イタリアのモンティ政権がこのほど閣議決定した規制緩和策を柱とした成長戦略が国民の批判を浴びています。当初、財界団体の意向を受けて、解雇規制の緩和も提案していましたが、労働組合が反発し、最終的に盛り込むことはできませんでした。(島田峰隆) 20日に決定した同戦略は、薬局の出店規制やタクシー台数制限の廃止、弁護士、公証人を活用する際の最低料金の廃止などが内容。政府は、自由競争を強めることで、経済を活性化させ、財政赤字の解消につなげるとしています。 一方、ロイター通信によると、政府は、当初、戦略に盛り込んでいた、不当解雇を規制した労働者憲章第18条の改定案を撤回しました。同条項は、15人以上の労働者を持つ企業が労働者を解雇した場合、裁判所が不当解雇と判断すれば、企業にその労働者の再雇用を義務付ける内容です。 規制緩和をめぐる議論で、イタリア産業連盟は、「同条項は欧州諸国では異常」「国の競争力にと