最後の審判――新約聖書の黙示録。そんな言葉を思い出した。 * * * 6年前まで岩手県大船渡市にオフィスがあり、私は月に一回の出張で訪れていた。三陸地方の気候は、秋田の山ふところに住む私には一種独特で、夏のヤマセや冬の空っ風など、秋田にはない季節風はときに快適ではあったが、体調を崩すこともしばしばだった。足かけ20年近くにおよぶ定期出張は2005年3月のオフィス閉鎖により終止符を打たれたが、現地で世話になった方々との交流はいまもつづいている。 3月11日、私は宮城県の大崎市鳴子にいた。あの大きく長い揺れはただ事ではないと思ったものの、あれほどの巨大津波を引き起こすことまでは想起しなかった。だから三陸沿岸部が壊滅的な被害を受けたという報道も、電気が復旧してテレビの映像を見るまでは、絵空事に近い感覚で受け止めていたことを白状しておきたい。 テレビで上空からの陸前高田市の状況を見たとき、絶句した
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