東浩紀/批評家・作家。株式会社ゲンロン取締役 この記事の写真をすべて見る 批評家の東浩紀さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、批評的視点からアプローチします。 【写真特集】大物がズラリ!AERA表紙はこちら * * * 石破茂新内閣が発足した。とはいえ9日に解散ですぐ総選挙となる。 発足即解散の日程に批判が相次いでいるが、総裁選の宣伝効果が大きかった以上、すぐ選挙に入るのは自民党として合理的な判断だ。当欄では繰り返しているが、問題はむしろ、国民のほとんどが参加できない一党の党内選挙を、あたかも国全体のお祭りかのように報道してしまうメディアの姿勢にある。やはり政権交代の緊張感がないとダメなのだ。 そのためには野党が強くなる必要がある。来たる総選挙はその絶好の機会でもある。 新首相には早くも逆風が吹いている。株式市場は厳しい判断を下した。アジア版NATOは非