71回目のこの日を迎えるにあたり、2つの変化があった。 一つは記憶に新しいオバマ米大統領の広島訪問である。大統領と被爆者が抱擁しあう姿は、原爆を落とした国と落とされた国のわだかまりを少なからず解消した。 もう一つは、昨年8月の安倍晋三首相の「70年談話」に連なる外交で、その代表例はいわゆる慰安婦問題をめぐる昨年末の日韓合意である。不正常な両国関係の改善に一定の効果をもたらした。 多難な国際情勢の中で日本が生き残る上で、さきの大戦の当事者や関係国との和解、関係強化が欠かせないことは言をまたない。 ≪胸張り御霊に語れるか≫ 2つの変化は、日米同盟や日米韓の枠組みを強固にする肯定的な意味を持とう。だがそのために日本の主張、日本が譲ってはならない立場が損なわれていないか。 わが国の歴史や国民の名誉をおとしめる余地がもし残っているとすれば、真の和解や問題の解決に結び付くものではない。 国に尊い命をさ
71回目の終戦の日を迎えた。先の大戦で亡くなった310万の人々を追悼し、平和への誓いを新たにする日である。 東京・北の丸公園の日本武道館では、政府主催の全国戦没者追悼式が行われる。 昭和天皇が国民に終戦を伝えた8月15日が、日本では長く終戦記念日として定着している。 ただし、戦闘の終結が確定したのは、厳密には9月2日である。東京湾に停泊する米戦艦ミズーリ号上で、日本と連合国の代表が降伏文書に調印した。 ◆真珠湾と広島で発信を 戦艦ミズーリは現在、ハワイ・ホノルルの真珠湾に係留され、一般公開されている。近くの海底には、日本の奇襲攻撃で撃沈された戦艦アリゾナが、1100人を超える将兵とともに眠る。 「ノーモア・ヒロシマ」と叫べば、「リメンバー・パールハーバー」と反論される。「原爆投下」と「真珠湾攻撃」は、日米の不幸な歴史のトゲのような存在だ。 1997年に中国の江沢民国家主席が真珠湾を訪問した
吉永小百合さんといえば、団塊の世代のアイドルです。彼女の行動は、ある意味で戦後の「リベラル」なマスコミの縮図です。その吉永さんが朝日新聞で、「これからも初心を忘れないで原爆の被害を伝え続けたい」といっています。 原爆の悲惨な被害を伝えることは大事ですが、それだけで原爆を2度と使わないようにすることはできません。原爆を落とした加害者は誰なのか、それは何のために落とされたのか、なぜ戦争に関係のない人まで大量に殺したのか、などをきちんと追及しないと、核兵器をなくすことはできません。 広島の平和記念公園にある原爆死没者の慰霊碑には「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」と刻まれていますが、この文章には主語がありません。この碑文は日本語で書かれているので、「日本人は過ちは繰返しませぬから」と解釈するのが普通ですが、これは変ですね。 原爆を落とすことを決めたのはアメリカのトルーマン大統領ですか
原爆投下から間もない長崎の街に、「75年は生息不可能」の流言が伝わった。爆心地でアリの群れが見つかったのは爆撃から3週間後、ミミズが姿を現したのは1カ月後だったという。かの地で被爆した永井隆博士が『長崎の鐘』に記している。 ▼生命の確かな強さを示す話は半面、人々の口を伝った話の危うさをも暗示している。語り手の記憶や感情、思想信条、ときには嘘という不純物も混じり合い、事実からかけ離れてゆく。いまの日本に突きつけられている「歴史」は、必ずしも史実と同義とは言えまい。 ▼原爆の惨禍を伝える「語り部」にも、偏った思想の持ち主がいる。長崎県島原市の中学校長(59)は昨夏、生徒たちに根拠のない旧日本軍の「蛮行」を聞かせる語り部(79)を、たまりかねて制止した。資料の不確かなまま、中国や韓国の主張に沿う内容だったという。 ▼「被爆体験でもなんでもありませんでした」。校長の悲憤を、8日付の小紙九州・山口版
戦後日本が過去の誤った戦争への反省に立って再出発したことを、明確なメッセージとして打ち出さねばならない。 来週発表される戦後70年談話を巡って議論を重ねてきた21世紀構想懇談会が、安倍首相に報告書を提出した。 報告書は、戦前の失敗に学んだ戦後日本の国際協調の歩みを評価し、積極的平和主義を一層具現化していく必要性を指摘した。 その中で、日本が1931年の満州事変以後、大陸への「侵略」を拡大したと認定した。的を射た歴史認識と言える。 ◆「満州事変」が分岐点だ 一方で報告書は、「侵略」に脚注を付し、一部委員から異議が出たことも示した。国際法上「侵略」の定義が定まっていないこと、歴史的にも満州事変以後を「侵略」と断定するには異論があることなどが理由に挙げられた。 だが、歴史学者の間では、軍隊を送り込んで他国の領土や主権を侵害することが「侵略」だと定義されてきた。 その意味で、満州事変以後の行為は明
□成功体験に酔い戦略描けず 日米半導体協定は日の丸半導体の競争力を徐々にそいでいった。日本メーカーは危機感を抱きながらも世界を席巻したDRAMに安住、次の成長戦略を描けなかった。10年に及んだ日米半導体協定は平成8(1996)年に終結したが、そのとき日本メーカーはすでに世界の時流から取り残されていた。 ■第2の“終戦” 日本製半導体のダンピング輸出を防止するため、米国側が日本メーカーに求めたのはコスト構造の開示だった。米商務省はそのデータに基づき、メーカーごとの最低価格をはじき出し、各メーカーの輸出価格を決めていった。 「価格決定権が自分の側になく、自由度が完全に奪われた」。日立製作所で半導体事業を担っていた牧本次生(76)はこう振り返る。コスト構造の開示によって日本メーカーの実力は競争相手に丸裸にされた。 日本市場の開放についても、通産省(現経済産業省)は「政府にとって最重要事項」である
2013年08月15日10:00 カテゴリ日本の社会日本人論 終戦記念日に想うこと 終戦記念日近くになると必ず日本の周辺国からさまざまな声が持ち上がります。今年は特に韓国からの牽制が大きい気がします。先日の韓国議員による竹島訪問もありましたし、その少し前には慰安婦の銅像がロスアンジェルスに建ったことも話題になりました。 8月14日の韓国中央日報のコラムには安倍政権の「靖国コンプレックス」と題し、「8月15日の光復節になれば、いつも議論されるのが日本の過去の歴史反省問題だ。」という強い論調が目を引きます。この歴史反省問題という表現を見た時、中国が文化大革命の最中、「自己批判せよ」と一般市民にあらぬ嫌疑をかけ、多くの市民を死に追いやったあの攻め方と重なるものを感じます。文化大革命は一種の思想教育を国家単位で行うことで反逆者を見つけ、自己反省させ、さらし者にし、地獄まで突き落としていきました。そ
終戦の日 中韓の「反日」傾斜を憂える(8月15日付・読売社説) ◆歴史認識問題を政治に絡めるな 68回目の「終戦の日」を迎えた。 先の大戦で亡くなった人々を追悼し、戦争の惨禍が二度と繰り返されぬよう平和への誓いを新たにする日である。 今夏、旧日本海軍の戦闘機「零戦」の天才的な設計者、堀越二郎をモデルにしたアニメ映画「風立ちぬ」が話題を呼んでいる。 ◆評価された戦後の歩み 主人公は、少年時代から飛行機の美しさに憧れていた。だが、戦争が勃発し、自ら設計した零戦が特攻隊にも投入されていく。無残に破壊された無数の零戦を前に呆然(ぼうぜん)と立ち、悲しみに包まれる。そんなラストシーンが印象的だ。 この映画を通じ、戦争について改めて考えさせられた若者たちも少なくないだろう。戦争体験を決して風化させてはなるまい。 戦後、日本は昭和の戦争の反省に立って再出発し、平和裏に高度経済成長を達成した。政府開発援助
靖国の杜(もり)にはきょう、大勢の遺族らがお参りすることだろう。 境内の外では、内閣総理大臣、閣僚らによる靖国神社参拝は、外交上、歴史認識から見て是か非か、憲法に違反するか否か、をめぐる議論が今も喧(かまびす)しい。 国に命を捧(ささ)げた人々の霊は静かに追悼したい。後世の指導者がぬかずくことを憲法違反とする議論は、国民感情と乖離(かいり)している。戦後68年も経て、なお続く論争の決着を急がなければならない。 産経新聞が今春発表した「国民の憲法」要綱がその解決への道筋になることを期待したい。 ≪本紙の「要綱」で明確に≫ 違憲論はそもそも、国は「いかなる宗教的活動もしてはならない」という日本国憲法第20条3項を根拠としている。条文を厳格に解釈し、参拝はそれに抵触するとみる原理主義的な考え方だ。 しかし「いかなる宗教的活動」とは何をさすのか。どんな行為が許容され、または違反になるのか。この曖昧
何年か前、産経新聞が読者から「8月15日」の思い出を募った。すると昭和天皇のラジオによる「終戦の詔(みことのり)」いわゆる玉音放送の聞き取りにくさをあげた人が圧倒的に多かった。ラジオの雑音のせいだが、文語調だったこともあり「詔」をすぐに理解できた人は少なかった。 ▼それでも後半の「堪へ難きを堪へ忍び難きを忍び」のところで、大半の人は「敗戦」を悟ったのだそうだ。今CDでその部分を聞いてみると「堪へ難きを」と「堪へ」との間に少し「間」がある。昭和天皇がここで、万感胸に迫る思いを持たれたようにも聞こえる。 ▼一方で「終戦の詔」について「国民に対し忍耐を強いるだけで謝罪がない」という批判があった。だが近現代史家、古川隆久氏は著書『昭和天皇』で、これに反論する。「国民の犠牲に対する尋常ならぬ思いが表現されているのは明らかである」と言うのだ。 ▼それは戦争で亡くなった人やその遺族らに対し「五内(ごだい
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