原子力規制委員会は3日、原発規制の基本方針となる安全目標を大筋で了承した。東京電力福島第1原発事故で放出された放射性物質総量の100分の1を限度とした上で、こうした事故の発生頻度を「100万年に1回」と数値化したのが特徴。安全目標は7月に施行される原発の新規制基準の上位に位置づけられ、今後も順次見直し、項目を追加していく。 規制委によると、これまでは「原発の安全神話」にとらわれリスク(危険性)はゼロと考えていたものを「原発事故のリスクは残る」と国が初めて認めた。 田中俊一委員長は会見で、「日本として安全目標を定めることは歴史的にみて大変なこと。今後の安全を向上させるための考え方として位置づけたい」と述べた。 目標では、事故の程度により発生頻度を3つに区分。米スリーマイル島事故(1979年)のように炉心が損傷する程度の事故を「1万年に1回」▽放射性物質の放出を抑えられるとしても格納容器の機能