「福島の除染作業から排出される放射能汚染土の最終処分場の最有力候補が、鹿児島県の南大隅町である!」というニュースが8月23日の夕方、突然報道された。その2日後、25日に南大隅町役場にて「南おおすみの自然を守る会:以下、守る会」による反対集会が開催された。しかしこのような「核のゴミ」は原発事故以前からも全国に拡散していた。各地で「核のゴミ」によって引き起こされている問題に迫った。 ◆チタン鉱石から抽出野積みの「フェロシルト」 ’05年11月。愛知県瀬戸市下半田川町の住民は驚いた。雨のあと、川が突然真っ赤に流れ出したからだ。「犯人」は、源流が流れる谷間を埋め尽くした「フェロシルト」という赤茶けた汚泥状の物体だ。作ったのは、酸化チタン製造トップメーカーの石原産業(大阪市)。 酸化チタンは、冷蔵庫や洗濯機などの「白物」に欠かせない顔料の原料だ。チタン鉱石から硫酸を使いチタンを抽出すると、最終処分場