「払いたいけど払えない」―。負担能力以上の支払いを求められる国民健康保険料に対し、全国各地で悲鳴が上がっています。さらなる負担増をねらう安倍自公政権。安心して医療を受けられるにはどうすべきか、総選挙で問われています。 (岩井亜紀) 札幌市厚別区の美容院で美容師として働く佐藤真理子さん(53)。月額2万1600円の国保料の負担が重く、3年以上支払いが滞っています。 パート勤務で月収が約15万円。家賃と税金などで手元に10万円も残りません。「1人で子どもを育ててきたので貯金はほとんどありません。子どもの奨学金返済もあり、国保料までまわせない」と肩を落とします。 5、6年前に胃潰瘍などを患いました。毎月の通院と薬代で4千円の支払い。「薬は欠かせないので保険証は必要です。昨年、役所で『保険料を支払わないなら保険証は出さない』と言われ、途方に暮れました」。保険料を少しずつ支払い、短期保険証を受け取っ