家畜のイエイヌは祖先の野生オオカミに比べ、穀物などのでんぷんを消化吸収する働きが高いことが遺伝子解析で分かったと、スウェーデン・ウプサラ大などの欧米研究チームが23日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。 オオカミは肉食性が強いが、人類が農業を発達させて住居近くに捨てた作物や食事の残りをあさるようになったことが、家畜化される重要なきっかけの一つになった可能性があるという。 世界各地のオオカミ12匹とイエイヌ60匹のDNAを解析したところ、脳神経の発達に関連する遺伝子群が変わり、人間社会になじむようになったと考えられるほか、でんぷんの消化吸収に関連する3遺伝子の働きが高まっていることが判明した。 イエイヌがいつどこで出現したかははっきりせず、人類がオオカミの子を捕まえて見張りや狩猟を手伝わせるようになったのがきっかけとの見方もある。 イスラエルの約1万2000年前の遺跡からは人と