第1章 「過去の克服」とは何か はじめに 「過去の克服」――ドイツ語でVergangenheitsbewaeltigung――という言葉はドイツ連邦共和国初代大統領テオドーア・ホイス(自由民主党)によって世の中に膾炙したと言われている。日本語の字義としては「過去の克服」は「過去に打ち勝つ」や「過去にけりをつける」、「過去のことは水に流す」といったような意味になるが、ドイツにおいては決してそういうことではなく、現在では普通、ヒトラー支配下のドイツ、つまりナチス・ドイツの侵略や非人道的行為に対する戦後ドイツのさまざまな取り組みを総称する言葉として用いられている。 一言で「過去の克服」といっても、その具体的な行為としてはさまざまな形態をとるが、大別すると(1)ナチスの侵略によって被害を受けたヨーロッパ諸国の人びとに対する補償と謝罪(2)ナチス戦犯に対する追及(3)ナチス時代への批判と反省を深
総選挙(27日投開票)を控えたドイツで、ロマ民族への差別が激化している。昨年の金融危機による不況が一因のようだ。ロマ民族を虐殺したナチス時代の反省から、他の欧州諸国に比べ露骨な差別が表面化してこなかったドイツだが、最近は暴力も目立ち始めた。ロマ民族は、排他主義をあおる「右傾化」への懸念を深めている。【ハイデルベルク(独南部)篠田航一】 ◇雇用不安で暴力急増 「いきなり棒で顔を殴られ『出て行け』と怒鳴られた」。独南部マンハイム駅付近の路上で「物ごい」生活を送るロマ民族の男性、サールさん(23)の右ほお骨は紫色に腫れ上がっていた。今年7月、突然数人の若い男から襲撃された。腕も殴られたため記者に字を書いて伝える右手が今なお震えている。病気で働けなくなり、物ごいを始めて4年たつが、身の危険を感じ始めたのはここ1年という。 昨年の金融危機後、欧州では移民への反感が増大。今年6月の欧州議会選では、英国
スイスにも物乞いや窃盗をするロマの子どもたちがいる。しか彼らは犯罪者ではなく人身売買の犠牲者であり、保護を必要としていると訴える報告書が発表された。 この報告書に挙げられた提案を実践するために、ベルン市では物乞いをする子どもたちを保護し、路上から一掃した。そしてスイスのほかの都市もこれにならう意向だ。 不十分 路上の物乞いにいら立つ人もいれば、同情を寄せる人もいる。しかし組織化された物乞いの場合、このような反応は両方とも見当違いだとベルン市の治安担当官者レト・ナウゼ氏は語る。 「物乞いの背後には冷酷な犯罪組織が存在する。恐らく物乞いをする子どもたちは人身売買の犠牲者であり、保護しなければならない。これは非常に深刻な問題だ」 そのため都市警察署長会議(Conference of City Police Directors)が開かれ、スイス都市協会(Association of Swiss C
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