あるいは、記憶力を思い浮かべる人もいる。名前が出てこない、物忘れが増える、新しいことを覚えにくくなる。 でも、老年精神医学の和田秀樹さんは、別の見方を示している。 和田さんに、『50歳の分岐点』(大和書房)という本がある。老いというと、普通は体力や記憶力を思い浮かべる。でも和田さんは、老化は感情から始まると書いている。 これには、脳の仕組みの裏づけがある。 意欲や感情をつかさどる前頭葉は、40代から50代にかけて縮み始めると言われている。物忘れの正体である海馬の衰えを実感するのは、もっと後だという。 つまり、多くの人が「老化の始まり」だと思っている記憶力の低下より先に、感情のほうが静かに錆びついていく。 老いは、弱ってから気づくのでは遅い。まだ大丈夫なうちに、どういう変化が起きるのかを知っておく。それだけで、対応はまったく変わるのだ。 身体や顔の老化には、多くの人が気づく。体重が増えた、肌