東京のマンション価格が高騰し、現役世代には手の届きにくい水準になった。『なぜ働いても家を買えないのか』(日本経済新聞出版)を上梓した日本経済新聞記者の外山尚之さんは「かつてはマンションを購入することはリスクだと考えられていた。ところが、ここ十数年の価格上昇で状況は大きく変わった」という――。(第1回) 月々の家計は赤字の「億り人」 「生活費や教育費も加えると月々の収支は赤字になるので、ボーナスで調整している」。東京メトロ白金高輪駅近くのタワマン「白金ザ・スカイ」(東京・港)に住む斎藤彩美(仮名、38歳)はこう苦笑する。 2023年に竣工した同物件の価格は1億6000万円と、世帯年収の8倍に相当する。いわゆるパワーカップルの斎藤にとっても決して負担は軽くなく、資金繰りは綱渡りだ。ローンの返済に加え、管理費や修繕積立金を加えると毎月の住居費だけで45万円を超える。 仮に夫婦のどちらかが病気にな