きのうの記事に少し補足。「5・6号機は修復にコストがかかりすぎるので、いずれ廃炉にするしかない」という見方もあるが、それは東電の経営陣が判断することで、少なくとも今あわてて決める必要はない。ただでさえ汚染水の処理コストが足りないとき、わざわざ2000億円もの特別損失を計上する理由は――安倍首相のスタンドプレー以外に――見当たらない。 日経によれば、10月に会計処理のルールが変わって、初年度は700億円ぐらいの特損で10年かけて処理できるようになるというが、合計2000億円は電気代に転嫁される。つまり東電の利用者が、拙速な廃炉のコストを負担するのだ。これは国も東電も、他人の金ならいくらでも使おうというモラルハザードである。 首相が福島第一を全部廃炉にして国がコントロールしたいのなら、すでに大幅な債務超過になっている東電を法的整理してGOOD東電とBAD東電に会社分割し、福島第一をBAD東電に
エネルギー 汚染水問題、東電「何やってんだ」ではなく「やりすぎ」だ--祭りの後の請求書が心配 事故を起こした福島第一原子力発電所から流れ出る汚染水問題が社会的な関心を集めている。2020年に開催の決まった東京五輪にも、福島事故の収束にも影を落とす。本当の状況はどうなのか。 これが大規模な海洋汚染へつながり、人体への健康被害が起こるとは考えにくい。「騒ぐな」と、アゴラのコラムで私見を述べた。(「福島原発の汚染水問題、健康被害の可能性なく騒ぐ必要なし」)今回は対策を見てみよう。 オリンピックが絡み政治問題化 汚染水は福島原発で以前から問題になっていた。再注目されたのは、今年5月に海の近くの観測用の井戸で、地下水から高濃度の放射性物質が検出されたことがきっかけだ。確認が遅れ東電の公表が7月までずれ込んだ。原発事故以来、原子力関係者と東電に不信が広がる。「また隠蔽したのか」という誤解と共に問
福島第一原子力発電所から汚染水が海に流出している問題で、東京電力は21日、事故直後に原子炉建屋で発生した極めて濃度の高い汚染水が、海に向かう配管・ケーブル用のトンネルを通じて、直接、流出している可能性が高いと発表した。 これまでに流出した放射性物質の総量が最大30兆ベクレルと推計されたためだ。東電が事故前に平常時の基準として定めていた放出限度(年間2200億ベクレル)を大幅に超える量という。 東電は22日から、流出経路として疑う2、3号機のトンネルから汚染水を抜き取る作業に着手する。しかし、汚染水の抜き取り可能なトンネルは一部にとどまり、流出が止まるかどうかは不明だ。東電は「流出に伴う汚染の影響は、防波堤や水中カーテンで仕切られた福島第一原発の港湾内にとどまっている」と説明する。
東京電力福島第1原発の地上タンク周辺で汚染水の水たまりが見つかった問題で、東電は20日、タンクからの漏洩(ろうえい)を認め、漏洩量は過去最大の約300トンに上るとの見解を示した。汚染水からはベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり8千万ベクレルと極めて高濃度で検出された。漏れた放射性物質量は24兆ベクレルと推定される。 原子力規制庁は19日に国際的な事故評価尺度で8段階のうち下から2番目の「レベル1」と暫定評価したが、レベルの引き上げを検討している。事故評価尺度では数十兆ベクレルの汚染はレベル2に該当するとされる。 東電は「タンク近くの側溝の放射性物質濃度が高くない。海への流出はない」との見解を示した。漏洩場所は不明で、汚染水は流れ続けているとみられる。 漏洩があったのは容量1千トンの地上タンク。内部の水位が約2.9メートル下がっていたことから、漏れ出た水量は約300トンと推定された。漏
これで抜本的な改善ができるのか。またもや看板の掛け替えだけで終わるのではないか。 日本原子力研究開発機構の組織改革案についての危惧である。 原子力機構は4千人の職員を擁し、核燃料サイクルや核融合などの研究開発に当たるわが国の原子力の総本山だ。 今回の組織改革は、核燃料サイクルの中核施設である高速増殖原型炉「もんじゅ」で1万点を超す機器の点検漏れが発覚したことなどを機に、文部科学省の陣頭指揮で着手された。 改革の柱は、組織の分割だ。原子力機構から核融合などの部門を切り離し、別の研究機関に移管する。残ったもんじゅなど核燃料サイクル関連の部門が、原子力機構の主体となる。こうした措置で主要業務を、もんじゅとその関連分野に集約するという。 だが、これが実効ある改革なのか。原子力機構は、平成17年に核燃料サイクル開発機構と日本原子力研究所が統合された組織だ。それを以前の状態に戻すだけだ。 改革案では、
原発汚染水対策 東電だけに任せておけない(7月27日付・読売社説) 東京電力福島第一原子力発電所の敷地から、汚染水が海に漏れ出していることがわかった。 漏れた放射能の量はわずかで、検出濃度は、高くても国の基準値の30分の1ほどだ。汚染水も、原発の港湾施設内にとどまるという。 それでも海洋汚染による風評被害を懸念する声が、福島県の漁業関係者を中心に広がっている。 漏出を食い止めるため、東電は全力を挙げてもらいたい。 対策として、東電は、岸壁周辺の地盤を薬液で固めるという。漏出源と疑われる岸壁近くの溝内の汚染水もくみ出す方針だ。作業を急がねばならない。 心もとないのは、今回の問題を巡る東電の一連の対応である。最初に漏出が疑われたのは5月末だった。ところが、確認作業に手間取り、関係機関への報告や公表までに1か月余りを要した。 東電が設けた有識者らの監視委員会が26日、リスク管理の甘さを指摘し、技
【ロサンゼルス=藤えりか】米メディアによると、東日本大震災での米軍の救援活動「トモダチ作戦」に従事した兵士8人が、「東京電力が情報開示を怠ったため危険なレベルまで被曝(ひばく)した」として東電を相手取り、損害賠償を求めて米サンディエゴの連邦地裁に訴えた。 訴えたのはカリフォルニア州を母港とする米空母ロナルド・レーガンの乗組員8人。東電が米軍に「間違った安全感覚」を植えつけ、「脅威となるほどの放射能レベルではなかったという錯覚を起こさせた」と主張。損害賠償として1千万ドル(約8億6千万円)、詐欺や怠慢などへの懲罰的賠償として3千万ドル、医療費をまかなう1億ドルのファンドの立ち上げを求めている。 東京電力広報部は「提訴されたとの報道は認識している。訴状が届いていないのでコメントできない」としている。
東京電力は、福島第一原子力発電所の事故の賠償金支払いのために最大1兆円規模の財政支援を国に申請する方針を固めた。 11月上旬に国と東電が策定する緊急特別事業計画に盛り込む。2年間で4・5兆円と試算されている賠償総額のうち、2011年度分の賠償額に絞って支援を求める。支援の前提として、電気料金の本格値上げを見送る一方、来年度中に柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)の再稼働を実現させる方向で調整している。 緊急計画は、東電の経営を調査する「経営・財務調査委員会」が10月3日に発表した報告書をもとに国の原子力損害賠償支援機構と東電が策定し、枝野経済産業相が11月上旬に認可する。 賠償支払額は年内に限れば7000億~8000億円、年度内まで見通せば1兆円規模になる見通しで、支援機構と東電が申請額の詰めの調整に入っている。
政府が17日に発表する東京電力福島第1原子力発電所事故への政府が取り組む対応を示す「工程表」の全容がわかった。7月に東電の損害賠償を判断するための中間指針を定め、秋ごろから賠償の受付・支払いを始める方針も示した。政府の工程表は夕方に首相官邸で開く原子力災害対策本部(本部長・菅直人首相)で正式決定される。 政府の工程表は、東京電力が4月にまとめた事故収束のための工程表を改定するため、それに合わせる形で公表した。 工程表では冒頭、事故の被災者に対し「長きにわたり国の原子力政策、電源政策の一番の理解者であった。事故によって裏切られたとの強い思いに、国は真正面から付き合わなければならない」と明記した。その上で、今回の工程表は「当面の取り組み」であり、「最後の最後まで国が前面に立ち、責任をもって対応する」と表明した。 具体的な取り組みは(1)事故収束に向けた取り組み(2)避難区域(3)計画的避難区域
東京電力が、福島第1原子力発電所事故の損害賠償問題にからみ、先に決めた役員報酬の削減幅の拡大を検討していることが8日、分かった。東電は4月25日に清水正孝社長ら常務以上の取締役は半減、執行役員は40%減額すると発表したが、国が公的資金を拠出して支援する損害賠償の枠組みの検討が進むなか、政府内から「不十分」との声が高まっていた。 政府は8日に枠組みに関する関係閣僚会議を開き、支援案の取りまとめを見送る一方で、東電に追加リストラを要請する方針で一致した。支援案は、東電を含む原発を持つ電力会社9社が「新機構」を設立。国も公的資金を拠出し、機構を通じて東電に融資や出資を行い、円滑に賠償金を支払えるようにする仕組み。公的資金は東電と電力業界が分割で返済する。 賠償負担のため、電気料金が引き上げられる可能性があり、国民の理解を得るには報酬カットの拡大のほか、一段の人員削減や資産売却が必要と判断した。
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