インターネットが理想とした自由で公平な分散型社会。ところが今や、中央集権社会を促してしまっている――。さくらインターネット社長の田中邦裕さんはこう嘆く。自身を魅了したネットの世界を取り戻すため、データセンター事業を通じて改革に挑んでいる。たなか・くにひろ 1978年大阪府出身。京都の舞鶴工業高等専門学校4年生だった96年にさくらインターネットを創業、98年に会社設立。ソフトウェア協会会長や日本データセンター協会理事長など若くして業界のまとめ役に。政府の「AI戦略会議」構成員も務める。18歳での起業は無謀にも思えたが「チャンスは待ってくれない」。以来、後輩の起業家にも「思い立ったが吉日」と伝えている。