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アメリカ大統領選
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NPO法人・日本語検定委員会による第12回「日本語大賞」(読売新聞社など協賛)の入選作のうち、小学生、中学生、高校生、一般各部の文部科学大臣賞受賞作品の全文を紹介します。今回のテーマは、小学生の部、中学生の部が「心にひびいた言葉」、高校生の部、一般の部が「私を動かした言葉」です。※敬称略 ■小学生の部 おとうさんにもらったやさしいうそ 佐藤 亘紀(さとう・こうき) 茨城県古河市立古河第二小学校一年 ぼくのこころにひびいたことばは、「おとうさんはちょっととおいところでしごとをすることになったから、おかあさんとげんきにすごしてね。」です。そのときぼくは二さいでした。とても小さかったのでちょくせついわれたのはおぼえていませんが、いってくれたときのどうががおかあさんのスマホにいまでものこっているので、すきなときにきくことができます。
上山隆大 1958年生まれ。大阪大学経済学研究科経済学専攻博士課程満期退学。スタンフォード大学客員教授。上智大学経済学部長、政策研究大学院大学副学長などを経て、2016年から現職。著書に「アカデミック・キャピタリズムを超えて」など。 「失敗だ」「いや、必然だった」――国立大学法人化をめぐり、見解の隔たりを明らかにした山極寿一・京都大学学長と五神真・東京大学学長。ただ両学長とも、国立大学法人が「公共財」である点では、まったく揺るぎなく一致する。これに対し、「法人化は必然」としつつ、「国立大学法人は公共財なのか」と疑義を呈し、税金から出される「運営費交付金」依存の体質を批判するのは、大学改革を支援する内閣府の総合科学技術・イノベーション会議、上山隆大議員だ。その真意を聞いた。(聞き手・読売新聞専門委員 松本美奈、写真・秋山哲也) ■法人化は「必然」だ ――大きな論点は二つある。法人化をどうとら
冨山和彦 1960年生まれ。経営コンサルタント。パナソニック、東京電力ホールディングスの社外取締役。財政制度等審議会委員など。 法人化した国立大学への国からの運営費交付金は、総額約1兆1000億円にも達する。文部科学省の「内部組織」ではなく「自由に運営する」経営体であっても、運営に必要な最低限の額を保障することになっているからだ。これに対し、欧米の有力大学の経営に明るい冨山和彦・経営共創基盤代表取締役CEOは、血税に見合う成果を出せていないとして、「正当性はない」と言い切る。さらに返す刀で、国立大学への不満を漏らし続ける企業のありようも厳しく批判する。国立大学と企業は「どっちもどっち」、ともに「漫然」と現状維持を図っていると断じるのだが、さて。(聞き手・読売新聞専門委員 松本美奈、写真・秋山哲也) 次回は財務省主計局次長・神田眞人氏 ■「簿記・会計」に立ち戻れ ――国立大学法人化をめぐって
神田眞人 1965年生まれ。オックスフォード大学経済学大学院修了。世界銀行理事代理、主計局主計官(文部科学、司法警察、経済産業、環境、財務予算担当等を歴任)等を経て現職。OECDコーポレートガバナンス委員会議長。 「国立大の法人化は失敗」と断じた京都大学・山極学長への反響は、真っ二つに分かれた。賛成の大半は国立大学関係者で、それ以外の読者からは厳しい批判が寄せられている。どちらの立場で考えるかはともあれ、国立大学には運営費交付金だけでも毎年1兆1000億円の税金が投入され、私立や公立とは全く異なる扱いを国から受けている。根底にあるのはむろん、「期待」だろう。人口減少、高齢化、複雑な国際関係など内外の問題が山積し、先行き不透明感が増している日本を担う人をどう育成するのか、「知の拠点」にかかる期待は大きい。だからこそ「成果」が渇望されている。国立大学に何を期待するのか、神田眞人・財務省主計局次
池田潤氏(左)、森本行人氏 「不要論」まで出た人文社会科学系学問の復権を目指す筑波大学の挑戦が、注目を集めている。人社系学問の"価値"を見える化する指標の作成だ。学術雑誌の格付けを掲載論文の著者の多様性から行うという。これまでの主流は、論文の被引用回数などからはじき出す「インパクトファクター」による格付けだが、自然科学系に偏っていたり、人社系論文は日本語で書かれることが多かったりして、「価値を知ってもらえなかった」とプロジェクトを進める大学執行役員の池田潤氏は話す。大学内でも研究費を稼げる理系分野に押されぎみの人社系学問の逆襲はなるか。池田氏と、ともに推進の旗を振る同大の森本行人氏に話を聞いた。(聞き手・読売新聞専門委員 松本美奈、写真も) ウェブ上で「交論」しませんか。(サイト上匿名もできますが、名前、職業、年齢、連絡先は明記を) メール送信先 daigaku2014@yomiuri.c
はまぐち・みちなり 1951年、三重県生まれ。名古屋大学大学院医学研究科博士課程修了。専門は腫瘍生物学。名古屋大学医学部長、同学長を経て2015年から現職。 国立大学法人に変貌を迫る向かい風が弱まらない。自民党の行政改革本部が「骨太の方針」の核に国立大学改革を据えてイノベーションの創出を狙えば、文科省は学長ガバナンスの「強化」を法改正案※に盛り込む。こうした一連の動きに、「思考停止の証」と警鐘を鳴らすのは、前名古屋大学長の浜口道成・科学技術振興機構理事長だ。国立大学のポテンシャルをさらに損なう結果になりはしないかという。そのうえで提言するのが、国と法人との新たな「契約関係」だ。2004年の法人化以来、迷走する改革論議に終止符を打つ切り札となりうるか。(聞き手・読売新聞専門委員 松本美奈、写真も) ■大学院重点化で始まった研究力低下 ――政治家も行政も、国立大学改革に躍起となっている。一方、
島田真路(しまだ・しんじ) 1952年、京都生まれ。東京大学医学部卒。米国国立衛生研究所(NIH)などを経て、2015年から山梨大学長。 「国民益にかなう国立大学」への脱皮を前回異見交論で打ち上げた自民党行政改革推進本部長の塩崎恭久氏に対し、山梨大の島田真路学長が同大公式サイトで反論を加えた(>>PDF)。「学長選挙での意向投票はご法度」「学長選考会議の3分の2は学外委員」といった提言の実効性を疑問視し、2004年の国立大学法人化以降の国による大学改革自体を「改悪」と断じている。「国は矛盾を押し付けるな」と厳しく批判する真意を、改めて尋ねた。(聞き手・読売新聞専門委員 松本美奈、写真も) ウェブ上で「交論」しませんか。(サイト上匿名もできますが、名前、職業、年齢、連絡先は明記を) メール送信先 daigaku2014@yomiuri.com ■学長選挙は必要だ ――なぜ公式サイトに反論を掲
しおざき・やすひさ 1950年松山市生まれ。東京大学教養学部卒業、ハーバード大学行政学大学院修了。日本銀行を経て衆議院議員に。内閣官房長官、厚労相などを歴任。 自民党行政改革推進本部が、国立大学法人の改革に本格的に乗り出した。目指すは、日本を「イノベーション大国」に導くにふさわしい教育・研究機関に脱皮させることだという。その目的達成に向け、運営費交付金に頼らない自立した経営体への変貌を掲げるが、そもそも国立大学法人は「利益の獲得」を目指して「自律した経営」ができるような建て付けにはなっていない。法人化して15年、現実と社会的要請のせめぎ合いのなかできしむ国立大学法人に、行革本部はどう切り込み、6月の「骨太の方針」に何を盛り込むつもりなのか。本部長の塩崎恭久・元厚生労働大臣を直撃した。(聞き手・読売新聞専門委員 松本美奈、写真も) ウェブ上で「交論」しませんか。(サイト上匿名もできますが、名
くにぶ・ひろゆき 1958年埼玉県生まれ。取締役 常務執行役員。2010年から3代目ANA人材大学長。東京大学経済学部卒業。一般社団法人日本バレーボールリーグ機構理事。 20代から60代の多国籍の「学生」が約41,000人も在籍する大学が、東京・羽田空港にある。ANAがグループ会社の全社員を対象に教育研修目的で設けた「ANA人財大学」だ。退職まで在籍する多様な学生のために提供するプログラムは、半年で300以上。建学精神の下、歴史や哲学などリベラルアーツ科目群を持ち、勤務実態に配慮した通信講座もあるが、中心は夜を徹して語り合う宿泊型だ。その内容、態勢からは、「大学は、かくあるべき」という理想を追求する精神が見えてくる。それを後押しするのは、いまの大学に対する物足りなさだろうか。開学前から携わる國分裕之・人財大学長に聞いた。(聞き手・読売新聞専門委員 松本美奈、写真も) ウェブ上で「交論」しま
みぞかみ・しんいち 1970年、大阪生まれ。京都大学高等教育研究開発推進センター教授を経て、2018年から学校法人桐蔭学園理事長代理、トランジションセンター所長・教授。博士(教育学)。おもな著書に「現代青年期の心理学」「アクティブラーニングと教授学習パラダイムの転換」など。 日本の大学生はろくに学ばないし、成長もしていない――。教室外の学習時間が年々短くなり、学生も自らの成長を実感していないことが、京都大学と電通育英会が共同で行った「大学生のキャリア意識調査」でわかった。大学の歴史や設置形態、地域は関係なく、偏差値ですら「誤差の範囲でしかない」と分析する。では、学習時間を決めるのは何か? それは、ある「意識」を持っているかどうかだという。調査をまとめた溝上慎一・桐蔭学園理事長代理に、謎解きしてもらった。(聞き手・読売新聞専門委員 松本美奈、写真も) ウェブ上で「交論」しませんか。(サイト上
五神 真 1957年生まれ。専門は、光量子物理学。著書に「変革を駆動する大学」など。2015年に東京大学学長就任 高大接続改革の中核となる大学入学共通テストへの民間英語試験導入について、東京大学が9月26日、活用に扉を開く方針を大学ウェブサイトで公表した(>>PDF)。民間試験でA2レベル以上を示す成績を残すか、同等以上の力があることを高校が「証明」する調査書などを提出することを出願要件として併記している。調査書の提出は一見、民間試験を形骸化させる抜け道とも見えるが、実はかなりハードルが高い。高校教員が「書く・読む・話す・聞く」力について、「A2レベル以上」とはどの程度の力かを熟知し、生徒のふだんの様子がそれに合致しているかどうか目を凝らしていなければ書けないからだ。東大の決定は、民間試験活用だけでなく、高校段階での英語教育の改革まで踏み込んだことになる。五神真・東京大学学長がその真意を語
1952年、東京生まれ。東京大学大学院理学系研究科人類学専攻。理学博士。国家公安委員会委員などを経て、2017年から現職。主な著書に「オスの戦略メスの戦略」など 読者はもうお気づきだろう。「異見交論」の論者の大半を男性が占めていることに。特に国立大学法人化をめぐる議論では、女性の登壇はゼロだ。なぜか。それは、改革論の最前線に立つ各国立大学の執行部に、女性がほとんどいないからだ。トップの学長では、86人中わずかに3人。一方、最近の国立大学への批判を要約すれば、「進化が遅い」に尽きる。こうした現状について、「女性という『異質な人』を排除してきた結果」と喝破するのは、女性3学長の1人である総合研究大学院大学の長谷川真理子学長(進化生物学)だ。「多様性」こそ進化の鍵、という。(聞き手=松本美奈・読売新聞専門委員、撮影=秋山哲也) ■法人化は失敗だった ――法人化して14年たったが、国立大学への風当
2020年度に始まる「大学入学共通テスト」に導入予定の民間英語試験(認定試験)を東京大学が活用するかどうかに注目が集まっている。この問題では、東大ワーキンググループ(WG)が7月、「活用しない」を最優先とする答申を五神真学長に出し、文部科学省が8月、実施に向けた進捗状況を公表した。こうした現状に対し、高大接続改革の設計に当たってきた安西祐一郎・中央教育審議会前会長は「答申が採用されて英語入試が矮小化されるなら、東大は時代の牽引者として国民が負託すべき大学に値しない。そんな大学に多額の税金を注入する必要はない」という。東大の責任とは、何か。(聞き手・読売新聞専門委員 松本美奈) ウェブ上で「交論」しませんか。(サイト上匿名もできますが、名前、職業、年齢、連絡先は明記を) メール送信先 daigaku2014@yomiuri.com ■英語入試についての民間委託試験の活用 ――2020年度、つ
1952年、東京生まれ。東京大学大学院理学系研究科人類学専攻。理学博士。国家公安委員会委員などを経て、2017年から現職。主な著書に「オスの戦略メスの戦略」など 読者はもうお気づきだろう。「異見交論」の論者の大半を男性が占めていることに。特に国立大学法人化をめぐる議論では、女性の登壇はゼロだ。なぜか。それは、改革論の最前線に立つ各国立大学の執行部に、女性がほとんどいないからだ。トップの学長では、86人中わずかに3人。一方、最近の国立大学への批判を要約すれば、「進化が遅い」に尽きる。こうした現状について、「女性という『異質な人』を排除してきた結果」と喝破するのは、女性3学長の1人である総合研究大学院大学の長谷川真理子学長(進化生物学)だ。「多様性」こそ進化の鍵、という。(聞き手=松本美奈・読売新聞専門委員、撮影=秋山哲也) ウェブ上で「交論」しませんか。(サイト上匿名もできますが、名前、職業
あかいし・こういち 1961年東京生まれ。東京大学法学部卒業。通商産業省入省、経済産業省通商政策局米州課長、日本機械輸出組合ブラッセル事務所長、内閣官房内閣審議官などを経て、2018年7月より現職。 世界を席巻する破壊的イノベーションの中で日本が生き残るためには、国立大学を中核とした強力なオペレーションが必要だ――。「統合イノベーション戦略」をとりまとめた内閣府の赤石浩一・政策統括官(科学技術・イノベーション担当)はそう言う。世界から優秀な研究者や学生、そして巨額の資金を集められる「日本社会に役立つ国立大学」となる。そのための戦略はあるのか。(聞き手=松本美奈・読売新聞専門委員、写真も) ウェブ上で「交論」しませんか。(サイト上匿名もできますが、名前、職業、年齢、連絡先は明記を) メール送信先 daigaku2014@yomiuri.com ■イノベーションのカギは大学しかない ――時代観
あかいし・こういち 1961年東京生まれ。東京大学法学部卒業。通商産業省入省、経済産業省通商政策局米州課長、日本機械輸出組合ブラッセル事務所長、内閣官房内閣審議官などを経て、2018年7月より現職。 日本に「イノベーション」(社会変革)を起こすための政策が次々に打ち出されている。2017年末の「経済政策パッケージ」に続いて、18年6月には「統合イノベーション戦略※」も閣議決定。それに先立つ3月には、実行部隊の一つである大学改革担当室が文部科学省ではなく内閣府に設置された。一連の構想の中核が国立大学改革だ。メリハリのある運営費交付金の配分や厳格な人事評価システムなどで、世界から優秀な学生や研究者と巨額の資金を集められる「日本社会に役立つ国立大学」への変貌を目指す。では、当の国立大学には何が期待されているのか。科学技術・イノベーション担当の赤石浩一・内閣府政策統括官に聞いた。(聞き手=松本美奈
1975年、東京生まれ。都立国際高校教諭を経て現職。オーストラリア・クイーンズランド大学修士課程修了(応用語学) 2020年度から始まる「大学入学共通テスト※」に、民間の英語試験(認定試験)の成績を活用するかどうかを審議していた東京大学ワーキンググループが7月12日、五神真学長に答申を出した。「活用しない」案を最優先とする内容で、答申を受け、五神学長は9月に大学としての方針を発表する考えだ。こうした動きに対し、高校の教育現場から反論があがっている。「授業改革を止めないで」と強調するのは、ユニークな英語授業で知られる東京都立両国高校・付属中学校の英語科指導教諭、布村奈緒子氏。大学での学びを深めるためにも、高校卒業時までに「話す」訓練が不可欠で、今回のような試験の活用は機運を高める好機だという。考えを聞いた。(聞き手=松本美奈・読売新聞専門委員、写真も) ウェブ上で「交論」しませんか。(サイト
1936年、東京生まれ。日本学術振興会・学術システム研究センター顧問、世界トップレベル研究拠点(WPI)アカデミー・ディレクター。東京大学、岐阜大学名誉教授。 国立大学は法人化によって文部科学省の「一部署」から独立した組織となり、ようやく「大学の自治」を手に入れた。だが、現実は......。「むしろ今の方が文科省の顔色をうかがっている」と指摘するのは、法人化前後の7年間、岐阜大学長を務めた黒木登志夫氏だ。減少する運営費交付金の穴を埋め合わせようと、文科省の補助金つき事業の獲得に汲々とするあまり、その評価を過剰に気にする風潮が広がっているという。それを打破するには「法人化で勝ち得たものを見直し、突破口にすることが必要」とも。では、勝ち得たものとは何か。黒木氏自身の経験から考える。(聞き手・読売新聞専門委員 松本美奈、写真も) ウェブ上で「交論」しませんか。(サイト上匿名もできますが、名前、職
渡海紀三朗 1948年兵庫県出身。早稲田大学理工学部。一級建築士。1986年初当選、現在9期目。 自民党の教育再生実行本部高等教育部会が、国立大学の定員削減を盛り込んだ提言(>>PDF)を発表した。少子化にもかかわらず、2004年の法人化以降、国立大学の定員は横ばい状態で、定員削減に踏み込んだ提言は初めてだ。優秀な学生層を集めて研究に力を注ぎ、「世界と競争する国立大学をつくれ」という。部会の主査を務めた元文科相、渡海紀三朗氏に改革への思いを聞いた。(聞き手・読売新聞専門委員 松本美奈、撮影・秋山哲也) ウェブ上で「交論」しませんか。(サイト上匿名もできますが、名前、職業、年齢、連絡先は明記を) メール送信先 daigaku2014@yomiuri.com ■やるべき改革をやってない ――国立大学が法人化されて15年目を迎えた。国立大学とは何か、法人化とは何かを考えたい。法人化は「失敗だ」と
小林喜光 三菱ケミカルホールディングス取締役会長。1946年山梨生まれ。東京大学大学院修士課程修了、イスラエル・ヘブライ大学、イタリア・ピサ大学に留学。理学博士。著書に「地球と共存する経営」「危機に立ち向かう覚悟」など。 大学改革を議論する政府の会議には、財界人も関わっている。その一人、小林喜光・経済同友会代表幹事は「国家価値の最大化」には大学のガバナンス(統治)改革が重要だという。データを持つ限られた者がAIを使って社会を変える「データ専制主義時代」、そこで国際競争に勝ち残るには、産官学一体となった取り組みが不可欠だからだ。国立大学に「時代に対する感性を磨け」と求める小林氏に、大学改革の展望と道筋を聞いた。(聞き手・読売新聞専門委員 松本美奈、撮影・秋山哲也) ウェブ上で「交論」しませんか。(サイト上匿名もできますが、名前、職業、年齢、連絡先は明記を) メール送信先 daigaku201
神田眞人 1965年生まれ。オックスフォード大学経済学大学院修了。世界銀行理事代理、主計局主計官(文部科学、司法警察、経済産業、環境、財務予算担当等を歴任)等を経て現職。OECDコーポレートガバナンス委員会議長。 「過度の評価と競争」――国立大学法人化の影響を尋ねると、大半の大学関係者がこう答える。大勢の教職員が手分けして大量の書類を書き、外部の人たちも交えた複数回の会議を開かざるをえない、評価に金と時間、手間をとられ、とてもじゃないが「活力ある、個性豊かな国立大学」などができるものか......と。ところが、財務省主計局の神田眞人次長は、「適正な評価がされていない」と切り返す。甘い評価に基づく「競争的資金配分」で納税者への責務が果たせるわけがない、とまで。法人化は大学を「よく」しているのか。(聞き手・読売新聞専門委員 松本美奈、写真も) ウェブ上で「交論」しませんか。(サイト上匿名もでき
冨山和彦 1960年生まれ。経営コンサルタント。パナソニック、東京電力ホールディングスの社外取締役。財政制度等審議会委員など。 法人化した国立大学への国からの運営費交付金は、総額約1兆1000億円にも達する。文部科学省の「内部組織」ではなく「自由に運営する」経営体であっても、運営に必要な最低限の額を保障することになっているからだ。これに対し、欧米の有力大学の経営に明るい冨山和彦・経営共創基盤代表取締役CEOは、血税に見合う成果を出せていないとして、「正当性はない」と言い切る。さらに返す刀で、国立大学への不満を漏らし続ける企業のありようも厳しく批判する。国立大学と企業は「どっちもどっち」、ともに「漫然」と現状維持を図っていると断じるのだが、さて。(聞き手・読売新聞専門委員 松本美奈、写真・秋山哲也) 次回は財務省主計局次長・神田眞人氏 ウェブ上で「交論」しませんか。(サイト上匿名もできますが
上山隆大 1958年生まれ。大阪大学経済学研究科経済学専攻博士課程満期退学。スタンフォード大学客員教授。上智大学経済学部長、政策研究大学院大学副学長などを経て、2016年から現職。著書に「アカデミック・キャピタリズムを超えて」など。 「失敗だ」「いや、必然だった」――国立大学法人化をめぐり、見解の隔たりを明らかにした山極寿一・京都大学学長と五神真・東京大学学長。ただ両学長とも、国立大学法人が「公共財」である点では、まったく揺るぎなく一致する。これに対し、「法人化は必然」としつつ、「国立大学法人は公共財なのか」と疑義を呈し、税金から出される「運営費交付金」依存の体質を批判するのは、大学改革を支援する内閣府の総合科学技術・イノベーション会議、上山隆大議員だ。その真意を聞いた。(聞き手・読売新聞専門委員 松本美奈、写真・秋山哲也) ウェブ上で「交論」しませんか。(サイト上匿名もできますが、名前、
五神 真 1957年生まれ。専門は、光量子物理学。著書に「変革を駆動する大学」など。2015年に東京大学学長就任。 「国立大学法人化は失敗だ」と断じた、前回掲載の山極寿一・京都大学長の発言に対し、賛否両論の声が寄せられている。「よくぞ言ってくれた」「いや、法人化は不可避だった」「大学改革は失意の連続だ」......。そうした中、「法人化は必然だった」と当時を振り返るのは、東京大学の五神真学長だ。「法人化していなかったら、もっと悲惨だった」とまで。ただ、「国立大学は公共財」という点では、両者は一致しているようにみえる。法人化14年。「公共財」としての国立大学は,今後、どう歩を進めるべきか。五神学長に語ってもらった。(聞き手・読売新聞専門委員 松本美奈、写真・秋山哲也) 次回は上山隆大 総合科学技術・イノベーション会議議員 ウェブ上で「交論」しませんか。(サイト上匿名もできますが、名前、職業、
山極寿一(やまぎわじゅいち) 1952年生まれ。霊長類研究の第一人者で、特にゴリラに詳しい。「ゴリラは語る」「『サル化』する人間社会」など著書多数。元日本霊長類学会会長。2014年に京都大学学長就任(任期6年)。 国立大学が「民間発想のマネジメント」により「自律した経営」をする「法人」となって、十余年。以来、国から支給される基礎的な運営資金が毎年削減される中、教育や研究に充てる資金を、国立同士、あるいは私立や公立と競い合うようになった。教育や研究はどの大学もが担う使命だ。だとすると、国立大学が「国立」であり続ける意味はどこにあるのか。国立大学協会会長、日本学術会議会長も務める京都大学の山極寿一・学長に聞いた。(聞き手・読売新聞専門委員 松本美奈、写真・守屋由子) 次回は五神真・東京大学学長 ウェブ上で「交論」しませんか。(サイト上匿名もできますが、名前、職業、年齢、連絡先は明記を) メール
神田眞人 金融庁参事官。東京大学法学部卒業、オックスフォード大学経済学大学院修了。旧大蔵省入省後、世界銀行審議役、主計局主計官(文部科学、司法警察、経済産業、環境、財務予算担当等を歴任)等を経て現職。主著に、「強い文教、強い科学技術に向けて」「超有識者達の洞察と示唆」(いずれも学校経理研究会)等。現在、OECDコーポレートガバナンス委員会副議長を兼任。51歳。 中央教育審議会の答申やさまざまな法改正などを追い風に、大学の教育、研究の現場が変わりつつある。かつては当たり前だった一方的な講義形式の授業や、外部から資金を獲得できない研究などは「問題」とされるようになった。だが、財務省主計局主計官として大学運営を見てきた金融庁の神田眞人参事官は、まだまだ足りないと言う。「今のままなら、日本の大学は生き残れない」とさえ......。その現状認識を聞いた。(聞き手・読売新聞専門委員 松本美奈) ウェブ
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