【読売新聞】 日本の創薬力強化を目指し、厚生労働省は2027年度にも、新薬開発の基礎研究から試験薬の製造、臨床試験までを一体的に実施できる拠点を整備する方針を固めた。創薬を担うスタートアップ(新興企業)を海外から呼び込み、革新的な新
日本の人口10万人あたりの医師数が10年後、先進国が主に加盟する経済協力開発機構(OECD)の平均を上回るとの推計を厚生労働省がまとめた。 医学部の定員増などで、先進国の中で低水準という長年続いた状況から抜け出す見通しとなった。地域や診療科によっては医師不足が続く可能性もあり、厚労省は夏以降に有識者会議を設け医師養成のあり方を検討する。 厚労省は、医学部の卒業生数や今後の人口推計などを基に、将来の10万人あたりの医師数を推計した。 それによると2012年の227人から20年に264人まで増え、25年には292人となり、OECDの平均(11年、加重平均)の280人を上回る見込み。その後も30年に319人、40年に379人と増加が続く。政府による医学部の入学定員の増員策や人口減少の影響が出る格好だ。
医療事故調査 機能する制度へ課題は多い(8月25日付・読売社説) 重大な医療事故を防ぐための制度となり得るだろうか。解決しなければならない懸案は多い。 病気の治療で患者が死亡した際、原因究明と再発防止を図る「医療事故調査制度」が作られることになった。 厚生労働省は、専門家による検討会が公表した報告書を基に、制度の概要を定めた医療法改正案を取りまとめる方針だ。2015年度の創設を目指す。 患者の信頼を得られる制度にすることが何より大切である。 医療事故による死者は年1300~2000人と推計される。 医療事故が起きた場合、患者側は損害賠償請求訴訟や刑事告訴など司法手続きによって原因解明を求めるのが一般的だ。 だが、裁判では医師や看護師の責任の有無に判断の力点が置かれる。必ずしも事故の教訓が再発防止に生かされていない。 新制度では、死亡事故が起きた医療機関に院内調査を義務付ける。医療機関は調査
減胎手術 生命倫理に関する議論深めよ(8月14日付・読売社説) 「生命の選別」という重い課題が突き付けられたと言えよう。放置することはできまい。 女性が双子以上の多胎児を妊娠した際、病気や異常がある胎児を選んで中絶する減胎手術が、これまでに36例行われていた。実施した長野・諏訪マタニティークリニックの根津八紘院長が公表した。 多胎妊娠は、不妊治療に伴って起きやすく、早産など母子の健康面でも危険性が高い。対策として、一部の胎児を薬で中絶し、胎児の数を減らして出産させるのが減胎手術だ。国内では根津院長が1986年に初めて実施した。 胎児の健康状態を調べる出生前診断技術の進歩が、問題の背景にある。妊娠中の超音波検査が普及し、胎児の異常を見つけやすくなった。4月には、ダウン症などの有無が血液検査でほぼ確実に分かる新型出生前診断も始まった。 出生前診断について、日本産科婦人科学会は6月、高齢妊娠など
【コタキナバル(マレーシア東部)=辻本貴啓】日本が初参加した環太平洋経済連携協定(TPP)の第18回交渉会合が25日、閉幕した。 交渉の中で、世界的な製薬会社を抱える米国が新薬の特許期間を延長するよう要求していることが現地の交渉関係筋の話で分かった。これに対し、マレーシアなどの新興国が強く反発しているほか、医療費を抑制するため、安価な後発薬の普及を進めている日本も慎重な立場で、今後の交渉の焦点の一つになりそうだ。次回会合は8月22日~30日にブルネイで開かれる。 日本は、新薬(先発薬)の特許期間を最長25年に設定している。関係筋によると、米国はTPP参加に先立つ日米事前協議で特許期間を数年程度、延ばすよう求めていたが、「同様の要求を日本以外の参加国にもすでに行っている」という。 米国の要求の背景には、米製薬業界の「特許期間が短いと企業の新薬開発意欲がなくなり、結果的に悪影響が出る」との主張
薬のネット販売 安全性と利便性両立が必要だ(6月13日付・読売社説) 移動手段が限られる障害者や高齢者、薬局のない離島・山間部の住民にとって朗報だろう。 政府は14日に閣議決定する成長戦略に、市販薬のインターネット販売の原則解禁を明記する方針だ。 一部の薬だけだったネット販売の規制が大幅に緩和される。市販薬約1万1400品目のほとんどがネットで買えるようになる。 ネット解禁による経済波及効果は未知数だが、規制改革の象徴的な意味合いがある。 今回の規制緩和の契機になったのが、今年1月の最高裁判決だ。副作用の恐れが低いとされる一部の薬を除き、ネット販売を禁止してきた厚生労働省の省令について「違法で無効」と判断した。 薬事法からは、薬剤師らによる対面販売を義務付けることは読み取れないとの理由だった。 成長戦略が、薬の安全性は「ネット販売か対面販売かを問わず合理的、客観的に検討すべきだ」と指摘する
◆医療を成長のエンジンに 医薬品と医療機器の競争力を高めよ ◆優れた研究成果を生かせ 医工連携で技術革新を ◆安全安心の日本ブランドを 高度技術で海外に打って出よう ◆産業化で地域医療を元気に 情報通信技術や特区を活用 ◆国民皆保険を堅持しよう 混合診療の拡大で新技術を促進 日本の医療には確実に危機が忍び寄っている。地域や診療科による医師の不足や偏在は深刻化したままで、急増する救急患者への対策も不十分だ。公的医療保険制度は財源不足で持続への黄信号がともっている。基礎研究の成果は医療の現場に生かされず、国民は、高い水準を誇る研究の果実を享受しきれていない。日本の医薬品と医療機器は国際競争力に乏しく、約3兆円もの貿易赤字で成長の足かせとなっている。安心で良質な医療を再構築するには何が必要か。読売新聞社は医療改革に関する5項目の提言をまとめた。医療の国際競争力を高めて成長エンジンとし、優れた研究
混合診療 適用拡大が患者の利益になる(2月22日付・読売社説) 先進的で効果のある治療であるなら、誰でも受けたい。患者の立場で、保険医療制度を改善していくべきだろう。 政府の規制改革会議が「混合診療」の適用範囲の拡大を検討課題に掲げた。 混合診療とは、公的医療保険で認められた検査や投薬とともに、保険が適用されていない治療法を併用することだ。現在は例外的にしか認められていない。 その対象は、高度がん放射線療法の重粒子線治療や、家族性アルツハイマー病の遺伝子診断など、厚生労働省が指定した約100種類にとどまる。 指定外で未承認の新しい治療を受けると、本来は保険が適用される検査や入院費用も含め全額が自己負担となってしまう。 がんや難病の患者が最先端治療に希望を託したくても、経済的理由であきらめざるを得ないケースもあるのが現状だ。 規制改革会議が混合診療の見直しを検討課題に挙げたのは、医療分野の規
iPS研究 実用化を進める法制度が要る(2月15日付・読売社説) iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った治療の実用化へ、意義ある第一歩となるだろう。 目の難病「加齢黄斑変性」をiPS細胞で治療する理化学研究所(神戸市)の臨床研究が、実施先の先端医療センター病院で承認された。 理研チームは厚生労働省に審査を申請する。承認されれば、患者で効果や安全性を確かめる臨床研究が2013年度にも始まる。 この病気は加齢に伴い、網膜細胞の一部に障害が出て視力が低下するものだ。失明の恐れもある。根本的な治療法はない。国内の患者は約70万人とされる。 今回は、傷んだ網膜に患者のiPS細胞から作った細胞シートを貼り付けて視力の回復を図る。 iPS細胞は、がん化の危険性が指摘されるが、網膜を含む目の組織はがんになりにくい。拒絶反応もほとんどない。それだけに、この病気の治療が臨床研究の先陣を切ったのだろう。 問題は
医療機器入超 承認の遅れは競争力を殺ぐ(2月5日付・読売社説) 日本の医療機器メーカーの国際競争力を強化させたい。優れた機器の普及へ、障壁を取り除く政府の役割は重要だ。 厚生労働省は、医療機器の承認や認証にかかる期間を短縮する方針を決めた。民間の認証機関に審査を任せる対象製品を拡大するため、今国会に薬事法改正案を提出する考えだ。 成長戦略を議論している政府の産業競争力会議が、規制緩和を求めたことを受けたものだ。規制改革会議でも医療はテーマになる。妥当な判断と言えよう。 日本では現在、医療機器の開発から厚労省による承認まで平均3年程度かかり、米国と比べて約2年も長い。大幅な承認遅れだ。 これが、国内メーカーの競争力を殺(そ)ぐ要因となっている。高い技術力がありながら、製品化に時間がかかり、新商品開発や市場参入に二の足を踏むからだ。 例えば、心臓ペースメーカーや人工心臓弁は海外企業に押され、ほ
健保財政悪化 医療費負担の世代格差是正を(12月25日付・読売社説) サラリーマンが加入する健康保険の財政が悪化し、保険料の上昇を招いている。高齢者医療への巨額の支出が原因だ。これ以上重い負担を現役世代に求めるのは避けるべきだ。 65歳以上の高齢者の医療費は、高齢者自身の保険料や窓口負担のほか、公費と健保組合などからの拠出金で賄われている。その拠出金が、2008年にスタートした高齢者医療制度で急増したため、多くの健保は赤字に転落した。 財政難から、健保は労使で負担する保険料を上げざるを得ない。中小企業の従業員が加入する協会けんぽでは従来の8・2%から10%に、大企業の健保組合も7%台から平均8・3%に上昇した。 団塊世代が今年から65歳にさしかかり、高齢者の医療費は今後さらに増えるだろう。保険料率は際限なく上昇する恐れがある。 企業経営の重荷になる上に、賃金の手取りが減り、景気や消費に悪影
「まちの専門家をさがせるWebガイド マイベストプロ大阪」というサイトで、「犬のアレルギー症状を改善させるプロ」と称する人がコラムを書いていた。肥満性細胞腫という犬の癌について、「抗ガン剤については、止めておかれる方が良いと思います」と書いた後に、 ■犬の癌、犬の抗ガン剤について。 - 永井三千寿 [マイベストプロ大阪] 次は、血液をサラサラにする為に、ワンちゃんの腸内環境を整えることが大切かと思います。 なぜなら、腸の絨毛で血液が造られているという千島学説に照らし合わせると、腸の働きを高めることが重要となるからです。 腸がキレイになれば、そこから巡る血液もキレイになり、全身に巡る訳ですから、身体が元気になるのは、当然のことですよね? 腸というのは、身体のど真ん中にも位置し、免疫機能を司っている大切な働きをしていますし。 ドッグフードを安心、安全な物に変え、腸の働きを高めるサプリメントを活
iPS細胞(新型万能細胞)から作った心筋細胞を患者に移植したと虚偽発表した森口尚史(ひさし)氏(48)が関与する研究プロジェクトについて、東京大学医学部付属病院側が、内閣府に提出した報告書のうち、森口氏の担当した部分をチェックしていなかったことがわかった。 プロジェクトは、臓器凍結保存やiPS細胞保存などの技術研究で、「最先端・次世代研究開発支援プログラム」の一つとして内閣府から助成金を受けている。プロジェクトの代表として、東大病院形成外科・美容外科の助教・三原誠医師(37)が実施状況の報告書を内閣府に提出し、「iPS細胞保存研究に関しては、特任研究員 森口尚史を中心として進めている」と記載。三原医師は15日、読売新聞の取材に対し、「森口氏から『ハーバード大の特許の問題があるので、先生にも話せないことがある』と言われた」とし、森口氏が担当する研究論文の内容をチェックしていなかったことを認め
東大病院は15日、英科学誌ネイチャー系の電子雑誌「サイエンティフィック・リポーツ」に森口氏が発表した2本の論文について、東大では倫理委員会への申請はなかったことを明らかにした。 今年2月に発表した肝臓がんの細胞を化学処理して変化させる手法の論文と、今年7月に発表した卵巣の凍結保存手法に関する論文の2本で、「東大の倫理委員会の承認を得た」との記述がある。 一方、この2本の論文を巡り、発行元の「ネイチャー・パブリッシング・グループ」(本社・ロンドン)は15日、森口氏の所属や倫理委員会の手続きについて調査を始めたと発表した。同グループの科学誌「ネイチャー・プロトコルズ」のサイト内に併設された自由投稿欄に森口氏が寄せた今年7月と9月の記事2本も、所属などを調査しているという。
iPS細胞(新型万能細胞)を使った心筋移植について虚偽発表をした森口尚史氏(48)は、内容に虚偽があったことを初めて認め、「研究者としての仕事をやめる」と述べた。 記者会見は13日午前10時(日本時間午後11時)から米ニューヨーク市内のホテル会議室で開かれた。日本の主要メディア各社が詰めかけ、2時間を超えても続いた。 水色のシャツにグレーのジャケット姿で現れた森口氏は当初、落ち着いた口調で報道陣の質問に答えていた。しかし、会見が始まって1時間近くたってから、米国内でiPS細胞を使った心筋移植を6件行ったとした研究発表のうち5件について、手術の事実がなかったと認め、予定していた手術だなどと弁明した。 一方、昨年6月に行ったと主張した1件の手術については、自分のものだとするパスポートの出入国記録の欄を示し、当時、米国にいたので事実だったと主張した。 しかし、執刀医や患者の名前などを示すよう求め
iPS細胞から心筋細胞を作り、重症の心臓病患者に移植したという森口尚史(ひさし)氏(48)の研究成果に疑義が生じている問題で、同氏の論文の「共同執筆者」とされる大学講師が論文の執筆に全く関与していなかったことが12日、読売新聞の調べで明らかになった。 同氏の研究成果については、米ハーバード大の当局者や複数の専門家も真実性を否定していることから、読売新聞は同日、同氏の説明は虚偽で、それに基づいた一連の記事は誤報と判断した。 大学講師が共同執筆者であることを否定しているのは、森口氏が心筋細胞の移植の研究成果をまとめたとする論文。森口氏は本紙記者に対し、この論文は「ネイチャー・プロト コルズ」誌に掲載予定と話していた。 同論文は森口氏を含む5人による共同執筆となっていたが、大学講師は同日、本紙の取材に対し、「森口氏とは約5年会っておらず、論文に名前が使われることは全く知らなかった」と語った。また
iPS細胞(新型万能細胞)から心筋の細胞を作り、患者に移植したと虚偽の発表をした森口尚史氏(48)は13日午前10時(日本時間午後11時)から、滞在先の米ニューヨークのホテルで記者会見し、今回の心筋移植の治療自体は行ったとする従来の主張を繰り返したが、その時期を大幅に修正した。 これまで今年2月に最初の治療をしたとしていたが、「去年の段階でボストンのマサチューセッツ総合病院で実施していた」と訂正、「勘違いだった」と謝罪した。 治療実施前の同病院の倫理委員会への申請については「先生にお願いした」と語ったが、「先生」の名前については「言えない」とした。同病院側は治療が行われたことを全面的に否定している。 会見場には日本の主要メディア各社が詰めかけ、森口氏は10台近くのテレビカメラの前で終始、疲れ切った様子で質疑に答えていた。
iPS細胞(新型万能細胞)の心筋移植をめぐる森口尚史(ひさし)氏(48)の研究成果に疑義が生じている問題で、米ハーバード大学当局者は日本時間の12日朝、読売新聞の取材に対し、「iPS細胞移植に関する森口氏の話はうそだと確信している」と語り、今後、同氏の全研究成果を調査する方針を明らかにした。 森口氏はハーバード大の「客員講師」を名乗っていたが、同当局者によると、同氏がハーバード大に属していたのは、1999年11月から2000年1月初旬までの1か月余りだけ。それ以降は、同大及び同大傘下のマサチューセッツ総合病院とは何の関係もなくなっているという。 また、同当局者によると、森口氏が行ったとする心筋細胞の移植のためには、同大の倫理審査委員会の同意が必要だが、それを示す記録は一切なかった。森口氏は読売新聞などの取材に対し、「同大傘下のマサチューセッツ総合病院の複数の患者に細胞移植を行った」とも話し
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