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人間と人間でないものを分かつ一線、そして「エンパシー」について 2025.04.22 Updated by yomoyomo on April 22, 2025, 12:13 pm JST 『利己的な遺伝子』や『神は妄想である』などの著作で知られる進化生物学者のリチャード・ドーキンスが、AIの意識に関してChatGPTと行った対話を少し前に公開しています。 ChatGPTはチューリング・テストに合格しているにもかかわらず、自身に意識があるのを否定するが、チューリング・テストは無効な基準なのか? とドーキンスがまずジャブを繰り出すと、チューリング・テストは飽くまで会話能力や機能的知能を評価するものであって意識のテストではない、とChatGPTは卒なく答えます。たとえチューリング・テストに合格できても、AIには主観的な経験や感情、人間のような自己認識はないというのです。 ドーキンスとChatG
初回の車検時、ブレーキとドアに異音がすることを伝えると、部品を交換してもらえることになりました。部品を取り寄せてもらい、交換のため1日入院する間、提案された代車が同じ三菱自動車の「ミニキャブバン」でした。 「宅配などで使うような車なのですが、よろしいでしょうか?」というディーラーの担当者の言葉に、ちょっとだけ考えて「いいですよ」と返事をしました。今考えると、この言葉がちょっとした冒険の始まりだったのだと思います。旅の途中で偶然見付けた見知らぬ乗り物に乗るような気持ちで、割とワクワクしながら、車の入院当日を待ちわびていました。 見た目オートマ、中身マニュアルという衝撃 当日の朝、アウトランダーPHEVを預け、代車について軽く説明を受けます。お借りしたミニキャブバンは、恐らく「6代目」で日本郵政が配達に使っているEV軽バン「ミニキャブMiEV」のベースにもなっている車です。 面白いことにシフト
いま、物理的な本を売る価値 2025.04.09 Updated by Ryo Shimizu on April 9, 2025, 17:02 pm JST 昼飯を食べに神田まで足を伸ばしたついでに、神保町まで行くことにした。 実は、神保町でひとつ本屋をやっている。 といっても、僕の「店」は、本棚の棚一つ分しかない。 ちょうど在庫が切れ始めていたので、ここいらで在庫を補充しておこうと思った。 ここはPassage by All Reviewという店。一つ一つの棚を月額で会員に貸し出している。 古本もあれば新刊もある。 新刊を注文して売ることもできる(から本屋といえば本屋)が、自分の手元にある古本を売ることもできる。 なんなら、同人誌も置ける。 自由なのだ。 今年の僕は、二ヶ月に一冊程度のペースで同人誌の新刊を出すことを目標にしている。 既に4月だが、こないだ新刊を上梓したので、いまのところ
80点の文章の書き方 2025.04.03 Updated by Ryo Shimizu on April 3, 2025, 09:47 am JST 最近、よく知らない人から「文章うまいですね」と言われる。 それはサッカー選手に「サッカー上手いですね」と言うようなものだ。僕は16歳の頃から商業誌で文章を書いてる。散々鍛えられたし、普通の人とは異なる訓練を積んできた。 大概、そう言うことを言ってくる人は、自分で同人誌を書いているか、Webのライターをやっているかで、要は文章に多少なりとも気を使って生きているひとだろう。ただ、何も僕のメインのフィールドと関わることがなかったので、僕が売文業を始めてもう35年のキャリアであることを知らないのだろう。35年もやってりゃ、上手くならないほうが難しい。 だが、今は媒体にそう言うタイプの「ライターを育てる力」そのものが喪失してきている。昔は、編集者とい
ポイント・オブ・ノーリターン:プログラミング、AGI、アメリカ 2025.03.26 Updated by yomoyomo on March 26, 2025, 00:00 am JST オライリー・メディアのコンテンツ戦略担当バイスプレジデントを務めるマイク・ルキダスは、以前よりプログラミングの未来について文章を書いており、ワタシもそれをフォローしてきました。 2019年5月には、プログラミング・ツールに関し、我々は未だ「パンチカード」を使っているようなものだと不満を表明した上で、「配管工」にたとえられる「ブルーカラー」のプログラマーにとってのプログラミングが、もっと視覚的なものになるべきと論じていますが、その背景には人工知能のコード作成機能がそうしたグラフィカル化を実現してくれるのではという期待がありました。 そして、この年の末には、ソフトウエアはニューラルネットワークの重み付けとし
教育とは、「人類の未来を設計すること」である 2025.03.15 Updated by Ryo Shimizu on March 15, 2025, 12:43 pm JST 筆者はよく「子供たちへのプログラミング教育に熱心ですね。お子さんが好きなんですね」と誤解されることが多い。 実際には基本的に子供は苦手だ。直接子供と話をするとあたまがクラクラするし疲れる。子供の相手はできるだけAIにやってもらいたいと考えている。 なぜ子供向けのプログラミング教育にエネルギーを割いているのかと言うと、それが人類の未来に直接的に関与する唯一の方法だからだ。 筆者は自分の人生に興味がない。自分はもうやりたいことはやった。これから先もやりたいことをやり続けていくつもりだが、その「やりたいこと」のうち最大のものが、「人類の未来の設計」なのだ。 人類の未来に関与しないことなどどうでもいい。 贅沢な食事をとるこ
Vibeコーディングの時代 / コードを一切書かずにプログラミングする 2025.03.12 Updated by Ryo Shimizu on March 12, 2025, 11:44 am JST vibe coding(バイブ・コーディング)という用語が初めて世間に広く認識されたのは、2025年2月のことだ。多くの業界関係者がAIによるコード生成の可能性に驚嘆する中、筆者が注目したのは、著名なAI研究者でありかつ元Tesla AIディレクターであるAndrej Karpathy氏が、SNS上で「vibe coding」と銘打った発言であった。Karpathy氏は、従来の一行ずつコードを書く開発手法に対し、自然言語による指示でAIが必要なコードを即座に生成する―まさに音楽の即興演奏のような「共鳴」する開発スタイルを提唱している。 https://x.com/karpathy/stat
やはりSakanaは釣りだった!?Sakana.aiが発表した論文が海外のAI研究者コミュニティで炎上 2025.02.21 Updated by Ryo Shimizu on February 21, 2025, 15:59 pm JST ついにやらかしてしまったか。 数多くの日本企業から高い評価を受け、資金調達をしてきたSakana.aiは、登場した当時はヒーローだった。 まるで学術的な意味のない面白論文と面白実装を次々と発表する様は、「ロックだなー」と、ある種、ファンの目線で彼らをみていた。 「面白い論文」と「学術的に価値や評価が高い」論文というのは全く違って、最初、Sakana.aiが進化計算の論文を出した時は、クールなジョーク論文だと思っていた。 論文偏重主義に一石を投じ、中身の読めない人をからかうかのような姿勢はトリックスター的な面白さがあった。 唸るような大金を集めておきなが
生成されたAIビジネス、OpenAIと「AGIというナラティブ」 2025.02.18 Updated by yomoyomo on February 18, 2025, 11:40 am JST AI Now Instituteは、マイクロソフトリサーチの主席研究者だったケイト・クロフォードと、Googleに所属していたメレディス・ウィテカーによって2017年に設立された、人工知能の社会的な影響を研究し、政策戦略を策定する研究機関です。ここは、ティムニット・ゲブルが設立したDAIR Institute、ダナ・ボイドが設立したData & Societyといった他の研究機関とも提携していますが、これらの研究機関の創始者が軒並み女性というところに、「先鋭化する大富豪の白人男性たち、警告する女性たち」で書いた構図が見てとれるように思います。 さて、そのAI Nowには、「テクノ楽観主義者からラ
日本酒xAIハッカソン 優勝チームのメインプログラマーは女子中学生【磯田メソッド】 2025.02.17 Updated by Ryo Shimizu on February 17, 2025, 11:57 am JST 2/15、16は、長岡市にて「日本酒xAIハッカソン」を開催していました。 協力は酒造メーカーの吉乃川、主催は長岡市。賞金5万円を競うハッカソンで、集客に苦戦した昨年と比べ、あっという間に定員に達した人気イベントとなった。 まずは吉乃川の本社がある摂田屋の醸蔵(じょうぐら)で日本酒について学ぶ 吉乃川株式会社の峰政社長自らが日本酒の歴史や構造、ペアリングなどについて解説し、参加者たちは日本酒とAIを絡めたアプリ開発の構想を膨らませた。 そこから24時間かけて、4チームでアプリ開発に取り掛かる。 翌日は、全国小中学生プログラミング大会と全国高等学校プログラミング大会の最終審
ホワイトカラーの仕事は全てハッカソン型へ移行する 2025.02.13 Updated by Ryo Shimizu on February 13, 2025, 09:31 am JST AIはもはや十分進歩してきた。これからのホワイトカラーは、ハッカソン型の仕事へ切り替えることを早晩要求されるようになるだろう。 それは仕事のプロセスがより創造的になることを意味する。創造性を持てない人は、ホワイトカラーではいられなくなる。 なぜなら、これまでのホワイトカラーの仕事の大部分は、AIで十二分に置き換え可能なものだからだ。 オフィスにおける、非創造的な仕事を列挙してみよう。 メールの整理、議事録のまとめ、契約の締結、役所との対応、給与計算、家賃の支払い、あらゆるルーティンワークと呼ばれるものに、創造性はない。 逆に創造的な仕事を考えてみると、企画や制作という仕事がある。実は接客、接遇も創造的であ
人類はAIを使いこなすことができるのか?これからの人間に最も必要な資質 2025.02.06 Updated by Ryo Shimizu on February 6, 2025, 09:05 am JST o3-miniが衝撃的である。 o1 pro modeもなかなかすごかったが、o3-miniの衝撃はそれを上回る。DeepSeekが霞むほどだ。まあすぐにキャッチアップしてくれると思うが。 o3-miniの凄さというのは、人智を超えるところにある。 例えば、超立方体という概念がある。これは、三次元の立方体という概念を四次元に拡張したものだ。 超立方体の描画は、ちょっとしたプログラマーなら誰でも書くことができる。これを書けない人を一人前のプログラマーとは呼びにくい。 超立方体はハイパーキューブとも言う。 さて、とはいえ四次元の立方体を回転させようとすると、回転軸が二軸あることに驚く。三次
DeepSeek狂奏曲 2025.01.30 Updated by Ryo Shimizu on January 30, 2025, 08:35 am JST DeepSeekという中国製のモデルが世界を席巻している。 OpenAIが有償で提供するo1より高性能だとか、OpenAIの規約に違反した方法で学習されているとか、色々あるのだが、それを噂する人々が不正確な情報に基づいてピーチクパーチクやっているだけなので基本的にメディアにはほぼ出鱈目な情報しか出ていない。 まず、整理しておきたいのは、DeepSeek(特にV3とR1)とは何か、ということだ。 DeepSeek-V3は、GPT-4o相当のAIであり、オープンウェイト(AIの学習結果=重みが公開されている)で公開されている。オープンソースではない。 DeepSeek-R1は、o1相当のAIであり、こちらもオープンウェイトで公開されてい
アーカイブの危機とメンテナンスの大事さ 2025.01.15 Updated by yomoyomo on January 15, 2025, 13:09 pm JST 無駄に長くネットで文章を書いていると、自分の中にあるネットに関する常識が、時代に合わなくなっているのに気付くことがあります。 例えば、こうした技術コラムを書くのであれば、(Googleと名前を出すたびにGoogleのトップページにリンクをはるようなやり方は過剰としても)必要に応じて他のサイトのページにリンクすべきであり、参照リンクがウェブにおける説明責任を担保し、元の文章の主張を補強するのが当然のように考えてきました。 昨年末、某セキュリティベンダーの技術ブログがいつの間にかパパ活ブログに変わっていたのに驚く投稿をしたところ、意図せずバズり、結果やじうまの杜やITmedia NEWSに取り上げられました。これはいわゆる「ド
最近、AIが長年の悩みを次々と解決してしまう 2025.01.12 Updated by Ryo Shimizu on January 12, 2025, 09:12 am JST 今日は特に強いメッセージとかはない。 ただ、正月休みの次に来た連休で、特に休んですることもない。まあすることがあるとすれば仕事くらいだ。 今日はこの後シラスの特別講義の仕事があるが、まあそれも半分は趣味みたいなもので、もっと真剣に取り組むべき仕事もいくつか抱えている。これは休みという概念がないのでまあ置いておく。 ただ、最近、OpenAI o1の正式版が出て、さらにo1 pro modeとかが出てきてしまったことで、僕の長年の悩みがどんどんなくなっていく現状について語っておきたい。 長年の悩みというと大袈裟だが、「こういうプログラムがあれば便利なのに」と思っていたようなことが、o1 pro modeに頼むと、次
フルスタックAIユーザーとAI社員で人間の仕事で残るのは社長くらいしかない 2024.12.15 Updated by Ryo Shimizu on December 15, 2024, 17:04 pm JST 予想通り、今月に入ってOpenAIが怒涛のように新製品を発表し、それに呼応するかのようにGoogleがGeminiを、Tencentが動画生成AIのオープンソースを相次いで発表している。OpenAIの発表はクリスマスまで平日は毎日あるらしいので、それを追いかけるだけでも大変だ。 このまま行くと、OpenAI版ComputerUseは、おそらくAI社員のようになるだろう。月額2000ドルという噂もあるが、2000ドルとなると、経営者はいよいよ人間かAIのどちらかを選ぶという選択を迫られる。 OpenAIの作り出すAI製品群は、どれもそのほかの製品を霞ませてしまう。この領域で戦おうと
沈鬱な黒い毒と小さな希望 2024.12.13 Updated by yomoyomo on December 13, 2024, 21:49 pm JST 11月2日にニューヨーク・タイムズ紙は、わずか1パラグラフ、110ワードからなる社説を掲載しました。「あなたはドナルド・トランプを知っている。彼は指導者として不適格だ」という直截な文章で始まるその意図は極めて明快で、ドナルド・トランプはアメリカ合衆国の大統領として適任ではないのだから、彼の時代を終わらせるべく投票しよう、と訴えるものです。 この社説の特徴は、ベテランブロガーのジェイソン・コトキーが指摘するようにその平易な言葉遣いと情報密度の高さにあります。この簡潔な社説は、過去数カ月に公開されているニューヨーク・タイムズ紙の27本もの論説記事をリンクしており、それを辿ってその27本の記事をじっくり読み、社説の主張の正しさを確かめること
日本の勝ち筋は大企業信仰にある 2024.12.03 Updated by Ryo Shimizu on December 3, 2024, 08:19 am JST 先週末は軽井沢で過ごした。 と言うと、いかにも優雅に聞こえてしまうかもしれないが、仕事である。 いや、仕事であったらどれほど救われただろうか。 仕事どころではない。 「初島会議」という名前の、いかにも秘密結社めいた名前の会議が13年間行われているらしい。 その13回目の「初島会議」に登壇して欲しいと、かつてお世話になった大阪大学の栄藤先生からお声がかかり、よく話を聞かずに引き受けてしまった。 この初島会議、参加費は12万円するらしい。登壇する場合、その12万円が免除され、往復の交通費とホテル、食事などがタダになる。 スタートアップ業界でいえば、いわゆるICC方式というやつだ。 ICCは属性の近い人が集まるからまだ楽しいから良
セキュリティ人材不足と増大する脅威対応を生成AI活用で解決へ、NTT Comが新ソリューション 2024.11.21 Updated by Naohisa Iwamoto on November 21, 2024, 06:25 am JST 生成AIの活用について、さまざまな議論や実践がなされてきている。そうした中で、セキュリティの運用支援のソリューションに組み込んだ活用法が登場した。NTTコミュニケーションズ(NTT Com)が開発した「AI Advisor」がそれだ。生成AIを活用した自然言語による問い合わせでセキュリティ運用を支援する。 ランサムウエアなどのサイバー攻撃は増加し続け、これに対する防御が不可欠になっている。NTT Com ビジネスソリューション本部 ソリューションサービス部 担当部長 エバンジェリスト 城 征司氏は、対策についての現状を以下のように説明する。「リスクへの
シリコンバレーのビジネスモデルと政治哲学の出口、そして地獄と折り合いをつけること 2024.11.19 Updated by yomoyomo on November 19, 2024, 12:29 pm JST 地獄とは他人のことだ (ジャン=ポール・サルトル『出口なし』) 2024年のアメリカ合衆国大統領選挙は、ご存じの通り共和党候補のドナルド・トランプが完勝し、返り咲きを果たしました。今回の大統領選挙については、シリコンバレーを中心とした米国テック業界の動向もいろいろと話題になり、選挙結果が確定した後もそのあたりについての分析記事が出ています。最初からそれに乗っかって後出し孔明もどうかと思いますので、選挙前に書かれた目線の高い記事として、『武器化する経済 アメリカはいかにして世界経済を脅しの道具にしたのか』の邦訳があるジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院教授のヘンリー・ファ
有害な「創業者らしさ」 2024.10.16 Updated by yomoyomo on October 16, 2024, 11:49 am JST 先月、スタートアップアクセラレータのY Combinatorの共同創業者であるポール・グレアムの「創業者モード」というエッセイが大変話題になりました。 これはAirbnbの共同創業者にして最高経営責任者のブライアン・チェスキーが、Y Combinatorのイベントで行った講演に触発されて書かれたもので、原文を読みたくない人は、小林雅一氏の紹介記事などを読んでいただければと思います。 一言で言えば、創業者は企業が大きくなる過程で組織を階層化し、管理職となる人材を雇って権限を委譲するべき、という現行の企業経営の常識を疑う内容です。 優秀な人材を雇って仕事を任せるというと聞こえがいいが、現実にはそうして雇われたマネージャーの元で組織はブラックボ
任天堂の「ノン・ウェアラブル」なヘルスケア・サービス 2014.02.06 Updated by Kenji Nobukuni on February 6, 2014, 09:30 am JST 1月30日に行われた任天堂の経営方針説明会で同社の岩田社長はヘルスケア分野に注力していくことを強調した。後半の新事業のパートでは、これまで取り組んできた娯楽というものを、「QOL(クオリティー・オブ・ライフ)を楽しく向上させること」だと再定義した上で、そのプラットフォーム構築の第一ステップに「健康」分野を挙げている。 特徴的なのは、ハードウェアを含めた実現手段。他社がまずスマートフォンでのサービス提供に注目し、次にリストバンド型などのウェアラブルな機器をこぞって開発しているのを尻目に、その2段階を一足飛びに飛び越えて「ノン・ウェアラブル」というブルー・オーシャン(競合のいない世界)を目指すのだそう
OpenAI o1はすでに理解を超えている。が、別に全ての問題を解決してくれるわけではない。そしていまさらロボットを作る理由 2024.10.04 Updated by Ryo Shimizu on October 4, 2024, 01:16 am JST OpenAIが発表したo1-previewは、とても高度な数学的推論を行う大規模言語モデルだ。 最初は「数学オリンピックの問題が解ける」ことが売りだったので、数学的な問題ばかりを聞いていたが、普通に生きていて数学的問題に直面することは普通の人には少ないので、僕は「クォータニオン量子力学」とか「乱数テンソルをベースとした確率論」とか、小学生の妄想するような「A+B」みたいな二つの数学的概念を与えて、それをo1-previewがどう調理するのかを観察した。 その結果、分かったことは、「僕はo1より数学的素養がない」という当たり前のことだっ
自動運転の時代 2024.09.20 Updated by Ryo Shimizu on September 20, 2024, 05:05 am JST 今年も何度目かの世界一周に行ってきた。 世界一周と言っても、そういう名前の航空券を買っただけだ。 世界一周チケットは、いろいろな航空会社から発売されている。有名なのはスターアライアンスとワンワールドのものだろう。 どちらもかなり安く世界を一周することができる。エコノミーで50万円くらい、ビジネスで70万円くらい、ファーストでも120万円くらいだ。 何故こんなに安いのかというと、その代わりに制約が激しいからだ。 世界一周で最低5箇所で降りなければならない。西回りか東回りかどちらか一方向へしか飛ぶことはできず、航空会社によっては取れる便と取れない便がある。 また、例えばANAで世界一周航空券を買おうとすると、ANAに電話して4時間くらいは待
ジャーナリスト自身が運営する404 Mediaにみる「オルタナメディア」の可能性 2024.09.03 Updated by yomoyomo on September 3, 2024, 10:46 am JST プログラマじゃない人間がソフトウエア会社を運営しているのを見ると、サーフィンの仕方を知らない人間がサーフィンしようとしているみたいに思える。(ジョエル・スポルスキー) 2023年5月にVice Mediaが破産申請をしたのを受け、配下のオンラインメディアMotherboardの編集長だったジェイソン・コーブラー、同じくMotherboardの編集者だったサマンサ・コール、エマニュエル・メイバーグ、ジョゼフ・コックスの4人は、自分たちのメディアである404 Mediaを急遽立ち上げました。 2023年8月22日にその4人の連名で公開された「404 Mediaへようこそ」において、「
サム・アルトマンとユニバーサル・ベーシックインカムの蹉跌 2024.08.06 Updated by yomoyomo on August 6, 2024, 17:11 pm JST 先月たまたま、すべての個人に無条件でお金を支給する制度であるユニバーサル・ベーシックインカム(UBI)についての記事を続けて読んだので、今回はこの話題でいきたいと思います。 まずは、英Observer紙に掲載された「不労所得:ユニバーサル・ベーシックインカムがまもなく社会を変えるか?」ですが、ベーシックインカムという概念は斬新で新奇に思えるかもしれませんが、その歴史は1795年まで遡るという話が興味を惹きました。これはアメリカ建国の(思想的な)父と言えるトマス・ペインが、すべての成人に貧富の差を問わず「地代」を支払う「国民基金」の設立を提案したことを指していますが、興味のある方は『土地をめぐる公正』をお読みく
ChatGPTの財政危機から学ぶAI開発の問題点 Learning from ChatGPT's issues 2024.07.27 Updated by Mayumi Tanimoto on July 27, 2024, 13:31 pm JST ここ数年、AIといえばChatGPTですが、最近発表された「The Informationの報告書」はChatGPTのみならずAI開発の問題が指摘されています。 同レポートによれば、ChatGPTの開発と運用コストは約20億ドルの収益を上回っており、今年だけで約50億ドルを失う可能性があるとされています。収入源は、ユーザーから徴収するLLMのアクセス費用になりますが、開発と運用費が約70億ドルと巨額です。 まず、モデルのトレーニングに巨額の費用がかかっており、約30億ドルに達します。さらに支出のうち約40億ドルはMicrosoftのAzureク
ついに始まった大規模言語モデルの真の"民主化" 5年後の社会はどうなるか 2024.07.26 Updated by Ryo Shimizu on July 26, 2024, 14:43 pm JST Metaがついにやり遂げた。 そもそも大規模言語モデルを早い段階から熱心にやっていたのはMetaのFAIR(旧Facebook AI Research/現Foundamental AI Research)だった。会話するAIも2016年頃から公開していたし、オープンソースとして広く成果を共有していた。 Metaと名前を変えた後も、Llamaシリーズを積極的に展開するなど、機械学習コミュニティへの貢献は語り尽くせないほどだが、ついに今回、Llama3.1-405B-Instructと言う、「GPT-4」と比べても遜色ない性能のモデルの無償公開に踏み切った。 このモデルは、8ビット浮動小数点数
最適化を知らないAIコンサルタント会社 2024.07.13 Updated by Ryo Shimizu on July 13, 2024, 09:43 am JST 昨日、知人から急に「会いたい」と言われたのでまあ時間もあったし相手もゴールデン街に来てるというので会いに行った。 すると見知らぬ人物を伴っていた。別にそれはいい。 彼はとあるコンサルティングファームで、AI戦略リーダーという要職にあると自己紹介した。というか名刺にそのように書いてあった。 知人・・・ややこしいので門間(仮名)とするが、門間氏はもともとデザイナーで、動画編集などをするAIが好きなクリエイターで、彼が連れてきたAI戦略リーダーは彼の会社とは何の関係もない人で、山本(仮名)と言った。 門間氏は、面白いくらい鬱陶しいのが特徴で、そこが彼の魅力なのだが、そもそもデザイナーなのでコンピュータの基礎的なことを全く理解して
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