米アップルほど感情的に売買される株もない。1980年の同社上場は、スティーブ・ジョブズ氏を超大金持ちにする一方、近年のハイテク投資熱の先駆けとなった。 90年代半ばに同社が苦境に陥ると、どんな好材料も投資家を覆う暗雲を取り払えなかった。しかし今、前評判かまびすしい「アイフォン」の発売が6月29日に迫る中でアップル株は急騰。過去1年で2倍になった同社株は1株122ドルをつけ、時価総額が1000億ドルを突破した。 数年で1兆円の商品に 信じ難いことだが、ジョブズ氏と彼の新しいオモチャを巡る騒ぎは、アイフォンがアップルの業績に及ぼす影響を過小評価している可能性がある。アイフォンはほんの2~3年で年間100億ドル規模の全く新しいビジネスを同社にもたらす可能性があるのだ。 アップルが「スマートフォン」を出張の多いビジネスマンの贅沢品から大衆が使う道具に変え、「ブラックベリー」と「アイポッド」の機能を