タグ

ブックマーク / katukawa.com (10)

  • 水産庁の国会答弁を徹底検証(その1) - 勝川俊雄公式サイト

    しばらくブログをお休みしている間にいろんなことがありました。 発端は、Wedgeの4月号にクロマグロに関する記事を執筆したことです。 http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4896 これまでブログに書いてきたことをまとめたような記事で、「絶滅危惧種の太平洋クロマグロには、ちゃんと卵を産ませましょう」というごく当たり前の内容です。 5月21日の参議院農水委員会で、鳥取県の舞立議員が、このWedgeの記事に関する質問を行い、水産庁長官は次のように答弁しています。 ○政府参考人(川一善君) この記事につきましては、大中型巻き網漁業による成魚、産卵をする親の魚の漁獲の一部を殊更にクローズアップをして、これが太平洋クロマグロ資源全体を危機に陥れるとの主張がなされているわけでございますけれども、私どもとしては、率直に言って公平性や科学的根拠を欠くものではないかというふ

    水産庁の国会答弁を徹底検証(その1) - 勝川俊雄公式サイト
  • 産経新聞にツッコミを入れつつ、まぐろ養殖業について、まじめに語ってみた - 勝川俊雄公式サイト

    「近大マグロ」庶民の味になるか 天然と遜色なし「ほとんど区別がつきません」 産経新聞 12月23日(日)12時0分配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121223-00000513-san-bus_all 養殖業を否定する気は無いし、マグロ養殖が持続的な産業として、発展してほしいと思っている。マグロ養殖業の現状について、正しく知ってもらうために、情報を整理してみよう。 1)タイトルと記事の内容が一致していない 「庶民の味になるか」というタイトルなのに、文には、安くなる要素が示されていない。むしろ、高止まりするという内容ばかり。産経新聞的にはどっちだと言いたいのだろうか。 ブランドの知名度も上がっており、意外と高値のままかもしれない!? 脂の乗り具合もきわめて良いことから高級」とされ、高値で取引される。 業界関係者は「有名になってきたことで取引が活

  • 勝川俊雄公式サイト - 資源管理ごっこと本物の資源管理の違い

    資源管理ごっこ(日のスケトウダラ漁業の場合) スケトウダラにはいくつかの独立した産卵群(系群)があり、そのうちのひとつが日海北部系群だ。この系群は北海道の日海側に分布しており、沿岸漁業の延縄や、沖合底引き網によって利用されている。下の図は、青い線が資源量。赤い線が漁獲割合である。1997年から、国が漁獲枠を設定して資源管理していたのだが、1997年以降も資源が直線的に減少するに従って、漁獲割合はむしろ上がっている。ブレーキをかけるどころかアクセルを踏んでいるような状態だったのだ。この資源は過去には韓国が漁獲をしていたこともあるのだが、1999年以降は日の漁獲のみ。つまり、国内漁業の規制に失敗して、自国の貴重な資源を潰してしまったのである。 漁獲圧にブレーキがかからなかったのは、2つの理由がある。ひとつは、資源の減少に応じて管理目標が下方修正されたこと。二つ目は科学者の提言を無視した

    勝川俊雄公式サイト - 資源管理ごっこと本物の資源管理の違い
  • 漁業資源と国境を守るために、日本は何をすべきなのか - 勝川俊雄公式サイト

    結局、日は何をすべきなのか? 日の国益(漁業資源と国境の維持)という観点から、未来志向で何をすべきかを整理してみよう。 優先順位が一番高いのは、日のEEZの資源管理をすることです。日の漁業が衰退している主要因は日漁船による乱獲。たとえば、スケトウダラやハタハタの例を見ればわかるように、今のまま乱獲を放置し続ければ、中国漁船がいなくても、日漁業の消滅は時間の問題です。自国の漁業管理は、完全に国内問題ですから、これが出来ていないのは政府の怠慢。日は実に幸運なことに世界第六位の広大なEEZをもち、その中に世界屈指の好漁場がすっぽり含まれている。国内漁業の規制をするだけで、太平洋・北海道の漁業の生産性は改善できる。また、日海側にしても、日のEEZでほぼ完結する資源は多い。ちゃんと手入れをすれば、自分の庭から大きな利益が期待できるのである。こんなに恵まれた国はなかなかない。たとえば

  • 日本のサメ漁は、どうして非難されているの? - 勝川俊雄公式サイト

    今回のサメキャンペーンでは、いろいろな論点がごちゃ混ぜになっている。気仙沼のサメ漁に対する非難も、人によって言っていることが、だいぶん違う。いったい、何が問題視されているかを整理してみよう。 1)種・生態系の持続性に関する問題 ヨシキリザメは準絶滅危惧種→絶滅のおそれ 高次捕者は海洋生態系で重要な役割→獲るべきではない 2)倫理的な問題 ヒレだけ獲って体を捨てるのはよくない 生きたままヒレを獲られて、もがき苦しむサメが気の毒 もったいない サメのようなすばらしい生物を殺すなんて、可哀想!! サメ漁非難の根拠は、資源・生態系の持続性に対する問題と、倫理的な問題の2つに分類できる。自然保護キャンペーンは、持続性と倫理の問題を並べて広げてくる場合が多いのだけど、論点をきちっと分けた上で、議論をしないといけない。 持続性について 持続性を無視して、絶滅するまで獲って良いという人は、ほとんどいない

  • 資源回復計画が予想通り破たんして、青森県のイカナゴが禁漁となった - 勝川俊雄公式サイト

    青森県でイカナゴが禁漁となった。この背景について、考えてみよう。 毎日新聞: イカナゴ:全面禁漁へ 春の味覚、乱獲で激減 陸奥湾6漁協、特定魚では初 /青森 陸奥湾でとれる春の味覚「イカナゴ(コウナゴ)」が乱獲などで激減していることを受け、県と湾内6漁協は今春から、全面禁漁することで合意した。当面、禁漁期間は定めないまま資源量の回復を待つ。 昨年の湾内の資源量は1000万匹以下とみられ、県は3億匹まで回復させることを目指す。 湾内でのイカナゴの漁獲量は73年の約1万1745トンをピークに減少が続き、昨年は約1トンまで落ち込んだ。漁獲金額も77年の約11億円から昨年は約40万円に減っている。海水温の低下でイカナゴが育ちにくくなったことや乱獲が原因とみられる。 http://mainichi.jp/area/aomori/news/20130214ddlk02040018000c.html

  • プロレスには飽きただよ - 勝川俊雄公式サイト

    は商業捕鯨再開を気で目指しているとは思えない。 米国の反対を押し切って、商業捕鯨を再開するというのであれば、 捕鯨国のアイスランド、ノルウェーと共同戦線を張る必要がある。 下関までは、日はこの路線を目指していると思っていた。 その後の、グダグダな展開をみると、どうもそうではないようだ。 日は鯨肉の輸入をしないことで、同盟関係を破棄しようとしている。 逆に、強硬路線はとらないということであれば、 捕鯨再開は国際世論の変化を待ってからと言うことになる。 国際世論の変化を促すためにも、 風当たりの強い調査捕鯨を続けるべきではない。 ホエールウォッチングのシンボルであるザトウクジラをわざわざ公海で獲って、 反捕鯨陣営を挑発するのは百害あって一利無しだろう。 日は、捕鯨陣営からも、反捕鯨陣営からも、孤立しつつある。 こういう中でのIWC脱退の示唆は、1933年の国際連盟脱退を彷彿させる。

  • 欧州の食文化を破壊する日本の魚食 その1 - 勝川俊雄公式サイト

    ヨーロッパウナギはどうなったか? 過去にワシントン条約で規制されたヨーロッパウナギの事例を振り返ってみよう。ヨーロッパウナギは、2007年から、ワシントン条約の付属書IIで規制されている。そのときも、日メディアは、卓の危機・文化の危機などと騒ぎ立てたのだが、いざ規制が始まると、全く情報が途絶えてしまった。その後のことを知っている日人はほとんどいないだろう。 ヨーロッパウナギは、今も全く回復していない。EUの管理の下で、漁獲は厳しく制限されているが、回復のめどは立っていない。水産資源は減らしすぎると、回復能力が著しく失われることが知られている。ある程度以上減らしすぎると、たとえ禁漁に近い措置を執っても、資源が回復しなくなるのである。ヨーロッパウナギ資源が回復するのに、数十年かかるのか、数百年なのかはわからない。もしかすると、回復しないかもしれない。 破壊されたスペインの伝統文化

  • 書評:スウェーデンは放射能汚染からどう社会を守っているのか - 勝川俊雄公式サイト

    実践マニュアル スウェーデンは放射能汚染からどう社会を守っているのか アマゾンは品切れだけど、他の店には在庫があるみたいです。出版元から確認できます→こちら チェルノブイリ事故を経験したスウェーデンは、どのような放射線防護をしているのかは気になるところだ。書は、スウェーデン防衛研究所を中心に、農業庁、農業大学、品庁、放射線安全庁が協力して作成した「プロジェクト・どのように放射能汚染から料を守るか」(1997~2000年)の報告書の翻訳であり、オリジナルのスウェーデン語の報告書はここ。 結論から言うと、超お勧め。放射能の基礎知識から、防護の考えまで、一通り網羅されており、ものすごく勉強になった。ICRPのドキュメントよりもずっと読みやすくて、今まで読んだ中では、一般人に最もお勧めできる。残念ながら、アマゾンは在庫が切れているけど、待っていれば、入荷すると思う。 内部被曝関連の情報が多か

  • 粉乳のセシウムとストロンチウムの長期的な変動 - 勝川俊雄公式サイト

    セシウム137 粉乳(粉ミルク)からセシウムが検出されて、大きな話題になりました(メーカーのサイト)。過去の粉乳の放射能汚染について、データベースを使って調べてみました。結果はこんな感じ。1960年代にはとても高い値で推移していたことがわかります。

    unyounyo
    unyounyo 2011/12/19
    検索の仕方ビデオまである^^;
  • 1