正倉院(奈良市)に収蔵されている「虹龍(こうりゅう)」と称される保管経緯が不明な謎の宝物の一つについて、11世紀中頃~12世紀中頃に宝庫に入ったニホンテンのミイラとみられることが宮内庁正倉院事務所の調査で分かった。ほかの虹龍はコウベモグラなどのミイラとされ、同事務所は「さまざまな要因で正倉院の宝庫内に入った動物のミイラについて、『虹龍』として一括されたようだ」としている。 虹龍は計4点あり、このうちニホンテンのミイラとされた1点は長さ23センチで、弧を描く姿などが龍を思わせる。 虹龍がいつから宝物としてあったかは定かではないが、醍醐寺(京都市伏見区)の僧侶の記録には、室町幕府の第6代将軍、足利義教が、宝庫を開けた際に虹龍とみられる「竜日干」というものを見たことが記されている。この際、雨が降っていたという。 竜日干があるために宝庫を開ける際には雨が降るという伝承があり、第3代将軍、義満が宝庫