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ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (22)

  • 「キリストの墓」数世紀ぶりに開けられる

    エルサレムの聖墳墓教会内で、イエス・キリストの遺体が安置されたという石墓を囲んで建てられた聖堂「エディクラ」の修復作業が行われている。(PHOTOGRAPH BY ODED BALILTY, AP FOR NATIONAL GEOGRAPHIC) イスラエルのエルサレムで、キリストの墓と伝えられる石墓の覆いが数世紀ぶりに取り外された。この墓はエルサレム旧市街の聖墳墓教会内にあり、遅くとも西暦1555年から、おそらくそれよりも何世紀も前からずっと、大理石の板で覆われていた。(参考記事:漆喰の下に12世紀のモザイク画を発見、聖誕教会) 修復プロジェクトの協力者で、米ナショナル ジオグラフィック協会付き考古学者のフレデリック・ヒーバート氏は、「石墓を覆う大理石の板を取り除くと、下に充填材が詰めてあって、その量の多さに驚きました」と言う。「科学的分析にはかなりの時間がかかるでしょうが、ついに、キリ

    「キリストの墓」数世紀ぶりに開けられる
  • チリで大量死が続発、サケ養殖が一因か

    赤潮の影響で漁獲量が激減し、チリ政府に抗議する人々。5月12日、チロエ島にて(PHOTOGRAPH BY ESTEBAN FELIX, AP) ここ数週間、チリ南部から続けざまに大量死の報告が届いている。最初は、養殖場のサケが大量死。次に、大量のイワシが沿岸に浮かんでいた。続いて貝類が何マイルにもわたって海岸線に打ち上げられ、さらにクラゲや鳥、哺乳類までもが死体で発見されている。(参考記事:「動物の大量死が増加、過去70年の傾向を調査」) 死の蔓延で、人々の間にはパニックが広がっている。漁師らは生活への危機感から、通りをふさいで抗議行動を起こした。「汚染を恐れて、誰も魚をべません。島民全員が影響を受けています」と、チリ南部、チロエ島の主要都市の1つ、ケジョンの漁協で組合長を務めるマルコス・サラス氏は嘆く。 チリ政府は、この海の大量死の原因を「有害藻類ブルーム」、いわゆる赤潮であると公式に

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    unyounyo 2016/05/31
  • 重力波、世紀の発見をもたらした壮大な物語

    このほど、2つのブラックホールが合体する際に発生した重力波が検出された。図はブラックホールの合体のシミュレーション画像。ブラックホールがお互いを飲み込む直前には、それ以外の宇宙全体よりも大きなエネルギーを放出する。(ILLUSTRATION BY SXS COLLABORATION) 100年におよぶ壮大な探し物に、ついに決着がついた。科学者たちはレーザーと鏡を使って、時空のさざ波「重力波」を直接観測することに成功した。 この重力波は、地球から約13億光年の彼方で、2つのブラックホールが互いに渦を巻くように回転して衝突したときに発生した。ブラックホールの1つは太陽の36倍の質量を持ち、もう1つは29倍の質量を持っていた。(参考記事:「21年後に巨大ブラックホールが衝突へ」) 重力波は池に生じたさざ波のように宇宙を広がり、2015年9月14日、地球上に設置された4組の鏡の距離に、ごくわずかだ

    重力波、世紀の発見をもたらした壮大な物語
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    unyounyo 2016/02/13
  • 「非接触部族」マシコ・ピロ族、頻繁に出没の謎

    マシコ・ピロ族のメンバー。ペルーのアマゾンの森に住み、アルト・マドレ・デ・ディオス川の河岸に定期的に出没する。2015年7月に撮影。(PHOTOGRAPH BY RON SWAISGOOD) ペルーの美しい村、シペチアリ。緑豊かなこの村を通る曲がりくねった山道に突如、鋭くとがれた2mの竹槍を装備したマシコ・ピロ族が現れた。 「なぜ私を殺そうとするの?」 1月に初めてマシコ・ピロ族に遭遇したシペチアリ村のルフィナ・リヴェラ副村長――小柄ながら、威圧的な女性だ――は、そう叫んだ。 その後も、彼らの来訪は続いた。アルト・マドレ・デ・ディオス川から歩いて1時間。アマゾンのジャングルの奥深くの静かな村から、鍋やなたが消えていた。 3月には、ひとりの老女が狙われた。1の矢が、老女のスカートをかすめて飛んでいった。5月の初めには、村の男たちが出かけたすきを狙って、マシコ・ピロ族がやってきて農作物を奪っ

    「非接触部族」マシコ・ピロ族、頻繁に出没の謎
  • かつての首狩り族「ナガ」に平和は訪れるか

    毎年12月に開催されるホーンビル・フェスティバルで、観光客に伝統の装束と習慣を見せるナガの人々。ナガは、インドの北東部とミャンマー国境にまたがる地域で独立を求めて長い戦いを続けており、今でも緊張状態が続いている。 顔面に彫られた刺青は色あせても、ノキイング・ワンナオ(Nokying Wangnao)が60年前に初めて狩った人間の首を忘れることはできない。それは、幼い少年の首だった。 ワンナオは、インドとミャンマーの間の辺境地域、霧に覆われたナガの丘陵地帯に今も住む、かつての首狩り族の1人だ。筆者がホンフォイ(Hongphoi)村のわらぶき小屋で彼に会ったとき、彼は頭蓋骨をかたどった銅のネックレスを5つ――1つにつき1つの首を狩ったことを意味する――を身につけながら、竹籠を編んでいた。 ナガ人のかつての首狩り族が、他の部族のメンバー殺害を振り返る。この習慣は、キリスト教への改宗とともに消滅し

    かつての首狩り族「ナガ」に平和は訪れるか
  • スイカ、知られざる5000年の歴史

    スイカは昔から数多くの芸術作品に描かれてきた。画像はジュゼッペ・レッコ(1634〜1695年)の『果物のある静物』。ヨーロッパで最初に色付きで描かれた赤いスイカの図は、中世の書物『健康全書』に見られる。(Photograph by DEA, A. Dagli Orti/DeAgostini/ Getty) スイカを「天使のべもの」だと言ったのは作家のマーク・トウェインだが、スイカの祖先にあたる果物を口にしたなら、天使もすぐに吐き出したに違いない。スイカはもともと固くて苦い、薄緑色の果物だったという。イスラエルにある農業研究機構の園芸学者ハリー・パリス氏は長年の研究の末、5000年におよぶスイカの歴史を解き明かした。(参考記事:「ルイ14世を魅了したエンドウマメの歴史」) 祖先はどこに スイカの祖先にあたる植物がアフリカで生まれ、やがて地中海から欧州各地に広まったことは、専門家らの一致した

    スイカ、知られざる5000年の歴史
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    unyounyo 2015/08/27
  • 1kgの定義、原器から「原子の数」へ | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

    このシリコン球は何個の原子からできているのだろう?その答えからキログラムの新しい定義が決まるかもしれない。(PHOTOGRAPH BY JULIAN STRATENSCHULTE, DPA/CORBIS) フランスのセーブルにある国際度量衡局(BIPM)には、直径・高さともに約39mmの円柱状の金属塊が厳重に保管されている。100年以上にわたり全世界の質量の基準になっている「国際キログラム原器」だ。 キログラム原器は白金とイリジウムの合金でできている。国際単位系の基単位を定義するために現在も使われている唯一の人工基準器だ。国際単位系は基礎物理定数による再定義が進んでいる。例えばメートルの場合、もともと合金製のメートル原器で定義されていたが、1983年に、299,792,458分の1秒間に光が真空中を進む距離として再定義されている。 世界各国の科学者たちは、キログラムについても時代遅れの定

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  • 第1回 テンプル騎士団の財宝

    「テンプル騎士団」の名で有名な「キリストとソロモン神殿の貧しき戦友たち」は、聖地への巡礼に向かうキリスト教徒たちを守る目的で1119年ごろに設立された騎士修道会だ。十字軍国家エルサレムの王、ボードワン2世によって、騎士たちは市内の「神殿の丘」を拠点とする許可を与えられた。かつて、“ソロモンの栄華”で有名な「ソロモンの神殿(テンプル)」があった場所である。 10年後、騎士団がローマカトリック教会の正式認可を受けると、ヨーロッパ中の富裕層から豊富な資金援助が集まり始めた。騎士団には名門一族の子弟たちが続々と入会するようになり、バチカンは教皇以外のすべての権威に優先するという、前例のない強大な特権を騎士団に与えた。 フランスのラングドック地方、レンヌ・ル・シャトーにある、謎に包まれた「マグダラの塔」。19世紀、村の司祭ベランジェ・ソニエールがここで発見したという物は、いったい何だったのだろうか。

    第1回 テンプル騎士団の財宝
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    unyounyo 2015/07/18
    著者はDaniel L. Smith-Christopherなのかな?
  • 「国際アルビニズム啓発デー」が作られた理由

    タンザニアのカバンガ保護センターで同じ疾患を持つ子供たちと共同生活を送るアルビノの少年。この施設は、2008年にアルビノ殺害事件が頻発したことから開設された。ここに暮らす住人の3人に1人がアルビノだ。(Photograph by Stephanie Sinclair) 2015年6月13日は国連が制定した初めての「国際アルビニズム啓発デー」となった。そのきっかけとなったのは40年前、アルビニズム(先天性白皮症。その患者は「アルビノ」と呼ばれる)のカナダ人少年ピーター・アッシュが、弱視や色素の薄い肌、白い髪などを理由にいじめにあったことだった。 嘲笑と暴力に苦しむ日々を生き延びたアッシュ氏は数十年後、世界には不幸にもアルビノへの偏見が原因で命を落とす子供たちがいることを知る。サハラ以南のアフリカでは、アルビノはゼルゼル(「無」の意)と呼ばれる霊体とされ、愚鈍、あるいは邪悪なものと考えられてい

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    unyounyo 2015/06/18
  • 沈没船が明らかにする奴隷貿易の変遷

    1790年代に描かれた絵画『Table Bay Cape Town』。サン・ジョゼ号の沈没現場近くの景色が描かれている。荒れた海と強風に襲われた同船は、バラバラに破壊された。(PHOTOGRAPHY BY PAM WARNE, AFRICAN IMAGE PIPELINE/IZIKO MUSEUM) 1794年12月、アフリカ東海岸にあるポルトガルの奴隷貿易会社から、1隻の船が旅立った。それは、恐ろしい航海の始まりだった。モザンビークを発ち、南アフリカ沖の荒れた海域を回り大西洋を渡るという無謀な旅は、全行程7000マイル(1万1000キロ以上)に及ぶ。1カ月の期間がかかるものの、見返りも大きかった。船倉には400人を超える男女・子どもが拘束され、無情にも売買される運命にあった。 このサン・ジョゼ・パケテ(São José Paquete)号はブラジルに到達できなかったが、その残骸が発見され

    沈没船が明らかにする奴隷貿易の変遷
  • 世界の飢餓人口が改善、25年間で最低に

    25年前、十分な料を得られず、健康な生活を送れない貧困者は10億人を超えていた。 国連が5月27日に発表した飢餓に関する年次報告書によると、現在の栄養不足人口は7億9500万人にまで減少した。栄養不足人口率に換算すると、1990-92年期間の18.6%から、10.9%まで低下している。途上国に限定すると変化がさらに著しく、同期間で23.3%から12.9%まで低下している。 国連糧農業機関(FAO)のジョゼ・グラツィアーノ・ダ・シルバ事務局長は、「飢餓の悲劇は、私たちが生きているうちに必ず撲滅できます」と述べている。 途上国における飢餓人口減少の3分の2に寄与した中国を別にしても、穀物、脂肪種子、肉、乳製品などの料は必要な国に行きわたるようになってきている。通信・輸送関連製品も同様だ。 FAOの上級統計学者で報告書の筆頭著者であるピエロ・コンフォルティ氏は、「輸送は、料安全保障におけ

    世界の飢餓人口が改善、25年間で最低に
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    unyounyo 2015/06/01
  • 専門家に聞く、「イスラム国」遺跡破壊のねらいは?

    ISはイラクの文化遺産の一つ、古代ニムルドの遺跡を爆破する動画をインターネット上に公開した。(Photograph by AFP/Getty) 4月11日、ある動画がソーシャルメディアに投稿されると、ニュースは瞬く間に世界中へ配信され、国際社会から非難が集まった。だがこれは、過激派組織「イスラム国」(IS=Islamic State)がねらった通りの展開と言っていい。 約7分間の動画には、ISの戦闘員がハンマーやブルドーザー、爆発物で古代遺跡を破壊する様子が映っている。専門家らはこの遺跡を、アッシリア王が紀元前9世紀に古代都市ニムルドに建てた北西宮殿と特定した。 ISがハンマーやブルドーザー、爆薬を使ってイラクの古代都市、ニムルド遺跡を破壊する様子を映した動画。インターネット上で公開された。 今回の動画に映っている破壊行為があったのは、おそらく3月中旬から4月初旬の間と考えられる。動画では

    専門家に聞く、「イスラム国」遺跡破壊のねらいは?
  • 第3回 マグロとホホジロザメに共通する進化の秘密を発見!

    研究者をしていて一番うれしいのは、自分の書いた論文が科学雑誌に掲載されたときだ。それは体を張って集めたデータ、頭の痛かった統計解析、苦吟を重ねた英文が、ついに実を結んだ瞬間である。少し大げさに言えば、私の頭の中だけにあったものが人類共通の知見に昇華した瞬間である。 私の最新の論文が日、『米国科学アカデミー紀要(PNAS)』に掲載された。『PNAS』といえば私の研究分野では(というよりほとんどの研究分野において)、『Nature』、『Science』に次ぐ地位を占める堂々たる東の大関だ。このクラスの科学雑誌に論文が掲載されると、世界中のおびただしい研究者や科学ジャーナリストに読まれ、したがってその科学的な成果が広く認知される。しかしその分、論文掲載をめぐる競争の熾烈さといったら、ほとんどの原稿はろくすっぽ審査されることなく門前払いされるほどだ。一部のトップ研究者はさておき、私程度の研究者に

    第3回 マグロとホホジロザメに共通する進化の秘密を発見!
  • ヨーロッパ諸語のルーツは東欧。DNA分析で判明

    4500年以上前にドイツ中部で埋葬された男性の人骨。この後、東欧から移住した考えられる集団とは、共通の祖先を持たないことがわかった。(PHOTOGRAPH BY JURAJ LIPTAK, LDA SACHSEN-ANHALT) ヨーロッパ大陸全域で話されている言語のルーツはどこにあるのか。このほど行われたDNA分析で、約4500年前、現在のロシアウクライナにまたがる草原地帯から移動してきた牧畜民が使った言語がルーツとする説が発表された。 長く狩猟採集が続いた先史時代のヨーロッパで、農耕が始まったことは画期的な出来事と位置付けられている。ヨーロッパでの農耕は、東方の農耕する集団がヨーロッパへ移動したことから始まったとされる。 ところが2015年3月2日、科学誌「ネイチャー」に、ヨーロッパへの集団の大移動は1度だけではなく、2度あったとする研究論文が発表された。この説では、最初の集団の移動

    ヨーロッパ諸語のルーツは東欧。DNA分析で判明
  • 謎の古代文明の遺跡を中米で複数発見、マヤとは別

    ※この発見についての詳細は、2015年12月30日発売の『ナショナル ジオグラフィック日版』2016年1月号で、見つかった都市の想像図や写真を含めて詳しく紹介します。 一部が人間で一部がジャガーの姿をした石の彫像。ホンジュラスの密林奥深くに眠る遺跡では、この他数多くの出土品が見つかった。(PHOTOGRAPH BY DAVE YODER, NATIONAL GEOGRAPHIC) ホンジュラスの密林へ分け入った探検隊が、失われた文明の遺跡を発見したという驚くべき報告を携えて戻ってきた。この地域には昔から「猿神王国」あるいは「シウダー・ブランカ(白い街)」という古代文明にまつわる伝説が存在し、その遺跡がどこかに眠っているといわれてきた。探検隊はその場所を確かめるために、人里離れた未開のジャングルへと足を踏み入れた。 発見された遺跡は今からおよそ1000年前に栄え、その後滅びた文明のものと思

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  • パナマ運河拡張で外来生物リスク2~3倍に

    パナマ運河を通行するコンテナ船。出航した港の生物は、船の表面に付着したり、バラスト水に紛れ込んだりして移動する。(Photograph by Jonathan Kingston, National Geographic) パナマ運河の拡張工事が進んでいる。2016年に完了すれば、これまで米国の西海岸に寄港するしかなかった大型船舶が、積荷を直接メキシコ湾や東海岸の港まで運べるようになる。ところが、こうした船舶は同時に、意図せず大量の外来生物を運んでしまう。その脅威や規模について、米国の研究者がこのほど学術誌『Diversity and Distributions(多様性と分布)』に発表した。 パナマ運河には新たに第3の閘門(こうもん)が設置されるほか、水路も広く、深くなる予定だ。航行可能な船舶の大きさは、現在よりも長さ71メートル、幅16メートル拡大し、最大で全長366メートル、全幅49メー

    パナマ運河拡張で外来生物リスク2~3倍に
  • イルカ襲う、つぶらな瞳の無慈悲なアザラシ

    愛らしい表情を見せるハイイロアザラシ。海の人気者が、実際は「情け容赦のない捕者」という証拠が相次いでいる。(Photograph by Brian J. Skerry, National Geographic) 一見、ほのぼのした光景だった。2013年、北海に浮かぶドイツ領ヘルゴラント島。沖で2頭のアザラシがふざけ合っているらしく、そのうち波の下へ潜っていった。間もなく、不気味な赤い色が波間に広がった。2頭が再び水面に現れたとき、大きい方のアザラシがもう一方のアザラシの皮をはぎ、べていたのだ。 「2頭は遊んでいるとばかり思いました」。環境コンサルティング会社「IBLウンヴェルトプランノン」の海洋生物学者セバスチャン・フアマンは振り返る。同氏が撮影した、襲われる若いゼニガタアザラシの写真は、『Journal of Sea Research』誌の2015年3月号に掲載される予定だ。「最初見

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    unyounyo 2015/02/14
    たまにいい記事もあるが、写真集だと思って読む。
  • 米国 汚染地に暮らす

    有害な廃棄物による汚染が深刻で、浄化が必要だとされる場所が全米に1700カ所以上ある。そして、こうした汚染地の近くに約4900万人が暮らしている。 文=ポール・ヴォーセン/写真=フリッツ・ホフマン 米国では現在、約6人に1人が汚染の深刻な廃棄物処分場から5キロ以内に暮らしている。こうした場所に適用されるのが「スーパーファンド・プログラム」だ。この制度は、有害物質による汚染が原因の災害や深刻な土壌汚染から国民を守るため、1980年に創設された。 きっかけとなったのは、ニューヨーク州ナイアガラフォールズのラブ・キャナル地区をめぐる論争だ。廃棄物処分場の跡地に開発された住宅地ラブ・キャナルでは、地中から有毒な化学廃棄物の入ったドラム缶が大量に見つかり、廃棄した化学メーカーのフッカー・ケミカル社に対する抗議運動が巻き起こった。そして、多くの米国人が「自分の近所でも同じことが起きているのではないか?

    米国 汚染地に暮らす
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    unyounyo 2015/01/30
  • 第3回 寄生虫ハリガネムシはどうやって宿主の心を操るのか

    寄生虫であるハリガネムシが、宿主であるカマドウマを操作して、ハリガネムシの産卵場所である水に飛び込ませる。 はたしてどういう理屈でそんなことが可能になるのか。 謎が多いながら、分かってきていることもある。佐藤さん自身は生態学者として野生で起きていることを見る方に重心があるものの、共同研究者と一緒に行動操作の謎に挑む研究にもかかわりはじめている。今のところ、どんなことが分かっているのか聞いた。 まず、大きく分けて、2つの方面からのアプローチがある。 ひとつは、ハリガネムシに寄生された宿主の行動を緻密に観察したり実験したりして、推測すること。もうひとつは、分子生物学的な方法で、操作されている時の脳内にどんなタンパク質や生理活性物質が発現しているかなどを細かく見ていく方法。行動を直接見るか、脳内の分子レベルの状態を見るか、という違いだ。 ハリガネムシはどうやって宿主を水に飛び込ませるのだろうか。

    第3回 寄生虫ハリガネムシはどうやって宿主の心を操るのか
  • 第4回 実証できない進化論ははたして科学なのか

    には恐竜ファンが多くて、毎年のように「恐竜展」が行われる。 ぼくも、古生物には興味があり、とりわけ恐竜には破格の魅力を感じる。なにしろ、凄い生き物だった! 是非、肉眼で動く姿を見てみたかった。古生物ではなく、野生動物として。進化生物学、さらには古生物学は、系統を推定したり、古い時代の生態系を再現しようとしたり、遠い過去を垣間見るのぞき窓を提供してくれる。ぼくたちの知識が及ぶ範囲でのタイムマシン、ともいえる。 ところが……宗教的な文化が強い国や地域では、「進化」について受け入れがたいと感じる人が今も少なからずいるようだ。日ではあまり聞かない話なので、ピンと来ないという人は、「創造科学」「クリエイショニスト」「インテリジェントデザイン」といったキーワードを調べてみるとよい。例えば、コカ・コーラやマクドナルドの国であるアメリカ合衆国は一見「世俗的」に思えるかもしれないが、深く宗教的な地域が