【グアテマラ市=菅原啓】南米チリのピノチェト軍政下で民主化を求める青年が弾圧で火をつけられ死傷した通称「火あぶり事件」を調査していた首都サンティアゴの控訴裁は24日、7人の元軍人を殺人容疑などで裁く審理の開始を決定しました。 チリからの報道によると、事件の被害者はロドリゴ・ロハスさん=当時(19)=と女子学生のカルメン・キンタナさん=同(18)=。2人は1986年7月、独裁政権への抗議行動に参加して拘束され、サンティアゴ近郊で重度のやけどを負った状態で発見されました。ロハスさんは数日後に死亡、キンタナさんは一命をとりとめたものの、長期の療養を余儀なくされました。 決定を発表したカロッサ判事は、複数の軍幹部を尋問した結果、当時、青年を拘束した6人の元軍人について殺人罪および殺人未遂罪、輸送する車両を運転した別の元軍人については殺人ほう助の罪が適用できる、その「データがある」と述べています。