全国農業協同組合連合会(JA全農)の金森正幸常務理事は20日、日本記者クラブで会見し、高騰が続くコメの価格動向について「われわれも想像できなかった」と述べた。金森氏は、備蓄米の流通を早めるために、農林水産省と正式契約をする前に仮払いなどでコメを確保し、事務手続きにかかる時間のロスを短縮させる考えなどを明かした。 JA全農は、農業に必要な資材の供給や、農作物の販売といった経済事業を担う。備蓄米の放出では、計3回の入札で9割以上を落札しており、国から買い受けたコメを、グループが保有する広域輸送網を使って、卸売事業者などに受け渡している。 農水省が20日に発表した備蓄米の流通状況では、3月に落札された21万トンのうち4月27日時点で、小売や外食事業者への販売数量は10%程度にとどまる。JA全農など集荷業者にはほぼ全量引き渡されたが、小売や外食事業者などの消費の現場に届いたのは約2万2000トンだ