪雨」(西日本豪雨)によって、同所で約3300平方メートルにわたって土砂崩れが発生。すそ野の民家などに土砂が流入する被害を出した。 治山事業として、昨年9月から崩壊した山腹に土留
段ボールハウスの中で外出を“自粛”しているネコたち。出歩いているネコも=2020年4月10日午後2時20分、兵庫県丹波篠山市南新町で 「STAY HOME!」ニャ!―。新型コロナウイルスの感染拡大と緊急事態宣言を受けて、営業を自粛している兵庫県丹波篠山市南新町の猫カフェ「くつろぎ古民家まめ猫」。“従業員”の猫たちも休業状態だが、手作りの段ボールハウスの中に入って、不要不急の外出を“自粛”(?)している。 同店の中町結紀さんによると、段ボールハウスは昨冬、店の常連から贈られたもの。店内には床暖房があり、普段、猫たちは床やクッションベッドで寝ていたが、新しい家が登場すると、競うように入居したそう。 新型コロナウイルスを巡っては、猫にも感染したという報道や、犬より猫の方が感染しやすいという研究報告もある。同店の猫たちは、もともと店外には出ないが、8日から営業を自粛する中、中町さんは、「『癒し』と
兵庫県内では21日時点で107件の感染が確認されている新型コロナウイルス―。同県内陸部の丹波篠山市ではいまだ確認されていないが、先週13日の金曜日、「感染者が出た」という情報が記者のもとに寄せられた。県や市からの発表はなかったが、情報提供者は、「出た」と断言したため、急きょ取材に走った結果、誤った情報だったことが判明した。感染拡大の状況を見ると、いつ発生してもおかしくはないが、真偽不明の情報が飛び交う原因には、「隣近所が顔見知り」という地方ならではの環境があり、不安を広げているようだ。 一報を受けたのは、13日午後。丹波篠山市に隣接する同県丹波市在住の知人Aさんから、「丹波篠山でも出たな」と言われた。丹波市では今月9日に感染者1人が確認されている。
消毒液の製造に追われる従業員ら(画像の一部を加工しています)=2020年2月28日午後1時46分、兵庫県丹波篠山市味間奥で 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、消毒液の需要が急増し、ドラッグストアなどでもほとんど商品を見かけなくなるなど、全国各地で品薄状態が続いている。消毒液を製造している医療機器・育児用品・化粧品メーカーの「ジェクス株式会社」(本社・大阪市)では、年間製造量をはるかに超える量をすでに受注。兵庫県丹波篠山市味間奥の製造工場はフル稼働状態で、従業員を2交替制にするなどして対応しているが、液を入れる容器メーカーの生産が追いついておらず、「異常事態。少なくとも発送までには3カ月待ちの状態」と話す。 同社は自社製品のアルコール消毒液のほか、大手医薬品メーカーの消毒液も生産。自社製品を作る余裕がほとんどないほど、メーカーからの発注がかかっている。 300ミリリットル入りのメーカー商品
量販店で購入した「落とし紙」(1200枚入り)=左=と、弊社近くの生活雑貨店で買った「京花紙」(1800枚入り)。紙質の違いでこれだけのボリューム差=2020年3月6日午後零時13分、兵庫県丹波市柏原町柏原で 新型コロナウイルスの拡大に伴って流布されたデマの影響で品薄になっているトイレットペーパー。記者宅でも残りわずかになっていた。「どうしたものか」と、頭に浮かんだのが「落とし紙」。昔使っていたなぁ、今もあるんだろうかと懐かしい気持ちになり、取材エリアの兵庫県丹波市内で展開するホームセンターなど8店で探した。ロール紙に押されながらも、「落とし紙」は健在だった。 8店中7店「あった」意外に多い取り扱い 「便所紙」「ちり紙」とも呼ばれる。下水道(浄化槽を含む)が普及する前、汲(く)み取り式だった頃は一般的に使われていた。やわらかい四方20センチほどの白い薄い紙を重ねて使う。使用後、そのまま便槽
新型コロナウイルス感染症が、地域によっては蔓延期を迎えている。厚生労働省も受診の目安を改めるなど、めまぐるしく情勢が動いている。真偽不明のものも含め、おびただしい情報が飛び交うなか、感染症が専門の見坂恒明・同県立丹波医療センター地域医療教育センター長(45)=神戸大特命教授=に、直近の動向を踏まえ、2月17日に続いて、再び「もしかかったら」の前提で話を聞いた。
昭和後期に火葬に変わるまで、兵庫県丹波市(旧氷上郡)では一般的だった土葬。同市柏原町北中自治会でかつて、なきがらを墓地に運ぶのに使っていた坐棺用の「輿」が近く、処分される見通しになった。半世紀近く前に引退した後も、墓地近くの保管庫で眠っていたが、傷んだ保管庫が解体予定で、保管場所がなくなる。昔の習俗を伝える民俗文化財である一方、この先使うこともない。放置したような形で保管し続けるのもいかがなものか、と役員らは頭を悩ませており、住民に見てもらった後、処分するという。 感慨深げの住民「どれくらい先人が運ばれたのだろう」
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