【メキシコ市=菅原啓】メキシコの貧困対策の効果を分析する政府機関、全国社会開発政策評価会議(CONEVAL)が7月末に発表した報告によると、貧困層は2年間で320万人増加し、5200万人に達しました。政府に対する批判や経済モデルの転換を求める声が強まっています。 評価会議が採用している貧困層の基準は、(1)収入が日常生活に必要な最低経費を下回っていること、(2)社会保険や住宅状況など「社会的権利」6項目のうち3項目以上で不足がある人、とされています。極貧層は、収入が最低食料品購入費用を下回る場合とされ、「社会的権利」については貧困層と同様の基準です。 最も貧困が深刻な世代は65歳以上の高齢者層。低収入に加え、「社会的権利」項目が一つでも不足している人の割合は77・1%に達しました。 評価会議は、貧困層が増えた原因について、世界的な経済危機の影響によるもので、危機が収束するにつれて、貧困層は