またか、である。 茨城県東海村にある加速器実験施設「J-PARC」で放射性物質の漏洩(ろうえい)事故があり、少なくとも30人が被曝(ひばく)していたことが確認された。 J-PARCは、日本原子力研究開発機構と高エネルギー加速器研究機構が共同運営する。 原子力機構は、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の点検漏れで安全管理意識が欠如した組織の体質が厳しく問われ、理事長が辞任したばかりだ。放射性物質を扱っていながら、その自覚が欠如していると言うしかない。 今回の事故は、光速近くまで加速した陽子を金に照射し、発生する素粒子を調べる実験で起きた。陽子を制御する機器の誤作動で通常の400倍の陽子ビームが生じ、想定を超える放射性物質が放出されたらしい。 被曝線量は1・7~0・1ミリシーベルトで、CTスキャンを受けた場合の放射線量(約7ミリシーベルト)よりも低いレベルではある。問題は事故の軽重では
B787再開へ 安全最優先で世界の空を飛べ(4月26日付・読売社説) 出火トラブルで運航を停止されていた最新鋭の米ボーイング787型機が再び、世界の空を飛ぶ見通しになった。 なにより最優先すべきは安全運航だ。揺らいだ信頼を取り戻す必要がある。 米航空当局は運航停止命令を解除し、国土交通省も同様に解除する。これを受けて、全日本空輸と日本航空は6月にも国内線と国際線の営業運航を始める。 787は今年1月、米ボストンの空港で日航機のバッテリーから出火した。全日空機でも同月、バッテリーから煙が出て、高松空港に緊急着陸した。 相次ぐトラブルを重視した米連邦航空局(FAA)は、34年ぶりに停止命令に踏み切った。世界の航空会社8社が合わせて約50機の787の運航を一斉に見合わせたのは、異例の事態である。 航空当局が約3か月半ぶりに運航再開を認めるのは、ボーイングが、問題となったバッテリーの設計を変更する
トラブルが続いていた最新鋭の中型旅客機ボーイング787型機が、今度は機器が異常を示して緊急着陸し、乗客がシューターで脱出する騒ぎを起こした。 国土交通省が事故につながりかねない「重大インシデント」に認定し、本格調査に乗り出したのは当然だ。日米の航空当局は連携して原因を解明し、安全を守り抜いてほしい。 山口宇部空港から羽田に向かう全日空機が、離陸直後からバッテリー関係の不具合を示し、途中の高松空港に着陸した。不慣れな脱出によるけが人も出た。 B787機は今月だけでも、日本航空機も含め、日本や米国で計7件ものトラブルを起こしている。米連邦航空局(FAA)も、機体の設計や製造の過程を含めた包括的調査に乗り出した。 航空業界では、新しい機体を導入した初期には不具合が相次ぐことが多い。燃料漏れや出火など、これまで発生した787のトラブルは単純で、すぐ改善できるものかもしれない。 しかし、大きな事故が
悲劇は中国に舞台を移し、繰り返された。河北省の万里の長城付近で日本人旅行客が吹雪で遭難し、3人が死亡した。 ツアーを主催した東京の旅行会社「アミューズトラベル」は、平成21年に北海道・トムラウシ山で登山客ら8人が凍死したツアーを企画していた。反省はまったく生かされなかったことになる。 参加者の人命を預かる旅行会社のあり方や、観光庁の指導が十分だったのかなど、悲惨な事故を繰り返さないための検証を徹底する必要がある。 亡くなった3人を含む4人が参加したのは、7日間かけて万里の長城をめぐるツアーだった。6日目の3日夜に52年ぶりという大雪に見舞われ、遭難した。 アミューズ社は現地を下見したこともなく、天候や旅程強行の判断を中国人の添乗員と現地ガイドに任せきりにし、定時連絡も行っていなかった。携帯電話に頼った遭難後の現地との連絡もおぼつかない状況が続いた。 トムラウシ山の事故でも悪天候の中でツアー
梅雨入りで食中毒が心配な季節に入ったが、実は、生ものであっても加熱処理することなく食品の内部まで均一に細菌や寄生虫を殺せる方法がある。「放射線照射」といって適量の放射線を当てて消毒するやり方だ。 7月から厚生労働省が飲食店での提供を禁止する牛の生レバー(肝臓)も、放射線の性質を上手に利用すれば、高齢者や幼児も安心して食べられるようになるという。 放射線による消毒の安全性については、世界保健機関(WHO)や国際原子力機関(IAEA)が「問題ない」と評価している。厚労省は、放射線のリスクばかりでなく、こうした放射線利用の有用性についても、国民の理解を求めていく必要があるだろう。 一部消費者のレバ刺し人気は強く、「食べる食べないを国が禁止するのはおかしい」と、食文化の観点から問題視する声もある。内部から強毒性の腸管出血性大腸菌O157が見つかったことが今回の禁止につながったが、この方法なら、ユッ
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