安倍晋三首相が行った所信表明演説の最大の特徴は、「日本の未来を脅かしている数々の危機」を突破するために、世界一を目指して「国民とともに邁進(まいしん)する」と、強い決意を表明したことだ。 与野党の英知を結集させ、「強い日本を創る」とも語っている。国の総力を挙げて打開しようという姿勢こそが今、求められているものだ。 問題は、そうした決意を具体的成果に結びつける処方箋であり、それを実行する指導力である。そこが踏み込み不足であることは否めず、大きな課題といえる。 ≪「世界一目指す」を歓迎≫ 国民の関心が高い経済再生については、首相自身「最大かつ喫緊の課題」と位置づけ、演説でも最大の分量を割いた。 大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の「3本の矢」でデフレ脱却に取り組むとの持論を展開し、「必ずや『強い経済』を取り戻す」と強調した。その決意と意気込みは十分に伝わってくる。 さ