中学公民教科書をめぐり、沖縄県竹富町で法律が定める採択ルールを無視した教科書が使われ続けている。これに対し、文部科学省が地方自治法に基づき、最も重い是正要求の指示を出す方針を決めた。 違法状態は2年に及んだ。公正さを求められる教科書採択のルール無視は、これ以上看過できないとの判断は妥当なものだ。 市町村の法令違反の場合、国は都道府県に対して是正要求を行うよう指示する。過去2例あるだけで教育行政では初めてという極めて重い措置だ。国が責任を持って早急に正すことが、教育への信頼につながる。 問題は一昨年夏にさかのぼる。石垣市と竹富町、与那国町の3市町の教育委員会でつくる八重山採択地区協議会は、育鵬社の教科書を選ぶ答申を出した。しかし、竹富町教委は従わず、東京書籍の教科書の採択を強行し、昨年4月から町民からの寄贈の形で使用を続けている。 これは、義務教育の小・中学校教科書を無償配布するための教科書