「何で自分はこういうことをしてしまうのか。どうしたらここから抜け出せるのか」−。DV(配偶者・恋人からの暴力)被害の根絶に向け、NPO法人「女性・人権支援センター ステップ」(横浜市)が加害者の側の意識変革に取り組んでいる。加害者の中には、自分の行為に悩み、あらゆる療法を試したりお祓(はら)いに行ったりするケースもあるといい、それぞれが抱える苦悩も千差万別だ。 横浜市内のマンションの一室。中立的立場の女性ファシリテーターが被害者の思いや気持ちを代弁しつつ、受講する加害者が意見交換を行う。米カリフォルニア州認定の加害者プログラムと選択理論心理学を用い、加害者が不健全な価値観や考え方に気づき、行動を変えていくための「DV加害者更生プログラム」で、ステップが平成23年から始めた。 ファシリテーターを務める栗原加代美さん(67)は、「多くのところで『DV加害者は変わらない』といわれるが、それは