中国の軍備拡張や強引な海洋進出は、周辺国にとって脅威となっている。国防費は、公表されている分だけで30年間で50倍以上に伸びた。 北朝鮮は、日本を射程に入れる数百発の中・短距離の弾道ミサイルを配備している。核、ミサイル廃棄の道筋はなお不透明だ。 政府は、今後10年間の国防の指針となる防衛大綱を、年末に策定する。国民の理解を得ながら、日本の平和と安全を守る体制を構築せねばならない。 周辺国によるミサイル開発と配備への対応は重要な課題だ。 地上配備型迎撃システム「イージスアショア」は、多数のミサイルが同時に撃ち込まれても対処できる能力を備える。費用対効果を十分に吟味し、導入の意義を明確にする必要がある。 ただ、防衛省のこれまでの対応は稚拙さが否めない。 小野寺防衛相は昨年、1基の価格の見通しを800億円とした。今は1340億円に膨らんだ。維持費を含む総額を当初から示さなかったことも混乱を招いた