北海道白老町に建設が予定されている国立のアイヌ文化博物館(仮称)の基本計画がまとまり、文化庁が30日公表した。アイヌの人々が主体的にかかわる体制を整え、「私たちの暮らし」「私たちの歴史」といったアイヌ民族の視点を展示の柱に据えることにした。2020年の東京五輪・パラリンピック大会に合わせて開館する。 延べ床面積は8600平方メートルで、子ども向けの展示室や収蔵庫、調査・研究のためのスペースも設ける。10月から設計者を公募し、年内をめどに選考委員会で決定。再来年から建設工事を始める。 07年に国連で採択された「先住民族の権利に関する国連宣言」や翌年の国会決議を受け、政府は「民族共生の象徴となる空間」の整備を決定。博物館はその中核で、アイヌ民族の尊厳を尊重し、歴史や文化への正しい理解を促すことをめざす。 文化庁伝統文化課の神代浩課長は、「設計者の選考には、アイヌの方にも携わっていただく。建設地