原子力規制委員会は、日本の原子力発電を袋小路に追い込みたいのか。そんな疑念を抱かせる方針が、日本原燃の「使用済み核燃料再処理工場」(青森県六ケ所村)に対して示された。 再処理工場は、ウラン資源の有効利用と廃棄物減量のために、国策として進められてきた核燃料サイクル用の主要施設である。 原燃は試運転を踏まえ、10月の再処理工場完成を目指している。その矢先に規制庁が、唯一残されているガラス溶融炉の性能を確認する「使用前検査」に応じない旨を伝えたのだ。 理由はサイクル施設に適用する新安全基準ができていないためである。原発と異なり、再処理工場などの新安全基準が規制委で作成されるのは12月なのだ。規制庁はそれを待てとしている。 再処理工場は、ガラス固化体の製造工程に国産技術を導入したことなどで完成に多年の遅れをだしており、建設費は当初見込みの3倍近い約2兆2000億円に膨らんでいる。原燃が完成を急ぐの