国会のねじれが解消したと思ったら、国会の全体が民意とねじれてしまった。国会のねじれに苦しんで「決められない政治」をさらした民主党は、国民の信頼を失って大敗したのがだが、だからといって国民は「何でもいいから決めてくれ」と自民党に白紙委任したわけではなかった。そのことは、自民党が絶対得票数を減らしたなど、選挙結果を分析すれば証明できる。言わば競争相手の消失による棚ぼた式ひとり勝ちだった。 原発の継続、集団的自衛権の容認、辺野古基地の新設、日本版SNCの設立、特定秘密保護法の成立、TPPへの参加などを待望して、国民は総選挙で自民党を勝たせたのだろうか。そうではあるまい、その反対だったことは、各種の世論調査を見ればわかる。2009年の政権交代は、長期自民党政治への不信から実現したのだが、短い実験が実を結ぶ間もなく挫折したあとに、4年前を上回るリバウンドを招いてしまったのだ。こんな筈ではなかったと、