参院選が始まる前まで、大きな争点のひとつになるとみられていたのが憲法改正問題である。だが、選挙戦ではそれほどの盛り上がりをみせていない。 衆院ではすでに憲法改正を掲げる政党の所属議員数が憲法改正の発議に必要な総定数の3分の2を超えている。参院はまだ届いていないが、今回の選挙結果しだいで超える可能性がある。 憲法改正には、国会の発議後に国民投票での過半数の賛成も必要である。ただ、これまで発議すら夢のまた夢だったことを考えれば、今回の参院選のもつ意味は大きい。しかし、現状はお寒いかぎり。原因は改憲派、護憲派双方にある。 まず護憲派だが、憲法を守りたいと思うあまりに主張に飛躍がある。たとえば、5日に産経新聞のインタビューに応じた社民党の福島瑞穂党首は、自民党が憲法96条を改正して改憲の発議要件を衆参両院の「3分の2以上」から「過半数」へと緩和すべきだと主張していることに対して次のように反論してい