環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への交渉参加問題が緊迫化しています。菅直人内閣は、13、14両日、横浜で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議の場で交渉参加を表明することを狙っています。急浮上してきたTPP問題とは何か、検証します。(金子豊弘、北川俊文、山田俊英) “世界の孤児に…”は国民への脅し 狙いは輸出大企業の利益 TPP推進勢力は「扉は閉まりかけている」「政治的な先送り論は許されない」(前原誠司外相)、「参加しないと日本は世界の『孤児』になる」(米倉弘昌日本経団連会長)と、APEC首脳会議を前に、“今しかない”の「大合唱」をしています。これは、日本の農業と地域を破壊するTPPへの参加を国民に押し付けるための脅しです。本当の狙いは、一部の輸出大企業の利益を確保するためのものです。 TPP参加は、もともと日本国民の願いから出発したものではなく、言い出したのは財界と