猛暑続きの近年、熱中症による死亡労働災害があとを絶たず、過酷な屋外労働での対策が急がれています。労働安全衛生を所管する厚生労働省では、猛暑時には庁舎前での警備業務を屋内で実施するようになりました。 (堤由紀子) 「厚生労働省では、警備会社に委託して入館時の警備が炎天下でおこなわれていました。あまりに過酷なため改善を求め、ようやく実現しました」 こう話すのは全労働省労働組合(全労働)の河村直樹副委員長です。 危険な環境 厚労省の調査によれば、職場における熱中症による死亡者は2013年に30人を数え、10年の47人に次ぐ多さです。過去4年間を業種別でみると建設業が44人、製造業が20人、農業と警備業が9人ずつでした。 官民問わず入り口での警備は多くの職場で行われていますが、中央省庁も含め、炎天下の危険な環境での警備が多くあります。厚労省でも、直射日光と照り返しで猛烈な暑さとなっていました。 全