今週のEconomist誌の特集は国家資本主義。ここでも指摘しているが、国家資本主義の元祖はオランダやイギリスなどが17世紀に始めた東インド会社である。アリギもいうように、国家と一体になって植民地から搾取した富によって建設されたのが西洋の資本主義であり、彼らに中国やロシアを批判する資格はない。 新興国で国家資本主義が成功し、先進国の脅威になっていることは事実だが、そのどこまでが国営企業であることによるものかは自明ではない。中国の国有企業が急成長している最大の原因は、中国市場を独占して先進国の技術と低賃金労働を使えることで、民間企業がやればもっと効率が高いという研究もある。 経済学的に考えると、国有化しなくても規制によって私企業をコントロールできるので、国営企業にメリットがあるのは政府の投資に意味がある場合に限られる。通信やエネルギーなど大規模な長期投資が必要なインフラ事業は、民間ではリスク
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