政府の要請を受けて中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)が運転を停止してから、14日で1年を迎える。政府は当初「再稼働までおおむね2年」と見込んでいたが、建設中の防波壁を上回る津波の発生が指摘され、周辺自治体の理解も進まない。東京電力福島第1原発事故以来続いた原子力行政の「不手際」も相まって、再稼働へのハードルは高止まりしている。(原子力取材班) ●追加工事は不可避 「この地域は30年以内にマグニチュード8規模の東海地震が発生する可能性は87%と極めて高い」 東日本大震災から約2カ月がたった昨年5月6日。菅直人首相(当時)が突如、中部電に同原発の運転停止を要請したのが、混乱の始まりだった。 当初、菅氏は万全な津波対策を再稼働の条件とし、中部電は津波対策に着手した。海側の防波壁は、東京電力福島第1原発の津波高15メートルを考慮し海抜18メートルの高さに設定。今年12月の完成を目指し建設している。