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インタビュー
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国民民主党「斬り捨て」の裏側「いろんなものの値段が上がる中、なかなか給料が上がらない人がおり、年金も上がらない。それなのに税負担や社会保険料負担は上がる一方だ。行き場のない怒りや不安が『財務省解体デモ』に現れているのではないか」 国民民主党の玉木雄一郎代表(1993年旧大蔵省入省)は最近、財務省にしきりに噛みついている。少数与党の石破茂政権のもと、今国会の最大の焦点だった来年度予算案を巡る攻防で、賛成する条件として「年収の壁(課税最低限)」の大幅な引き上げやガソリン減税を要求、与党側と幹事長合意まで結びながら最後にハシゴを外され、思惑通りに行かなかったからだ。 予算案は結局、政府・与党に高等教育の無償化要求を丸呑みさせた野党第二党の日本維新の会の賛成で衆院を通過したが、玉木氏はその裏に古巣の政界工作の臭いを嗅ぎ取っている。 Photo by gettyimages 実際、「年収の壁」を巡り
制作現場からは不満の声が新生活が始まる春。人事異動に合わせて居を移す人も多いが、NHKの「お引っ越し」は一筋縄ではいかないようだ。バラエティ番組の制作を担当する中堅局員が明かす。 「発表されている通り、2028年度を目途にドラマ制作部門が渋谷の放送センターから埼玉県川口市にある施設へ移されます。しかし実はドラマだけでなく、バラエティや音楽番組を含めた一部の番組も、川口で制作されるようです。引き続き渋谷に残るのは報道部門と生放送の番組などに限られるのでは」 渋谷にあるNHKの放送センター[Photo by iStock] 川口市にて、NHKと行政が共同で運営する施設「SKIPシティ」。その一画で建設中なのが、引っ越し先の「川口施設(仮称)」だ。LEDパネルにCGを映し出し、屋外シーンを屋内で撮影できるスタジオなど最新設備を備えるというが、制作現場からは不満が漏れ聞こえてくる。
クスリの「効き」が違う品質の問題もさることながら、肝心のクスリの“効き”にも違いがある。 もし「先発医薬品とジェネリックは同じ」だと考えているのであれば、それは大間違いだ。たしかにクスリの成分こそ同じではあるが、製造工程や添加物などが異なるため「完全に同じクスリ」とは言えない。銀座薬局の代表薬剤師・長澤育弘氏はこう解説する。 「ジェネリック医薬品と先発医薬品とを比較する際、厚生労働省の基準では『クスリが水に溶ける速度』が指標とされています。この溶ける速度が先発薬と比べて80~125%以内であれば『効果は同じ』と見なされます。逆に言うと、先発薬とジェネリックの最大の違いはこの水に溶ける速度なのですが、最大で45%もの幅があるので、その分効果も変わってきてしまいます」 前編記事『「ジェネリックでよろしいですか?」と聞かれたらこう答えるのが正解です』より続く。 さらに長澤氏はジェネリックの「デー
昨年12月に、在日クルド人を中心に始動したサッカーチーム「FCクルド」。現在は小学生が40人、中・高校生が25人ほど所属しており、毎日のように埼玉県内の公園で練習して汗を流している。 前編記事『《ルポ・クルドの子供たち》「ビザを取るためにプロサッカー選手になりたい」…クルド人サッカーチームの少年が語った「切実な夢」』に引き続き、彼らの知られざる本音に迫った。 ふだんの会話は「恋愛」や「下ネタ」が中心FCクルドの年上グループは、小学5年生以上が所属している。中高生が大多数を占めるが、ふだんは解体工として働く10代のクルド人少年もいたり、部活やクラブチームと掛け持ちしているメンバーもいる。 そんな彼らの楽しみが、週末の練習終わりに立ち寄るファミレスだ。この取材期間中、記者も2度にわたってファミレスに同行。最初はよそよそしかったが、打ち解けていくにつれて、ふだんの練習とは違う一面を見せてくれた。
経営者、従業員、高齢者、若者……「みんな苦しい」のは一体なぜなのか? 私たちを支配する「苦しさ」にはごくシンプルな原因があり、ちゃんと対処する方法がある。経営学の道具を使えば、人生が大きく変えられる。どういうことだろうか。 15万部ベストセラー『世界は経営でできている』で大きな話題を集めた気鋭の経営学者・経営者の岩尾俊兵氏による渾身の最新作『経営教育』(角川新書)では、「みんな苦しい」の謎をあざやかに解き明かす。 (※本記事は岩尾俊兵『経営教育』から抜粋・編集したものです) ここで「日本企業はなぜ価値創造の民主化を捨ててしまったのか?」「アメリカ企業はいかにして価値創造の民主化を取り入れたのか?」という二つの疑問に答えていきたいと思います。 日本企業が価値創造の民主化を捨ててしまった原因を考える前に、そもそも価値創造の民主化が生まれた背景を考える必要があります。筆者はそれが戦後の「人間の脳
「自分らしく生きたい」が生むディストピアゲノム編集は、ネガティブな影響力をもつDNAの配列を修正したり、「よりよい」配列に改変できるだけで、人間にもともと備わっていない能力がもてるようになるわけではない。 映画『X−MEN』のようなミュータントはつくれないが、『ガタカ』が描くような、人工授精と遺伝子操作によって優れた知能・体力・外見をもつ「適正者」と、自然妊娠で生まれた「不適正者」に世界を分断するじゅうぶんなちからをもっている。 ──『サピエンス全史』のユヴァル・ノア・ハラリはこれを「ホモ・デウス(神人)」と「無用者階級」と呼び、いずれわたしたちはこのような未来を迎えることになるという不吉な予言をした。 それにもかかわらず、いまの自分を超えて「ほんとうの自分」になりたいという「見果てぬ夢」を、わたしたちはあきらめることはできないだろう。それはいままさに、(一部のひとには)手の届くところまで
分離脳では左右の情報のやりとりが行われない!?「分離脳のテスト風景」の図は、スペリーとガッツァニーガらの実験。分離脳の被験者の左右の視野に別々の絵を見せて解答させる実験です。 右視野にニワトリの足、左視野に雪景色を見せて、関係のある絵を選ばせます。右視野の情報は左脳にいき、正解はニワトリ。左視野の情報は右脳にいき、正解はシャベルとなります。 分離脳の被験者は、右視野でニワトリ、左視野でシャベルと正解を答えましたが、その理由を「ニワトリの足はニワトリに関係があって、シャベルは鳥小屋の掃除に必要」と答えました。 実際には、右脳(左視野)は雪景色を見てシャベルを選びましたが、分離脳被験者の場合、右脳の情報は左脳に伝わらないので、言語野のある左脳は左視野で見た雪景色の情報は知りません。 いっぽう、この実験では選択する絵のパネルは両方の視野で見ることができるので、左脳も右脳がシャベルを選んだことはわ
ゼミ生の突っ込みこの論文を書いた私のゼミ生の類いまれなる「突っ込み」が顔を出すのは、まさにここです。彼女は知人のつてを頼ってアリゾナ州にある某ゲーテッド・コミュニティの住民に独自のアンケートを行い、この種の排他的住宅地の「住み心地」の調査を敢行したんです。 彼女が実施したアンケート調査は、「世帯主の職業・年齢・家族構成」「コミュニティ内の施設にはどのようなものがあるか?」「このコミュニティを選んだ理由は?」「コミュニティが周辺地域と比べて安全だと思うか? それは塀とゲートがあるおかげだと思うか?」「隣人同士の付き合いはあるか?」「塀とゲートの存在がコミュニティ内の住民に一体感を与えていると思うか?」「コミュニティ内の活動に積極的に参加しているか?」「ゲーテッド・コミュニティの好きな点は? 嫌いな点は?」などの諸点を問うもので、これらのアンケートを通じて独自の一次資料を作り上げたわけ。 そし
NTT有するIOWNは「次世代の切り札」たりえるが…トランプ2.0が始まって急に世界は1930年代に逆戻りしたかのような様相を示している。共通の価値観やイデオロギーが融解させていた国家と国家の障壁が再び現実として意識される中では、もう一度日本という国家に何があるのか、この繁栄を維持し、できれば発展させるためには何が必要なのか、を考える作業が求められる。そのためにまず行うべきは、彼我を比べて、我々の何が優越しているのか、日本には何があるのか、を冷静に棚卸しする作業だろう。 そう考えた時に、幾つかあるアドバンテージのなかでも、NTTが有し、社会実装に向け動き出しているIOWNは、デジタル化された次の世界を実現していくための、切り札のような武器になる、と考えられている。 2019年に発表されたIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想だが、図1
学期末や卒業前になると噴出する「レポート・論文ってどう書いたらいいんだろう」という疑問――。 テーマをどう選べばいいか、なぜ文章が書き出せないのか、良い論文と悪い論文の決定的な違いとは、絶対やっちゃダメなこととは……新刊『 ゼロから始める 無敵のレポート・論文術 』では、指導経験豊富な大学教授が「極意」を書き尽くしている。 ※本記事は尾崎俊介『 ゼロから始める 無敵のレポート・論文術 』から抜粋・編集したものです。 ここでは私のゼミ生の卒論の中から「突っ込んだ論文」の例を一つ挙げておきましょう。 塀で囲まれた「要塞住宅地」彼女の卒論のタイトルは「アメリカのゲーテッド・コミュニティ:増加する排他的要塞住宅地」というもの。 「ゲーテッド・コミュニティ」というと、日本ではまだ馴染みの薄い言葉ではありますが、周辺一帯をぐるりと塀やフェンスで囲み、唯一の出入り口(ゲート)のところに専属の警備員を置く
残念ですが、モビリティ業界の新たな「4強」に「トヨタ」は入っていません…!これから台頭する「4社の名前」と「クルマの未来」 自動運転技術の肝は「カメラ」へこの半導体をECU(Engine Control Unit)と言うのですが、エンジンをコントロールするユニットが分散していることが既存自動車メーカーにとってSDV化に向かうための壁となってしまったのです。 そもそもガソリン車は、搭載されるエンジンが機械的には暴れ者で、強い力で振動するところを各部品メーカーの絶妙なバランスで抑え込むことで製品として成立してきました。だからECUがたくさん必要になってきた歴史があります。 それと比べてEVは、部品間のバランスをガソリン車ほど気にする必要がなかったことでECUの数が集約でき、結果的にEVメーカーが先にSDV化技術を発展させることになったのです。 中国「BYD」の台頭も著しい…Photo/gett
田口社長が口をひらいた試合のない日のサッカースタジアムは底冷えがする。 今年3月6日、「埼玉スタジアム2002(以下、埼スタ)」の4階の一室で、私は、浦和レッドダイヤモンズの田口誠社長と向き合った。 どうして埼スタを訪ねたのか、そこまでの経緯を、ざっとふり返っておこう。 埼スタでも浦和レッズの試合〔PHOTO〕Gettyimages田口氏は、2023年2月にレッズの社長に就任した。その年の秋から2024年末まで、埼スタの運営を担う「指定管理者」への応募、それにともなう運営プランの提案にクラブの最高責任者として対処してきた。昨年12月、結果的にレッズは落選し、埼玉県が所管する「公益財団法人埼玉県公園緑地協会」が代表法人で、「一般社団法人埼玉県造園業協会」と「埼玉ビルメンテナンス協同組合」が構成員の「埼玉スタジアム2002公園マネジメントネットワーク」が指定管理者に選ばれた。
チャットGPTが与えた影響そしてこの後にチャットGPTが公開され、大きな騒ぎとなるわけだが、このチャットGPTは言語の基盤モデルに対する転移学習として「人間と会話して違和感がない返答をすること」という学習を生身の人間を使ってやったものだと言われている。 ゆえに応答が人間に類似したという点を除けば、前記の問題は変わっていない。むしろ、一般人に公開されたことで様々な使い方がされ、多くの人がそれに対して人間と同じフレーバーを感じたことで、ますます人工知能の実現に精緻な論理演算なんて要らないのでは?という疑惑が高まることになった。 ある意味、前述のチューリングテストは知能の実現の有無をパフォーマンスの程度で判断しようというアプローチの元祖にして典型例だったわけだが、チャットGPTが出てきた時点で、チューリングテストで知能の実現の有無を判断しようという方針は大きくその支持を失ったように感じられる。
働く人の数はバブル期を上回っている人手不足は人口が減少しているからだと一般的には考えられがちだが、実際はそうではない。働く人の数は高度経済成長期よりもはるかに多く、バブル期も上回っている。就業者数も雇用者数も過去最多水準が続いているのだ。つまり、働く場所、仕事が増えているから人材争奪戦になって人手不足感が強まっているのだ。逆に言えば、人口減少の影響が出始めるのはこれからで、深刻な人手不足がやってくる。 総務省の労働力調査によると、就業者数の2024年の平均は、6781万人で、バブルのピークだった1989年の6128万人に比べて653万人も多い。日本の人口がピークを打った2008年の就業者数6409万人だったから、人口が減少する一方で就業者は372万人も増えたわけだ。この働き手はどこからやってきたのか。 お気づきの通り、働く女性と高齢者が増えたためである。2024年の平均で65歳以上の就業者
お金持ちになる方法について考え始めたのは30代半ばで、勤めていた出版社を辞めようと思ったのがきっかけです。その少し前に、海外投資の本をつくった縁で何人かの若い成功者と知り合いました。そんな彼らには、いくつかの共通項がありました。 シカゴの先物市場でエネルギーや農産物などの取引をして財を成した投資家は、中学生の頃に相場に興味を持ち、伝説の相場師に弟子入りして教えを請うたそうです。 神戸に住むあるお金持ちからは、高校生の時に海外送金に興味を持ち、試行錯誤しながらそのやり方を調べて、海外の銀行や証券会社に独力で口座を開いた話を聞きました。 彼らはある種のハッカーです。ゲームに攻略法があるように、市場のバグを誰よりも先に探しあてれば大きな利益が得られる。それは一種の天才で、真似するのは難しいのですが、普遍的なセオリーもあります。
卒業式シーズンもそろそろ終わる。 「同窓会で絶対会おうね!」「結婚しても歳をとってもずっと同窓会をしようね!」と友人と言葉を交わしたのはいつのことやら……。友だちも、部活の仲間もクラスメイトも大切だったけれど、日々の忙しさの中、すっかり過去のものになってしまった人もいるだろう。 photo/iStockそして、忘れたころに届く同窓会の案内。毎回欠かさず参加する人もいれば、卒業以来、一度も参加していない人もいる。20歳の節目や就職が決まった頃までは頻繁に行われてきた同窓会も、次第に回数が減り、担任の教師の定年などの出来事がない限り、行われなくなったりもする。しかし、50歳以降、再び同窓会は熱気を帯びてくることが多い。 実際に50歳の同窓会に出席して辟易してから足が遠のいていたものの「還暦の60歳同窓会」ということで、友人に強く促されて出席した同窓会でライターの太田奈緒子さんが見た光景は、10
六甲山麓の別荘地1928(昭和3)年、大阪の富商だった内藤為三郎らが国有林の払い下げを受けて開発、六甲山麓の別荘地であることから名付けられた。 山道を幅6m以上に拡張し、300坪を超える土地を1世帯あたりの標準区画とした。日本で初めて電線を地中に埋め、美観を保った。 前編記事 『日本の最高級住宅街「芦屋・六麓荘」に家を建てたい客が、不動産業者にさらりと告げる「スゴすぎる要望」』 より続く。 現在は、1区画につき400平方メートル(約120坪)以上、建造物は地上2階(地下1階)までと地区の協定で決められている。屋根や壁の色も派手にならないよう制限される。 Photo by gettyimages
「心身の不調は自律神経が原因かもしれない」「自律神経のバランスが乱れている」などとよく耳にします。そもそも、自律神経とはどのような神経なのでしょうか? 簡単に言えば「内臓の働きを調整している神経」。全身の臓器とつながり、身体の内部環境を守っています。自律神経に関わる歴史的な研究を辿りながら、交感神経・副交感神経の仕組みや新たに発見された「第三の自律神経」の働きまで、丁寧に解説していきます。 *本記事は『自律神経の科学 「身体が整う」とはどういうことか』を抜粋・再編集したものです。 自律神経の電気活動をみてみよう東京都老人総合研究所(現・東京都健康長寿医療センター)で研究していた頃の佐藤のデータをもとに、実際の交感神経の電気活動をみてみましょう。 図3−5をご覧ください。麻酔したネズミの腹部の皮膚をブラシでさすったり、ピンセットでつまんだりすると、胃の動きが一時的に抑えられます(図3−5上)
価値観が移り変わる激動の時代だからこそ、いま、私たちの「当たり前」を根本から問い直すことが求められています。 法哲学者・住吉雅美さんが、常識を揺さぶる「答えのない問い」について、ユーモアを交えながら考えます。 ※本記事は住吉雅美『あぶない法哲学』(講談社現代新書)から抜粋・編集したものです。 殺人的豪雨の中でも登校する大学生上から命ぜられたことをただ守る。「法律だから」「規則だから」「政府が言うから」という理由で何も考えずにひたすら守る。それは、保身のために思考を止め、ただ多数派の群れの中にいたい、そして支配されていたい、その結果何が起ころうと自分は責任を負いたくないという心根の表れである。 しかし、命令を下した権力者や法律は、自分らに忠実なそういう人々がどうなろうと知ったことではない。 結局、法律や規則、命令と向き合って、それに従うことによってどういうことが起こるのか、それが良いことなの
100万部のベストセラー小説『時の輝き』や『アナトゥール星伝』で知られる小説家で漫画家の折原みとさん。 2018年には「 飲食店経営に手を出して、ズバリ「地獄にはまった」漫画家の話 」という記事が大バズリした。本業があったゆえに「痛すぎる勉強」で終わったが、その体験から噂が広まったのか、検索エンジンで「折原みと」と検索すると「自己破産」と出てくることにも困っていた(その時の体験も「 ネットの「自己破産デマ」で大迷惑を被った漫画家の悲劇 」という記事にまとまっている)。 2018年1月に公開したこの記事は大バズリ!今年で漫画家デビュー40年。20代の頃は中目黒に住み、昼夜ないような忙しさで仕事をしていた。30代になってからずっと憧れだった犬との暮らしを逗子でスタート。現在は3代目のパートナーである、ゴールデンリトリバーのハルちゃんと暮らしている。そして仕事のかたわら、防災士の資格を取ったり、
使用者全員の認知機能が改善「以前は大声を出したり暴れたりしていた人が、落ち着いて生活できるようになった」 そう驚くのは、東京都国立市にある介護老人保健施設「国立あおやぎ苑」で施設長を務める脳神経外科医・老年内科医の武田行広氏だ。 この施設では1年以上前から認知症の予防や治療に効果が期待されているスピーカー「kikippa」を実証研究として導入している。 スピーカーの詳細は後述するとして、まずは実証研究の内容から見ていきたい。武田氏が解説する。 「施設内のアルツハイマー型認知症と診断された25名と、診断は受けていないものの認知機能の低下している31名を対象として、比較検証を行いました。 認知症と診断されている25名の方が利用する共有スペースの大型テレビにkikippaを接続し、朝9時から夕方6時までの9時間、スピーカーを通した音を流し続けました。実際にスピーカーの音を聴いているのは平均して1
学期末や卒業前になると噴出する「レポート・論文ってどう書いたらいいんだろう」という疑問――。 テーマをどう選べばいいか、なぜ文章が書き出せないのか、良い論文と悪い論文の決定的な違いとは、絶対やっちゃダメなこととは……新刊『ゼロから始める 無敵のレポート・論文術』では、指導経験豊富な大学教授が「極意」を書き尽くしている。 ※本記事は尾崎俊介『ゼロから始める 無敵のレポート・論文術』から抜粋・編集したものです。 コーヒーブレイク3 執念の資料集めこれまで長い間論文指導をしてきた中で、こと資料集めに関して一番すごいと思ったのは、「アメリカ田園墓地運動とその変遷」という卒論を書いたゼミ生の頑張りです。 彼女の卒論にまつわる思い出は多いのですが、まず度肝を抜かれたのは、卒論のテーマ決めをしている最中のこと。そのとき、「とにかくね、あなたにとって一番興味のあることについて卒論を書くのがいいよ。ところで
3月21日「世界ダウン症の日」にある広告が2月19日に配信されたニュースリリースで、三重大学が「ダウン症候群の人の細胞から余分な21番染色体を除去 」する研究を発表したことから、そのリリースを使った多くのニュース記事が出された。 そんなニュース報道を受け、2月20日朝、Xにひとつの ポスト が投稿された。 “三重大学の研究チームは、ダウン症の原因となる染色体を除去できると発表した。出生前診断にまつわる『産む・産まない』の議論に『治療する』という新しい選択肢を提示する未来が生まれるかもしれない。障害のある人がいない世界は、社会の前進なのだろうか、モヤる。” これは、「異彩を放つ作家とともに、新しい文化をつくるクリエイティブカンパニー」ヘラルボニーのCo-CEO、松田崇弥さんと文登さんによるポストだ。ちなみに、このポストののち、 日本ダウン症協会から送られた申し入れ書に対して三重大学はすぐに謝
トランプ大統領で注目される新しいモンロー・ドクトリンモンロー・ドクトリンへの関心が高まっている。理由は、トランプ大統領である。就任以来、次々と独自の政策の方向性を打ち出している。巷では支離滅裂という評判もあるが、思想的な背景への関心も絶えない。 PHOTO by Gettyimages 私自身は、トランプ第一期政権のときに、アメリカの政治外交思想に根深く存在するモンロー・ドクトリンをふまえた上で、トランプ大統領を論じたほうがいい、といったことをよく述べていた。 第一期政権時に、トランプ大統領が自らの執務室に飾っていたのは、第七代米国大統領アンドリュー・ジャクソン(在職1829年~1837年)の肖像画だった。ジャクソニアン・デモクラシーと呼ばれた大衆的人気で知られる同大統領は、モンロー・ドクトリンの起源となった宣言を出したジェイムズ・モンロー大統領と、その際に国務長官を務めていてから大統領に
10年続けても物価は上がらなかったPhoto by gettyimages銀行業界では「ブタ積み」と呼ばれるお金の使い方がある。 要は、役に立たない残高や資金のことだ。 この典型が、異次元金融緩和時代に膨張した日銀に預けるように義務付けられている法定準備預金額を上回って、日銀当座預金に置かれている超過準備だろう。 量的金融緩和が本格化してからは超過準備にも利息が付くようになったが、それでも日銀が供給した資金が世の中で流通することなく日銀に積まれているだけでは何の役に立たなかったのは間違いない。 日銀は今になって、黒田バズーカ、すなわち黒田東彦前日銀総裁のもと行われた異次元金融緩和が、デフレではない状況を実現したと胸を張っているようだが、10年間続けても物価が上がらなかったのだから、その説明は通らない。 ここ数年、確かに物価は上がっている。しかし、それは、異次元緩和の効果が出たわけではない。
浦和レッズと埼玉県が、埼玉スタジアムをめぐって「暗闘」を繰り広げている——。 ノンフィクション作家の山岡淳一郎氏がその暗闘の内実を、【第一回の記事】「「浦和レッズ」と「埼玉県」が繰り広げる「暗闘」の驚くべき実態…サッカーの聖地・埼玉スタジアムをめぐって「いま起きていること」」でレポートした。 以下では、山岡氏がさらにその深奥に踏み込んでいく。 県議からのメール浦和レッズのホームスタジアム「埼玉スタジアム2002(以下、埼スタ)」の指定管理をめぐって、スタジアムの所有者である埼玉県とレッズの間に亀裂が入っている。 前回の記事でレポートした経緯を振り返っておこう。 埼玉県は昨年12年、指定管理者の公募・選定で、レッズを落とし、県が所管する「公益財団法人埼玉県公園緑地協会」を代表法人、「一般社団法人埼玉県造園業協会」と「埼玉ビルメンテナンス協同組合」を構成員とする「埼玉スタジアム2002公園マネ
「聖地」をめぐる暗闘3月20日、「埼玉スタジアム2002(以下、埼スタ)」でサッカーの日本代表対バーレーン代表の試合が行なわれ、日本が2対0で勝ち、8回連続のワールドカップ出場を決めた。6万人の観客が詰めかけた埼スタは、日本の勝利で興奮のるつぼと化した。 埼スタは陸上トラックがなく、観客が間近で選手を見られるサッカー専用スタジアムだ。Jリーグ一の人気チーム「浦和レッズ」のホームスタジアムとしても知られており、レッズは年間20ほどのホームゲームを、ここで戦う。 ところが、この「サッカーの聖地」ともいわれる埼スタの運営・管理をめぐって、スタジアムの所有者である埼玉県とレッズが“暗闘”をくり広げているのだ。 本来なら協力関係にあるべき二者のあいだで、いったいなにが起きているのか。
およそ600年ものあいだ「世界史の中心」に君臨していたオスマン帝国。多民族・多宗教の大帝国は、いかに栄え、そして滅びたのでしょうか。 3月21日発売の『オスマン帝国全史』(講談社現代新書)著者・宮下遼さんが、「オスマン帝国」600年の歴史のなかで「ここが面白い!」というポイントを解説します。 1つは15世紀半ばから16世紀半ばにかけてのおおよそ100年弱の期間です。この時代はコンスタンティノポリス征服、マムルーク朝の征服、ウィーン包囲などの征服事業によって彩られています。 この時代の彼らはローマ帝国の都イスタンブール、イスラーム教徒最初の王朝ウマイヤ朝の古都ダマスカス、史上最大のイスラーム帝国アッバース朝の平安の都バグダード、そして当時の地中海随一の大都会カイロという大都市のすべてを支配しました。これはかつていかなるイスラーム王朝も成し遂げられなかった偉業でした。 この時期、オスマン帝国は
日本中の注目を集めているといっても過言ではない国民民主党党首・玉木雄一郎氏。スキャンダル報道を受け一時役職停止処分を受けていた氏が、参院選を前に完全復活。決意を新たにしたタイミングで、自身の生い立ちから党誕生、政策の核心までを余すところなく語り尽くした『「手取りを増やす政治」が日本を変える』が発売された。今後のキーマンの本音を読み解くため、本書の冒頭部分を特別公開する。 わずか15人での船出2024年10月27日投開票の衆議院議員総選挙で、選挙前7議席だった国民民主党は4倍増の28議席(小選挙区11人、比例区17人)を獲得しました。選挙後、国民民主党が政治状況のキャスティングボートを握ることができたのは、ひとえに国民の皆さんのおかげです。私たちはこれからも、国民の皆さんと約束した政策の実現にひたすら邁進する所存です。 まず始めに、今日に至る国民民主党の歩みを説明します。17年の衆院選前に、
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