新入生が希望に胸をふくらませる春です。しかし高すぎる日本の学費は、充実した大学生活を望む若者の前に立ちふさがり、子育て世帯に過重な負担を強いています。学費問題を通して「日本の異常」に迫ります。 「何のための大学か」 「公認会計士の資格をとろう」 東京都内の私立大学に入学したとき、田原真人さん(23歳=仮名)は意欲に燃えていました。「商学部の勉強はおもしろい」。順調に簿記2級に合格しました。しかし1年目の冬に、挫折しました。 両親は自営業。1990年代のバブル崩壊後、経営が悪化しました。「大学には行くといい」。進学を後押ししてくれましたが、費用は奨学金に頼らざるをえませんでした。 大学の学費急騰 入学金と4年間の授業料で約400万円。生活費が4年分で約300万円。合わせて700万円を超す借金を背負いました。 それでも生活費は足りませんでした。居酒屋で週3~4回、午前3時か5時まで働きました。
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