岩手県から神奈川県にかけた10都県で、例年の水準より高い値の放射性ストロンチウムが検出された。同省によると、東京電力福島第一原子力発電所事故で広がった可能性が高いという。 各都道府県では、大型の水槽に雨や風で降下したちりなどを集めて、それに含まれる放射性物質を測定している。福島第一原発事故後から昨年12月までの試料を分析したところ、岩手、秋田、山形、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川の計10都県で2000年以降の水準(1平方キロ当たり30万ベクレル)を超える値のストロンチウム90が確認された。 最も濃度が高かったのは、茨城県ひたちなか市で昨年3月1か月間に採取された同600万ベクレル。福島、宮城両県では土壌を採取した別の調査で既に放射性ストロンチウムが確認されている。同省は「検出された放射性ストロンチウムは非常に少なく、健康への影響はほぼ考慮しなくていい水準だろう」としている。