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近ごろ、テレビやネット上で「米不足」や「価格高騰」に関する報道を目にする機会が増えた。しかし、それらの情報の多くは一部の現象だけを切り取ったもので、全体像が見えにくい。「なぜこんなことになっているのか?」という本質的な部分に触れた内容は、実はあまり多くない。筆者は米屋として、日々、農家・集荷業者・JA(農協)などと関わる中で、現場からの“生の情報”に触れている。この経験を通じて得られた知見を、多くの人にできるだけわかりやすく伝えようと、情報発信を続けている。 米の業界は「ブラックボックス」、外からは実態が見えにくい世界だ。だからこそ、内部の動きを読み解き、可視化することは、農家の生産意欲を支え、消費者の理解を深めることにもつながっていく。 値上がりし続け、令和の米騒動へ今回の“米パニック”とも呼ばれる騒動のきっかけは、ひと言で言えば、メディアの報道と、それに反応した消費者の買いだめである。
トランプが求めているのは「多様性」トランプ政権とハーバード大学の対立は、どんどんとエスカレートしている。 既に広く報じられているとおり、トランプ側はハーバード大学側に「多様性」「平等性」「包括性」を重視するDEI教育を行うことを見直すことや、反ユダヤ主義の活動を行った学生の処分などを求めている。要求に沿わないと大学への補助金を打ち切る姿勢を鮮明にし、既に22億ドル(3100億円)以上の補助金が凍結され、6000万ドル相当の契約を停止した。 ハーバード大学が折れる姿勢を見せないことから、トランプ政権はさらに70億ドル(約1兆円)相当の連邦資金の提供を打ち切り対象にする姿勢を見せるまでに至った。 こうした強硬な政権側の動きに、ハーバード大学はトランプ政権を連邦裁判所に訴えるに至った。 by Gettyimages報道だけを見ていると、トランプのやり方には信じられない思いを持つのが普通だろう。
黙示録的幻想はなぜ人を惹きつけるのかローマ帝国末期に迫害されるキリスト教徒たちへのメッセージとして書かれた『ヨハネの黙示録』は、2000年以上、良く言えば苦難の中にある人たちを励ます、悪く言えばルサンチマン(怨恨)によって人々を動員するテキストとして用いられてきた。 19世紀のイギリスの文学者D・H・ロレンスは、炭鉱夫の父に連れられて行った保守的なメソディスト教会や福音派の教会で、『ヨハネの黙示録』が福音書以上に、人々に慰めと興奮を与えていることに幼少期から嫌悪感を抱いていたと言う。彼の考察によれば、『ヨハネの黙示録』は、イエスが説くある種の個人主義に耐えられない人たちが必要とする、人間の集団的側面に応えるものだった。ここでロレンスが「集団的側面」と言うのは、人間が持つ他人を支配したいという権力欲である。つまりイエスの説く愛があまりにも純粋に個人的で内面的だったために、かえって権力への歪な
世界では「子ども向けグラフィックノベル」が急成長しているのに、なぜ日本だけ「低年齢向けマンガ」が伸びないのか 欧米の子ども(主に児童)向けグラフィックノベル市場は、2010年代後半以降急成長を遂げている。 米国におけるグラフィックノベルの売上は年間3,500万冊に達し、一般小説とロマンス小説に次ぐ数字になっている。2024年にはたとえば英国だけで児童向けグラフィックノベルの売上高が前年比18.3%増の2000万ポンド(約38億円)を記録し、2019年の4倍規模に拡大した(https://bleedingcool.com/comics/kids-graphic-novels-sold-a-record-20-million-in-the-uk-in-2024/)。 さらにはグラフィックノベル原作のアニメ化も増えており、ユニバーサル・ピクチャーズやNetflixが児童向けコンテンツの主要調達源
1970年代の日本の音楽シーンにおける独特で実験的なアルバムやアーティストについて、キングレコード発の音楽メディア『SOUND FUJI』がレポート。 日本のロックやジャズロック、そしてプログレッシブの重要な作品を紹介しつつ、それぞれのアルバムの独自的な特徴ともに、日本の音楽史においての歴史的価値を丁寧に掘り下げる。 はっぴいえんどの"ゆでめん"、フード・ブレイン『晩餐』、フラワー・トラベリン・バンド『ANYWHERE』と同年に発表され、日本語ロックの歴史的傑作とも称される『 切狂言 』。 布施明ヴォーカルでジャズロック/プログレが繰り広げられ、海外コレクターからも絶大な支持を集める『 LOVE WILL MAKE A BETTER YOU 』 1970年代後半にブームとなった東映俳優クルーたちの魂の叫びを、 坂本龍一と佐藤準が多彩なアレンジで彩った和製レアグルーヴの名盤『 ピラニア軍団
「不法行為による損害賠償責任を負う可能性がある」国民民主党の平岩征樹衆院議員(45歳)が、既婚者であるにもかかわらず自らを独身と偽った上、偽名および虚偽の職業を名乗り、女性と不倫関係を持っていたことが「週刊現代」の取材でわかった。 専門家は「不法行為(貞操権侵害)による損害賠償責任を負う可能性がある」と指摘。平岩氏は本誌の直撃取材に対して事実関係を認め、「そういう(騙す)つもりはなかった」などとしつつも、謝罪の意志を示した。国民民主党本部にも見解を尋ねると、この問題について現在、調査をしており、党の倫理規約などを踏まえた対応を検討していると明かした。 4月19日、玉木代表と街頭演説に立つ平岩氏(大阪市の「ヨドバシカメラ マルチメディア梅田」前にて) 各種世論調査で野党トップの支持率を誇る国民民主党だが、昨年11月に玉木雄一郞代表(55歳)の不倫問題が発覚し、玉木氏が3ヵ月間の役職停止処分に
中国に狙われるのは間違いない冬から春の時期は波が高く、馬毛島に近づけないため海上タクシーも休業を余儀なくされる。また、馬毛島に建設中の桟橋が完成すれば、大型船が着岸できるようになり、漁師は用済みになるという。 別のベテラン漁師が語る。 「船は動かしているから使えるけど、漁の道具も漁師の腕も錆びついてしまっている。基地建設が終われば漁場も元に戻ると国は言っているけど、それを信じている漁師はいません。基地建設が終われば、この島の漁師もほとんどが廃業ですよ。みんな先がないことは薄々気づいている。でも結局は、目先のカネには勝てないですよ」 馬毛島の買収が決まった'19年当時は反対運動も盛んだったが、現在は「基地反対」などと書かれたのぼりがちらほらと見られるだけで、目立った動きはないという。 かつて反対運動に参加していたという陶芸家の男性(80代)は、ため息をつきながらこう語った。 「本当に恐ろしい
ついに「勤務先」で動きがあった2023年1月から同7月までネット上で連載されていた、マンガ『脳外科医 竹田くん』。手術やカテーテル治療で失敗を重ね、患者の死亡や後遺障害といった事故を繰り返す外科医の姿をリアルに描いて、医療界内外で大きな話題となった。 この漫画の「モデル」とされる医師の松井宏樹被告が2024年12月27日、業務上過失傷害の罪で在宅起訴されたことは、全国でも大きく報じられた。その後も松井被告は大阪府内の病院に勤めているが、いま「引退の危機」にあるという。 松井被告が以前勤務していた赤穂市民病院(編集部撮影) まず、松井被告がかかわったトラブルを振り返ろう。被告は2019年7月から2021年8月まで、兵庫県赤穂市にある赤穂市民病院の脳神経外科に勤務。着任してわずか半年あまりで、8件の医療事故(うち3件は死亡事故)に関与したとされる。 そのうち、2020年1月に脊柱管狭窄症の手術
アメリカのお節介焼きはもう終わる「世界のどの国とも同盟を結ぶのを避けることこそ、わが国の基本的な国策です。他国と距離を置くことで、アメリカは独自の目標を追いかけることができるのです」 これはアメリカ初代大統領のジョージ・ワシントンが1796年、大統領退任にあたって述べた言葉だ。「グローバル化」の旗振り役となってきた現代のアメリカとは、まるで別の国のように聞こえる。 戦後の日本人にとって、同盟国アメリカは、精神的にも物質的にも依って立つ「地盤」のようなものだった。かつ一方で、ときに日本の手足に枷をはめようとし、あれこれ口を出してくる厄介な「上司」のような存在でもあった。 しかしアメリカが、日本を含む世界中のお節介焼きに励む時代は終わる。トランプ大統領が終わらせようとしているのだ。それも、いますぐに。 中央大学教授で国際政治学者の玉置敦彦氏が指摘する。 「アメリカは20世紀以降、『リベラルでグ
「アメリカからの強烈な要請」が背景に…?《中国包囲網の要衝・馬毛島》の隣島で巻き起こっている「国防最前線バブル」 放置されたサトウキビ畑3月下旬、鹿児島空港を飛び立った小型プロペラ機は、約40分のフライトの間、悪天候の影響で揺れに揺れ、種子島空港へ到着した。 空港でレンタカーを借りて、島内最大の市街地がある西之表市へ向かう。長閑な田舎道を進んでいる途中、サトウキビ畑にポツンと佇んでいる高齢男性の姿があった。 「あんた、基地の関係者か?」 記者が声をかけると、男性はそう警戒心を示したが、東京から取材で来たと告げ、質問を重ねていくと、ぽつりぽつりと本音を語ってくれた。 「本当なら今は、種子島の特産品であるサトウキビの刈り取りが行われている時期です。でもご覧のとおり、放置された畑が多いでしょう。若い人たちがみんな、基地の仕事に行ってしまったからです。基地に行って作業員として働けば、月に40万円が
前編記事『「アメリカからの強烈な要請」が背景に…?《中国包囲網の要衝・馬毛島》の隣島で巻き起こっている「国防最前線バブル」』より続く。 潤う島民と妬む島民潤っているのは飲食店ばかりではない。島内のパチンコ店やカラオケ店も大人気で、駐車場には大分や愛知など、県外ナンバーの車が並ぶ。また、ホテル・旅館も満室が続いている。 西之表市内の不動産会社経営者が明かす。 「作業員の住むところが足りないから、アパートや一軒家を借りる建設会社も多い。そのおかげで、西之表の賃貸物件の家賃は3~5倍になりました。家賃3万円のアパートが8万円、5万円の一軒家が20万円といった具合です。物件のオーナーからしても高い家賃を払ってくれる工事関係者に貸したいから、もとから住んでいた人が追い出されるということも起きています」 それでも作業員の住居は足りず、島内にはコンテナ宿舎も多数建設されるようになった。内部にエアコンやベ
年々上がり続ける社会保険料。その性質から「ステルス増税」との批判も高まっている。いびつな日本の社会保障制度を、河野太郎がぶった斬る。 聞き手・青山和弘 /政治ジャーナリスト。'68年、千葉県生まれ。'92年、日本テレビ放送網に入社し、'94年から政治部。野党キャップ、自民党キャップを経て、ワシントン支局長や国会官邸キャップを歴任。'21年フリーに 前編記事『現役世代の稼ぎに頼るのは、もう辞めにしよう!河野太郎が語る「社会保険料」大改革案!』より続く。 透析患者が多くて、多額の医療費がかかっている―医療費そのものに無駄が多いですね。 「医療費の無駄削減も極めて重要です。 私は自民党の行政改革推進本部長のときに、今の鈴木馨祐法務大臣と一緒に、バイアル(容器)の中で余ってしまって捨てられている高価な抗がん剤を捨てないで済むようにルール変更して、数百億円の無駄を省くということをやったことがあります
風邪と同等になった新型コロナコロナ禍が始まって今年で早5年が過ぎた。中国武漢から始まり世界を未曽有のパンデミックで混乱させた新型コロナウイルス。5年を経ていまでは当時を忘れたかのように世界は落ち着きを取り戻している。 厚労省も23年5月、新型コロナ感染症を結核やジブテリアなど第二類の「感染力が強く、重症化しやすい感染症」からインフルエンザなどの「一般的に見られる感染症」の第五類に引き下げた。これにより受診やワクチンもインフルエンザなどと同様に自己負担になり、入院も公費負担での限定医療機関の特別対応から、幅広い医療機関での自律対応に変わり、WHOも実質「収束宣言」を公表した。 Photo by gettyimages そして、今年の4月から厚労省は「通常の風邪」も新たに第五類に加える旨を告知した。つまり新型コロナも普通の風邪も感染法上肩を並べることになったのだ。数百種類のウイルス・細菌が原因
高まる「反イーロン・マスク」の風潮2025年4月1日は、政治活動家イーロン・マスクにとって分水嶺となった。 その日にウィスコンシン州で行われた州最高裁判事の選挙で、マスクが応援した保守のブラッド・シメル判事が、リベラルのスーザン・クロフォード判事に破れたからだ。それも得票率にして10ポイント差で、クロフォードの圧勝だった。昨年11月の大統領選で赤く(=共和党支持)なったウィスコンシンだったが、今回の選挙ではすべての選挙区が青(=民主党支持)に転じた。 マスクは、シメルの応援のために2500万ドルを費やし、去年の大統領選で味をしめたのか、再び有権者に100万ドルの小切手を配っていた。大統領選では選挙人登録をした人から選んだが、今回はすでに投票した人から選んでいた。大統領選のときもペンシルヴァニア州から選挙法違反で訴えられていたが、今回もウィスコンシン州から同じく選挙法違反で訴えられた。小切手
「学び直し」の本質がぎっしり詰まっていた…、40年前に出版された「伝説の科学絵本」が、「大人の教養」のために「今」必読である「たった1つの理由」 『からすのパンやさん』や「だるまちゃん」シリーズで知られる絵本界のレジェンド・かこさとしさん。2018年に亡くなるまでに出版した絵本はなんと600冊以上にのぼります。 工学博士であり、研究者でもあったかこさんは、自身の専門性を活かして科学絵本も数多く出版。かこさんの絵本がきっかけで理系分野に進んだ人も少なくないといわれています。 そんなかこさんが初めて作った化学絵本シリーズが「絵で見る化学のせかい」(偕成社刊)。40年ほど前に出版された初版の装幀やデータをすべて新しくし、最新の知見を加えて、このたび「かこ さとし 新・絵でみる化学のせかい」として講談社よりリニューアル復刊されました。 リニューアル復刊に際して監修協力をしていただいた濱田健吾氏に、
ミドル~シニア層の日本人にとって、真に有効な健康習慣とは? あなたの「老化時計」の進み方を大きく変える、「食事」「運動」「ライフスタイル」について、最新研究の成果から解説。「健康の常識」をアップデートする新連載! 本記事は、 『健康寿命と身体の科学 老化を防ぐ、50歳からの「運動・食事・習慣」』 (樋口 満・著)を一部抜粋・再編集したものです。 最高のトレーニング法 「ローイング」「ボートを漕ぐ」ことを英語では「ローイング(Rowing)」といいます。 もうすこし正確に表現すれば、「艇の進行方向に対して後ろ向きにシートに座り、オールを使って手でボートを漕ぐこと」をローイングと称しています。手漕ぎボートによるローイングは、近代オリンピックの創始者であるクーベルタン男爵も愛好した、欧米諸国ではメジャーなスポーツです。 公園の池でボートを漕ぐところを想像してみてください。こうしたボートでは、固定
客はやや少なめとはいえ、卓によっては明らかにカタギではない中年男性と、その倍ぐらい怖そうな中年女性(妻だろう)がディーラーと向き合い、彼らの勝負を角刈り入れ墨の黒シャツ兄貴たちがずらりと囲んで見守るという、「生成AIが作った中国マフィアの絵」みたいなベッタベタの光景もみられる。 「よお、ここは初めてか? あの卓はビギナーにも優しいぜ。やってみないか?」 私が見て回っていると、見知らぬ男から気さくに声をかけられた。勧められた紙巻きタバコをぶかぶか吸いながらすこし喋り(注.中華暗黒ベルトの男はタバコを一緒に吸わないと会話が成立しない)、適当なところで同行する暗黒兄貴に彼を押し付ける。 カジノの駐車場には、マンガにしか出てこないような「典型的なリムジン」が停まっていた「賢明な対応だな。あいつ、カモをハメるためにウロついているフリーランスだぜ」 彼が去ってから暗黒兄貴がそう耳打ちした。登場人物は全
「高級料理店で毎晩会食」「マッサージやメガネ代まで経費に」3年間で4000万円以上を私的に流用…「アントニオ猪木・最後の妻」の呆れた豪遊ぶり 2022年10月1日、79歳で亡くなったアントニオ猪木。今なお熱烈なファンを擁する猪木だが、世に喧伝されるそのイメージは二重三重の皮膜に包まれてきた。 話題の新刊 『兄 私だけが知るアントニオ猪木』(講談社刊) は、猪木家の末弟である啓介氏から見た、5歳年上の兄・猪木寛至の「人間の記録」だ。ブラジルへの移民、力道山との出会い、新日本プロレス、政治と事業、4度にわたる結婚、そして晩年の兄弟断絶と闘病。70年余に及んだ兄弟の歴史がすべて記されている。 猪木のプロレス引退後、突如現れた謎の女性カメラマン――最後の妻となる橋本田鶴子氏の登場により、猪木家の歯車は徐々に狂い始めていった。 2013年、猪木は日本維新の会の公認候補として参議院選挙に出馬し、18年
中国人の欲望が集う「闇の都」「やべえ! 邪悪だ! これは邪悪だ!」 思わず叫んだ。2025年2月25日、ラオス北部のボケオ付近にある金三角特区(ゴールデントライアングル特区)での話である。時刻は夜。街の中央に位置する中国資本の超豪華カジノホテル・金木綿酒店が、私の目の前で紫色のぶきみな光を放っていた。 駐車場にはマンガでしか出てこないようなリムジンと、スーパーカー風の高級電動バギーがずらりと並んでいる。ホテルの前には、営業中の広大なナイトプールが広がり、どこかの金持ち中国人女性が優雅に水面をたゆたっていた。 「これでも最近は景気が悪いんだ。中国政府が中国盤(中国国内がターゲットの詐欺)を禁止したし、いまはミャンマー東部の拠点がガサ入れ食らってるだろ? カジノでカネを使う客が減っていてな」 私を案内してくれている「悪い人」がそう話す。彼は東南アジアに国境をこえて広がる中国人の暗黒社会(中華暗
子どもたちが、いつのまにか「理科好き」になる…、刊行「40年」を経た「伝説の科学絵本」が、今も驚きに満ちている「ひみつのしかけ」 かこさとしさんが2018年に亡くなるまでに作った絵本は、なんと600冊以上にのぼります。物語絵本と並び、特筆すべきは、東京大学応用化学科卒業の工学博士で研究者でもあったかこさんが、専門を活かして作った科学絵本の数々。それらを読んで理系の道に進んだ研究者も多いと聞きます。 そんなかこさんの、もはや図鑑のようなボリューム感の化学絵本シリーズが「かこ さとし 新・絵でみる化学のせかい」(全5巻)。原子と分子(1巻)、元素の周期表(2巻)、化学や技術の歴史(3巻)、自然科学(4巻)、SDGsを取り扱った資源とエネルギー(5巻)と、テーマは多岐にわたっています。 ブルーバックスなどの科学書好きの読者が手にとったら、一目で「これが本当に小学生から読むものなの?」と、レベルの
日々、踏みつけて気にも留めない土。じつは、この土がなければ、生命は誕生しなかった可能性があるという。それだけではなく、土は生物の進化や恐竜の絶滅、文明の栄枯盛衰にまで関わってきた。生命進化に限らず、食糧危機、環境問題、戦争……いま人類が直面しているリスクは、「土」から見ると新たな景色が見えてくる。 土を主人公に46億年の地球史の新たな一面を明かした『土と生命の46億年史』が発売後、大きな反響を呼んでいる。長年、土一筋で研究を続けてきた藤井一至さんが明かす、いま私たちが知っておかなければならない「土の話」とは。 足りない窒素と世紀の大発見人類が食料を増産するための手段は二つある。一つは耕地を拡大すること、もう一つは面積当たりの収穫量を高めることだ。世界の耕地は15億ヘクタール(陸地面積の約10パーセント)まで増加してから、徐々に頭打ちの傾向を示している。 人口増加とともに一人当たりの農地面積
「ご当地グルメ」に目がない日本人旅行をする際に、あなたが重視するものや楽しみに思うものは何だろうか。 名所や旧跡を見学すること。豪華なホテルでのんびりと滞在すること。温泉で心の底から癒やされること。大自然を五感で感じるアクティビティーを楽しむこと……。旅行にはさまざまなスタイルがあるし、何を重視するかは人それぞれだろう。 しかし、多くの日本人が必ずと言っていいほどに旅の楽しみとして挙げるのは、「その土地ならではのグルメを食すこと」だ。 南北に細長い国土を有する日本は、土地ごとの食文化のバリエーションがとても豊かな国だ。古くからその土地に伝わってきた伝統的な郷土料理はもちろん、昨今では「ご当地グルメ」といったキャッチーなフレーズとともに、その土地の食文化や気候風土を反映したオリジナリティー溢れるメニューも人気を博している。 高速道路のサービスエリアや道の駅などに立ち寄れば、その県の名物料理や
フジテレビ問題で指摘された「オールドボーイズクラブ」。男性中心企業が”たどる道”フジテレビだけじゃない ジャーナリストの浜田敬子さんが『 男性中心企業の終焉 』を上梓したのは、2022年のこと。フジテレビの第三者委員会による報告書の中身を見て、「このタイトルが予言のように思えた」という声も生じている。 浜田敬子さんが指摘してきた「男性中心企業」の危うさとは何か。なぜそれが危ういのか。フジテレビ問題が明るみに出た今、改めて見えてきたものとは。浜田さん書きおろしによりお届けする。 以下、浜田さんの寄稿。 「半端なビジネス書よりフジテレビ第三者委員会報告書を読むべき」3月末に発表されたフジテレビ問題に関する第三者委員会の 報告書 はあらゆる意味で読み応えのあるものだった。まず394ページにも及ぶ分量。関係者や社員など関係者から集められた大量の証言から浮かび上がる事実関係。そして最も突き刺さったの
「自称・広末涼子」というワードが目に飛び込んできた。えっ! 4月8日午前のことである。自称・広末涼子が逮捕されたというニュース速報だった。そんな……ああ、そうか、どうせ似ても似つかない頭のおかしなオバチャンが広末涼子を自称して何かやらかしたんだろう、そう納得した。 しかし、時間を経ると「自称」が取れて、どうやら本物の広末涼子が逮捕されたと判明した。衝撃が広がってゆく。高速道路で自らが運転する車が追突事故を起こした。搬送先の病院で看護師を蹴るなどして傷害容疑で現行犯逮捕されたというのだ。耳を疑った。かつて国民的アイドルと称されて大人気だったあのヒロスエが、まさか「容疑者」と呼ばれる日が来るとは。信じられない。 前編記事『広末涼子「自分の中で“革命”があったんだ」「すべてうまく行く」17歳の清純派アイドル時代に見せていた「意外な一面」』より続く。 Photo by Gettyimages 直前
伊藤詩織氏が性暴力被害を告発したのは2017年のこと。2015年に起きた性加害を自ら顔を出して告発したことで、日本の「#MeToo」の象徴的存在となり、多くの共感を集めた。その伊藤詩織氏が、刑事で不起訴となってから、民事(第二審)で勝訴するまでの自らの体験を描いたドキュメンタリー映画が『Black Box Diaries(ブラックボックスダイアリーズ、以下BBD)』である。同作品は海外で英・米のアカデミー賞をはじめとする多くの映画賞にノミネートされ、実際多くの賞を受賞、57の国と地域での上映が決まっているが、肝心の日本では依然として上映の予定が決まっていない。 伊藤氏は2025年2月20日、体調不良により欠席した記者会見にて配布した声明文にて「この映画が光を当てているのは、性暴力と権力というテーマです」と綴り、「私が願うのは、みなさんにこの映画を見ていただき、議論してほしいということ。この
日本人監督によるドキュメンタリー映画として初めて米アカデミー賞のノミネート作品となった伊藤詩織監督の『Black Box Diaries(ブラックボックス・ダイアリーズ、以下BBD)』。伊藤氏が性暴力被害を告発したのは2017年のこと。2015年に起きた性加害を自ら顔を出して告発したことで、日本の「#MeToo」の象徴的存在となり、多くの共感を集めた。その一方で多くの誹謗中傷にもさらされた。『BBD』は性加害サバイバーである伊藤氏が刑事事件として不起訴になってから民事裁判で勝訴を勝ち取るまでの現実に向き合う様を描き、多くの海外映画祭で賞を取り、英・米のアカデミー賞にもノミネートされた。 しかし、国内での上映は依然として決まっていない。理由のひとつは、伊藤氏の民事訴訟を8年にわたり支え続けた元弁護団の指摘により明らかになった、作品の抱える「人権と倫理上の問題点」によるものだと言われている。映
今年1月28日に逝去した、経済アナリストの森永卓郎氏。以前から森永氏は、お金のかからないライフスタイルを推奨しており、中でも「住民税非課税世帯」はさまざまな優遇を受けることができるため、「最強の資産防衛策」であると話していた。森永氏のラストメッセージとなった新刊『やりたいことは全部やりなさい』より一部抜粋し、「住民税非課税世帯」のメリットについて紹介する。 お金のかからない暮らし方を確立する税制も社会保険制度も、その根本的な仕組みを見てみると、富裕層に対して数々の優遇措置が設けられている一方で、私たち一般的な国民の負担は年々増加の一途をたどっています。 税負担率は所得が増えるほど下がるという逆進性すら生じており、この状況は今後もさらに深刻化することが予想されます。 Photo by iStock そうした状況下において、私たちに残された現実的な生存戦略は、徹底的に生活コストを抑制しつつ、で
【1918年スペイン風邪】原因ウイルス解析のために、永久凍土に眠る犠牲者を掘り起こした肺から採取したゲノムの断片が正体を暴いた 『インフルエンザは征圧できるのか』公開にあたって──。 新型コロナウイルス感染症のパンデミックが起きる前から、携帯用アルコールジェルを持ち歩いている。 「いつもそんなもの使ってるの?」と怪訝そうに聞かれたり、「なんと神経質な」と思われたりしてきたが、これにはきっかけがある。 ──2009年に起きたインフルエンザ・パンデミックだ。当時、人々は強毒の鳥インフルエンザ「H5N1」型が人間界に飛び移って広がることを恐れていた。 しかし、現実に起きたのは「H1N1」型の"マイルド"なパンデミックだった。 それでも、当初は病原性も感染性もよくわからず、さまざまな不安があった。そんなとき、参考にしていたのが米アトランタに本拠地を置くCDC(アメリカ疾病予防管理センター)の情報だ
TikTok上の読書コミュニティ「BookTok」は2019年後半に誕生し、2020年以降、急速に拡大した。日本でも小説を紹介する動画クリエイター・けんごが注目され、スターツ出版が自社アカウントも活用して売り伸ばし、今や「当たり前」の存在となった。 欧米の出版業界にも大きなインパクトをもたらし、今まで本の世界で権威を持ってきた「白人・男性・異性愛者」の読書家の価値観ではない本が注目されるようになったと言われているのだが……それって本当なのか? と疑問を投げかける論文が発表された。 BookTokの絶大なる影響力欧米ではBookTokerは主に10代と若い女性で、2024年10月時点で#BookTokは3090億回以上再生、約5200万の投稿を記録。 NPDグループによると2021年5月時点でヤングアダルトフィクション小説の売上が前年比約70%増加し、大手書店チェーンBarnes & Nob
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