「あたし、ちょっと海外に行ってくる」 「いいねぇ。で、いつ帰ってくるの?」 「分かんない。とりあえず、3年かな」 海外に生活の拠点を移す日本の若者が急増している。なぜいま日本脱出なのか。 この国に希望はあるのか 『ご報告 このたび、私は日本を離れ、オーストラリアに移り住むことにしました。ついては、携帯を解約しますので、以後のご連絡先は・・・・・・』 これは30歳の本誌記者の携帯電話に、高校時代の同級生から突然、送られてきたメールだ。 日本が、少子高齢化の時代に入ったと言われて久しい。若者の人口は減少の一途を辿り、経済を支える労働力も減っている。働いて稼ぐ人間が減れば、ものを買って消費する人間も減る。構造的な不況のなかで、景気が根本的に回復していく見込みは立っていない。 ところがいま、日本の若者たちは次々と海外に生活の場を移し、現地の外国企業に就職しているという。 外務省の海外在留邦人数調査