科学技術大国日本──今、その足元が揺らいでいる。内閣府「科学技術指導2023」によれば、ここ10年ほどで出された論文数は世界全体で急増しているものの、日本ではほぼ横ばい状態。そのため2000年から2010年までの10年間と比べ、シェアの割合が減り、ランクを1つ落としてしまっている。「Science」や「Nature」といった著名な科学ジャーナル誌での論文数シェアも低い。 一方、生成AIの出現によって、業務効率化を図る企業や自治体などが増えつつある。教育・研究機関でも同様に恩恵を受けられそうだが「現状、日本の論文数は増えていない」と、研究活動の支援事業を手掛けるカクタス・コミュニケーションズ日本法人(東京都千代田)の代表取締役である湯浅誠さんは話す。 なぜ日本の論文数は増えないのか。生成AIはその救世主になり得ないのか。日本の教育・研究機関の現状を探る。
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